今まで、インプ ラントの手術をする場合は、ドリルで骨に穴を開け、そこにインプ ラントを埋め込むというものでした。その為、怖がりの患者さんとか血圧の高い患者さんには手術ができないという欠点がありました。
ところが、この度(2006年11月)、ついにドリルなしでインプラントを埋め込むことができるようになりました!!
(厳密には、ドリルを使う量が90%削減されました。)
そのインプラントはOAMインプ ラントと呼ばれ、名古屋市立大学医学部講師の大口弘医学博士が考案されたものです。北大阪インプ ラントセンターでは、大口先生の指導の下、このインプ ラントを導入致しました。ドリルを使うより少しだけ時間はかかりますが、怖がりの患者さんにとってはまさに福音となりました。また、OAMインプ ラントは、骨の幅を拡げる効果もありますので、従来のような骨を増やす特殊な手術(GBR法、骨移植、スプリットクレスト、イリザロフ法など)をしなくても骨の幅を増やすことができるようになりました。また、この方法では骨密度もあげることができるため、よりインプラントの手術適用が増えました。
以下、OAMインプラントの手術法についてご説明します。
1.まず、インプ ラントを埋め込む場所に最初のマーキングとして直径0.3mmの極めて小さいドリルで印をつけます。通常のドリルのような負担はほとんどなく、しかもドリルを使うのはこの最初のステップだけです。
2.歯の根っこの治療用のファイルと呼ばれる器具を用い、所定の長さまで骨に穴を開けます。
麻酔も効いているし、振動もないのでまったく何も感じません。
3. オーギュメーターという器具を使い、順次インプ ラントを埋め込むための穴を拡大していきます。
直径0.5→0.7→0.9→1.2→1.4→1.6いうふうにゆっくり穴を拡大していきます。
この際、骨の幅も同時に拡がり、骨密度も上がります。
【実際のオーギュメーターの写真】
4.拡大を続けていき、埋め込む予定のインプ ラントの太さまで穴を拡大します。(通常は3.2mmまで拡大します。)
5.インプラント体を埋め込み、手術完了です。
<OAMインプラントの特徴>
骨がすごくやせてしまった方にインプ ラントを埋め込むのは通常であれば、骨を作るための手術が必要になります。GBR法といって、骨芽細胞を集めて骨の量を増やしたり、自分の骨をどこか他の場所(下顎の奥の方や、腰の骨など)から採取してそれをインプ ラント埋入部位に移植したり(骨移植)、わざと骨を骨折させてそこに骨を増やすような処置(スプリットクレスト法)をほどこしたり、骨をジャッキアップして増やしたり(イリザロフ法)、色んな手術が必要になってきます。
ところが、OAMインプ ラントでは、オーギュメーターという器具を使って糸のような穴をすこしずつ拡げてインプ ラントを埋める穴を作ります。糸のような穴なら骨の幅が1mmしかない患者さんでもつくることができます。人間の骨は弾性があるため、その穴を少しずつ拡げることができます。そうすることにより、わざわざ骨を増やすややこしい手術をする必要が無く、たった1回で終わらせることができるようになり、しかも傷口も小さいため術後の治りも早いです。また、骨を少しずつ拡げることにより、骨密度も上がりますので、骨そしょう症のような骨密度が低い方にも有利になりました。
さらには、怖がりの方は特に気にされるであろう、骨を削る時の不快な音や振動を与えることがなく、オーギュメーターで静かに手術できるため、インプ ラント手術がより快適なものに改善されました。このことにより、患者さんは、苦痛なくより安心して手術を受けることができるようになりました。
ただ、このOAMインプ ラントが適用できない場合もあります。その場合は、骨密度が極端に高い方です。いわゆる骨密度がD1の方には従来のドリルを使う必要性があります。
大口弘博士同様、この世界初のインプ ラント手術法が、世界中に広く支持され利用されるよう切に望みます。
北大阪インプ ラントセンターでは、3名のドクターがOAMインプ ラントの公認インストラクターをしております。