抜歯後の治療について考えましょう

むし歯がひどくなって抜歯しなければいけなかったり、歯周病で歯がグラグラして抜けてしまったりしたときには、すぐに歯科医院に行って治療を受けることが大切です。

そのまま治療せずに放置してしまうと、いざ治療しようという時に思いもかけない問題が起こり、治療が大がかりになってしまうからです。その結果、治療期間は長くなり、費用も多くかかってしまうことになります。

抜けた部分を治療しないと顎の骨が減ってしまう


歯が抜けると、その部分の骨に噛む力が加わらなくなります。そのためあごの骨は徐々に吸収して減っていってしまいます。また、入れ歯の場合も歯ぐきで噛む力を支えるため、あごの骨は減っていきます。

あごの骨に歯根が埋まっていて、噛む力がしっかりと骨に伝わるということがいかに大切か、おわかりいただけたでしょうか。

歯が抜けたスペースに隣の歯が移動してくる

歯が抜けると、1本分のスペースが空いてしまいます。歯は隣同志がぴったり並ぶことでしっかりと支え合っていますので、1本分の隙間が出来るとその部分を目指して隣の歯が倒れこんできます。

倒れてきた歯が斜めになってしまうと、いざ抜けた部分に義歯を入れようとしたときに、まず倒れている歯を起こさなくてはなりません。その場合は歯列矯正を行う必要があり、歯に矯正器具をつけなければなりませんし、自費治療のため費用が多くかかり治療期間も長くなります。矯正治療が終わってからやっと義歯を入れる治療に入りますので、お金も時間もかなり余分にかかってしまいます。

奥歯の場合は咬み合う相手の歯が伸びてくる


下の歯を失った場合は咬み合う相手の上の歯が、そして上の歯を失った場合は下の歯がそれぞれ空いたスペースを目指して伸びてきます。この場合も、いざ治療しようとなった時に、歯を削って短くする治療をしなければならなくなり、治療費と治療期間が余分にかかります。

このように、歯が抜けた時に放っておくのはとても危険。すぐに歯科医院に相談しましょう。歯が抜けた場合の治療方法は、入れ歯、ブリッジ、インプラントの3種類になります。
それぞれの治療法にメリットとデメリットがありますので、歯科医師と十分に話し合って選択しましょう。

インプラントは永久歯の先天性欠如の強い味方

近年、子どもの歯並びが悪くなる一方です。それは食生活が変わって硬いものをあまり食べなくなった結果、顎の骨が発達せず、小さな顎に全ての歯が並びきらないためだと言われています。

子どもの10人に1人は永久歯に先天性欠如がある?





永久歯に先天性欠如があり、永久歯が生えてこない部分のある子どもも増えてきています。日本小児学会の公開講座では2010年の段階で、1本以上の永久歯が生えてこない子どもが10%いるという調査結果が発表されています。
10%といえば10人に一人ですから、かなりの確率になりますね。


永久歯に先天性欠如がみつかったらどうしたらいい?





このような永久歯に先天性欠如があって永久歯が生えてこない場合は、その部分の乳歯を大切に一生使うことになります。ただし、大事にしても乳歯が一生もつことは極めてまれで、大体は大人になる頃にはぐらぐらし始め、抜けてしまうことが多いです。

その後は入れ歯やブリッジをしなければならないかというと、近年ではインプラントをする方が増えています。入れ歯をするには若すぎるし、ブリッジは健康な歯を2本削らなければならないというのがその理由です。ただし、インプラント治療を受けるには成長期が終わっていなければなりません。だいたい16才くらいからインプラント治療が可能になります。

大切な乳歯が抜けてしまった場合はすぐに治療しましょう


乳歯が残っている間は問題無く噛めますが、抜けてしまってからは速やかに治療して歯のない部分を補わねばなりません。何年も放置すると隣の歯が空いたスペースに倒れてきたり、全体の咬み合わせが悪くなることがあります。若い方の歯周組織は柔らかいため歯が動きやすく、注意が必要です。

何れにしても、永久歯に先天性欠如がある場合は定期的に受診し、歯科医師の指導のもとに日常生活を送っていただくのがよいと思います。

ちなみに、先天性欠如の原因はわかっていません。栄養が足りないからとか、人間の顎が退化していっているから等と言われていますが、実際には原因不明とされています。そのため予防も出来ない状態にあります。

過去の治療が原因で歯を失う場合もある

歯を失うことでインプラント治療をされた患者さんを多く見てまいりましたが、歯の悪い方はお顔の色つやが悪かったり小皺が多かったりと、何かと顔にも不健康なサインが出ているのが普通です。

しかし、お顔の色つやが良く健康そうに見える方でも、多くの歯を失っている方がおられます。
その方たちの多くは、過去に治療した歯の噛み合わせが悪かったり、被せ物が合っていなかったりしたことが原因で歯を失っておられます。

歯の噛み合わせが悪かったり被せ物が合っていない場合は、特定の歯に強い力が加わってしまいます。
歯は横にゆすられることに弱いという性質をもっているために、その状態が続くと外傷性の歯周病が進行してしまい、徐々に歯がぐらぐらしだして最終的に歯を失うことになります。

そのような方たちの天然歯を見てみると、歯槽骨が殆ど吸収しておらず健康そのものという場合も多いです。
つまり、過去の治療で不適切な被せ物をしたことが原因で歯を失っている方も多くおられるということです。
もちろん被せ物や噛み合わせの調整を十分に行っていればこのようなことは起こりません。

被せ物や噛み合わせの他に根幹治療が悪かったために歯を失うケースもあります。
適切な治療さえ行っていれば歯を失わずに済んでのですから、同じ歯科医療に携わる者としては悔やんでも悔やみきれません。

幸いインプラント治療によって予後は良いのですが、歯を失わずに済むならばそれに越したことはありませんので、予防歯科にも力を注いでいきたいと思っています。

噛み合わせが低い時の諸症状について

インプラントは失った歯を補うだけでなく、歯を噛み合わせの改善にも一役買ってくれます。

さて、噛み合わせが低い時にどのような症状が出るのでしょうか?

まず、噛み合わせが低くなると下顎が後退して顎関節がずれます。
顎関節がずれると、関節と関節の間に挟まれた軟骨がこすれてポキポキ音がします。

食事中にものを噛むたびに顎から音がして気になる方がおられます。
一般に顎関節症といわれているものです。

顎関節の位置は耳のすぐ前あたりで、口を開け閉めした時に動く部分です。
耳に近い位置にあるために顎がなる音は聞こえやすく、耳鳴りなどの耳の症状が出る場合もあります。

顎関節のずれが肩こりや腰痛、手足の冷えを引き起こすともいわれており、必ずしも症状が口の周りに出るというわけではありません。

噛み合わせが低くなることがきっかけで、顎関節がずれたりねじれたりすることもあります。ずれやねじれは全身のバランスにも影響が出ますので、片方の方が下がったり背骨が曲がったりする場合もあります。

こうなると、症状は全身に及びます。
背骨は感覚神経や運動神経、自律神経に深く関わりますので、それらが圧迫される事で腰が痛くなったり、手足が動きにくい、手足が冷える等の諸症状が出ます。

本当に厄介ですね。
それらの症状が起こらないように、インプラントの被せ物によって一つ一つの歯に確実に良い接触点を与えなければなりません。

 

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  • 投稿日時:2016年03月29日
  • 記事分類:歯科