手術を上手くする当院の取り組み

インプラントオペの様子

手術が上手いかどうかは、医師の手先の器用さや、その医師自体が手術が好きかどうかもあります。例えば内科医で血を見るのも苦手な医師も多くいますが、そういう医師はまず手術をすべきではありません。
ただ元々手先があまり器用じゃなくても、優秀なインプラント外科医はたくさんいます。それはインプラントという治療に対する思い入れの大きさ、手術に対する探求心が旺盛な医師です。

手術は、まずは理論なんです。理論がしっかりしていれば技術は必ず付いてきます。インプラント手術の理論について説明します。

1.歯ぐきを切る

切開線の入れ方

インプラント手術切開線の入れ方

切開線の入れ方が良くないと後で縫い合わせた時に歯ぐきがひっつきにくかったり、切った後が瘢痕(はんこん)になったり、切った隣の歯の根っこが露出して知覚過敏になったり、見映えが悪くなったりします。
適切な切開線は歯の偶角部のピンポイントから切れ目を入れます。(これができてない医師も多い)
そこから骨のてっぺん(歯槽頂)に向かって切り進み、骨の表面までしっかりと深く切っていきます。

その時のメスは先のとがった
メスのようなメスで先だけを使って切るのではなく、

メス
のような湾曲したメスの刃全体を使って切らないと切り残しができ、後で歯ぐきを骨からはがす時に歯ぐきがぐちゃぐちゃになり、結果的に傷口の治りが悪くなります。


2.歯ぐきを骨からはがす

歯ぐきを骨からはがす時に、はがし方が悪いと後で歯ぐきがひっつきにくくなったり、傷口が治るのにかなり時間がかかったりします。また術後の痛みや腫れの大きな原因ともなります。歯ぐきを骨からはがすにはテクニックの理解と実践が必要になります。

3.ドリルで骨を削る

ドリルで骨を削る

ドリルで骨を削る時に最も気をつけるのは、最初に削るピンポイントの位置と方向、そして長さです。

削る位置は、後で人工の歯をかぶせるわけですからそれを正確に反映した位置でないといけません。

これがずれると、かぶせ物の形がいびつになるだけでなく、かんだ時に変な力が働いて長持ちしづらくなります。

次に気をつけるのは、削る方向です。方向が狂うと適切な長さのインプラントが埋入できなかったり、神経や血管を傷つけてしまいます。

もう一点、骨を削る時に非常に重要なポイントがあります。それは骨の発熱を防ぐことです。
骨は熱に大変弱く、削ってる最中に40℃を超えてしまうと細胞が死んでくさってしまいます。(壊死といいます)

適切に骨を削る為には、事前のシュミレーションをしっかりやること、インプラントの力学的理解を高める勉強が必要になります。
また、骨の発熱を防ぐには確実に大量の生理食塩水を骨に当てなければいけません。これには医師や介助のスタッフの訓練が不可欠です。
当院では定期的な勉強会で皆に完全に理解させています。


4.インプラントを骨に埋め込む

インプラントを骨に埋め込む

この場合に最も注意することは、あらかじめ骨に開けた穴の方向に確実に埋め込むことです。
穴をいくら正確に開けたとしてもインプラントをその穴の方向にピッタリと埋め込まなくてはいけません。お口の中で、特に奥歯だと方向をピッタリ一致させることは熟練がいります。

もう一つ大事なのは、埋め込むスピードです。インプラントは木ねじのように骨の中に埋め込むわけですが、そのスピードが速すぎると熱が出てしまい骨の細胞が死ぬことがあります。
1秒で90°回転させるのが理想です。
当院では、模型を使った実習で皆に徹底しています。


5.切った歯ぐきを縫う

インプラントを埋め込んだ後は、当然切った歯ぐきを縫わないといけません。実はこの縫い方はとても大事なのです。縫い方が悪いと歯ぐきがちゃんとひっつかずに感染を起こしたり、傷口の治りが長引いたりします。

縫い方

単純縫合 マットレス縫合
単純縫合 マットレス縫合
上記の単純縫合とマットレス縫合を組み合わせることが重要です。
当院では術後の感染をなくす為に、縫合については確実なやり方を習得しています。

インプラントについてのご質問・ご相談は無料初診カウンセリングでドクターが詳しくお答えいたします。お気軽にご予約ください。無料の電話相談やWeb診断も行っていますのでご利用ください。

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