インプラント治療のゴールを思い描く

これからインプラント治療をされる患者さんは、ほぼすべての方が歯を失ったために噛めないというお悩みをお持ちだと思います。

ずっと噛めなくてお困りだった患者さんが、インプラント治療で硬いおせんべいをバリバリと食べることが出来るようになりました。その患者さんがおっしゃるには、インプラントで何でも噛めるようになったことももちろん嬉しいけれど、一番嬉しいのは毎晩熟睡できるようになったことだそうです。

以前はとにかくものが満足に食べられないので精神的にも毎日が鬱々とした状態で、眠ろうとすると歯ぐきの奥の方が痛んで眠れなくなり、毎晩鎮痛剤が手放せず大変ご苦労されていました。一生このような状態が続くのかと諦めの境地で過ごしておられたそうです。

やがてインプラントで治療する決心をされ、インプラントの埋入手術、そして骨としっかり結合したインプラントの上に仮歯が入り、最終的にセラミックのかぶせ物が取り付けられます。

インプラントの治療では手術後は数か月に一度の来院になりますので、来院された時には全体の治療計画を再度お話し、現在はどの辺まで来ているのか、そして治療後の状態、つまりゴールを確認しあいます。
数か月にわたる長い治療期間の中で患者さんに元気に過ごしていただくためには、これから先の治療計画とゴールを確認することがとても重要です。

やがて来る、最終的なセラミックの歯が入る日を心待ちにし、希望をもって毎日を過ごして頂くのです。仮歯の段階でかなり噛めるようになる方もおられますが、最後にセラミックの歯が取り付けられた時の感激はひとしおです。

何でも食べられ、夜も熟睡出来るようになったこの患者さんのように、インプラント治療を通じて健康を取り戻していただくことが、私たちの目標でもあります。


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インプラントをきっかけに歯周病が良くなったお話

歯は骨で支えられているのですが、この骨が溶けていく病気が歯周病です。
歯周病の起こる原因は様々で、患者さんの体質や生活習慣によって発症の年齢や進み具合が違ってきます。

基本的には患者さんの体質を改善することで歯周病は良くなってくるのですが、患者さんの身体の抵抗力が一時的に衰えたり体力が弱まった時に歯周病がひどくなったりもします。
また、噛み合わせのバランスが崩れて特定の歯に負担がかかるような状態になった場合も歯周病が進行して骨が溶けやすくなります。

歯周病の患者さんが歯を失った場合、入れ歯で治療するのは危険です。保険適用の入れ歯はバネを引っ掛ける方式ですので、バネをかける歯に負担がかかります。そしてバネをかけても入れ歯はしっかり固定されずに揺れることが多く、その揺れが更に周囲の歯に負担をかけます。
歯が揺れている状態ではしっかり噛めないことは、想像して頂ければおわかりになると思います。

入れ歯ではなく、インプラントで力がかかっても大丈夫なしっかりとした奥歯をつくってやると、歯が揺れて他の歯に負担をかけることも、入れ歯のようにバネで歯に負担がかかることもありません。

インプラントで奥歯の噛み合わせを改善することで、残っている歯の負担は激減します。そしてインプラントを埋入した部分の骨は、吸収されることなく逆に骨が回復していきます。
それは周辺の歯にも良い影響を与え、歯周病の改善へと繋がっていきます。

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子供の頃に歯を失ったことをきっかけに歯の健康を考えるようになった方

歯でお悩みの方は、中高年になってから急に歯の悩みが出来たのではなく、子供の頃から歯が悪かったとおっしゃる方が多いです。


逆に子供の頃に歯を失う体験をしてから、少しでも気になる部分があれば歯科医院に行くようになり結果的に健康な歯を長持ちさせることが出来ている方もおられます。
その方は歯医者通いが趣味というのは言いすぎかもしれませんが、歯科衛生士にクリーニングをしてもらったり、ホワイトニングをしてもらったり、治療以外の部分で歯科医院のお世話になる事を楽しんでおられます。


今年で57歳になられますが、虫歯で詰め物をした歯はあるものの、子供の時に失った歯以外は健康そのものです。
定期検診は必ず受けておられ、毎月クリーニングにもお越し頂いているため歯周病予防も完璧で、自宅ではフロスを使うのもお手のものです。
健康な歯の持ち主ということで、表彰したい位です。


さて、子供の頃に歯を失ったと書きましたが、当時の歯科医療では歯を抜いた後の治療はブリッジにするのが普通で、この方も奥歯を銀合金のブリッジにしておられました。


ブリッジは両側の歯に強い力がかかるために数年後に歯の根っこが割れたりして、抜歯に繋がるケースがあります。
この方は幸い歯のケアをしっかりと行っていたために、40代になるまでブリッジが駄目になることはありませんでした。


他に悪い歯もなく十分満足されてはいたのですが、ある日、インプラント治療に興味をもたれぜひ受けてみたいと思われたのです。
この方の場合は、ブリッジを切断して真ん中の欠損歯の部分にインプラントを埋入することになります。
小学生の時に失った歯の部分です。


歯を失ってから40年近くたっており、骨が十分にあるかどうか少し心配されていましたが、もともと健康体で煙草も吸わない方でしたので、骨の量は大丈夫でした。
ブリッジではあまり噛む力が出ないのですが、インプラントは良く噛めますので、インプラントにした事によってより健康になられました。


このように、子供の頃に歯が悪くなったことがきっかけで、本当に歯を大切にする生活が身につくこともあります。
どのような道筋をたどられるかは人それぞれですが、多くの方々が少しでも健康な歯を長く使えるようにと願います。


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仕事が忙しくて通院できない方も出来る限り受診して下さいね

患者さんたちの中には、通院する時間がどうしてもとれなくて受診が延び延びになってしまった方もおられます。
そうしている間に歯はどんどん悪くなり、歯を失ってしまってから当院に相談に来られることもあります。。

五十歳、六十歳を過ぎてからやっと歯科医院に通い出したものの、それまでに既にかなりの歯を失っている場合もあります。

これらの方は主に仕事で毎日大変忙しい方で、予約をしてもその時間に仕事が入ってしまったり夜中までの残業や休日出勤もあり、治療のためのスケジュールを開けておくのがとても難しいという傾向があります。

日本人の労働時間は昭和35年をピークに減少しており、週休二日制の企業もたくさんあります。
一方で夜も昼も休日も仕事をしているような忙しい方もおられます。
きっとご家族やお友達との約束も遅れたりキャンセルしたりで、顰蹙をかっておられることと思います。

しかしそのために大切な歯を失うというのは大変辛い選択です。
早めに治療しておけば抜かなくても済んだ歯もあるはずです。

現在ではインプラント治療というすぐれた技術があり、歯を失ったからといって絶望することはないのですが、やはり歯の治療というものは後手後手に回るのではなく、出来る限り予防に力を注ぐべきだと考えます。

インプラントの相談だけでなく、当院では定期検診も行っていますので、歯でお悩みの方は早めに受診されてくださいね。


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