噛むことは人間の治癒力、生命力を高めます

歯を失うことは患者さんに大変な精神的なストレスを与えます。
噛めないことによる食事の変化によって身体が直接的にダメージを受けることも深刻な問題ですが、精神的なストレスという心の問題も決して無視することは出来ません。

このことを踏まえると、将来的に身体的にも精神的にも健康に暮らしていくためには、インプラントの効果は大変大きいと考えます。

それはインプラント治療後の患者さんの瞳に輝きが増すことからも明らかです。
患者さんはしっかり噛めるようになることで生きる自信を取り戻したと言っても過言ではないと思います。

それほどに噛むということは人間の治癒力、生命力に直結しているのです。
噛むことで脳の働きが良くなるとよく言われますが、実際に歯を失うことなく自分の歯で噛めている方は例え老齢の方であったとしても若々しく、声や態度にも生命力がみなぎっています。

65歳以上の方を対象にした調査で、ご自身の歯がしっかりしていて噛む能力が高い方は骨密度が高い傾向があり、その方たちは片足立ち等の運動能力も優れておりスタミナもあり、年齢よりも若い身体能力をもっているとの報告があります。

みなさんも骨密度を測る機会がありましたら、ぜひ測ってみてください。
ご自身の今の状態を知っておくことは現在の健康状態を知るための参考になると思います。

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インプラントは安全か?患者さんからのご質問に対して

インプラントを埋入する際に「骨の中の神経や血管を傷つけることがないのか。本当に大丈夫なのか」と患者さんから質問を受けることがあります。

インプラント手術にももちろんリスクはありますが、手術が成功するかどうかは手術を行う歯科医師の手術の熟練度と技術、そして解剖学の知識がどの程度あるかに左右されます。

骨の少ない難しいケースでもレントゲンで確認を行いながら処置を行うことで、危険なく手術を終えることができます。

長く使っている間にインプラントが駄目になってしまう場合は、インプラントの設計や噛み合わせに原因があります。

現在使用されているインプラントはチタンベースの歯根型(ルートフォーム)のものが主流になっています。長い年月の試行錯誤によって形や表面性状の面からもほぼ完成されたものになっており、安全性を考慮して適切に埋入し噛み合わせを調節すれば、まず問題が起こる事はありません。

しかしインプラントが数年でだめになるケースが全くないわけではありません。だめになる場合は埋入してから間もない初期の段階が多く、ダメになった場合はインプラントがぐらぐらしていますので、逆回転すればほんの数秒でインプラントを除去できます。

インプラントの除去はそれほど苦痛はありません。
インプラントがぐらぐらした原因を見極め、それに対処しながらインプラントを埋入しなおす場合もあります。

 

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噛めることがバランスの良い食事に繋がる

当院では食事療法のようなものは行っていないのですが、インプラントによる治療前と治療後では患者さんの食生活がかなり変化することがわかっています。

歯を失うと、その部分の骨が吸収し、徐々になくなっていきます。
レントゲン上では歯槽骨が黒く抜けたように写ります。

また、健康な歯ぐきの色はピンク色ですが、歯周病の方の場合は黒ずんだ赤色に変化します。

歯の状態が悪いと固いものが噛めませんので、もともと柔らかいものか、軟らかく煮たものを選んで食べるようになります。
ご本人は気付かれていない場合が多いのですが、この軟らかい食べ物を選ぶということが偏食に繋がり、同じようなものばかり食べていることにもなりかねません。

歯ぐきや歯槽骨が弱ってきたことで食生活の乱れが起こるのは、簡単に想像できると思います。

食生活の乱れは必要なビタミンやミネラルの不足を招き、その結果顔色が悪くなったり肌の艶がなくなったりして、身体が徐々に弱っていき、疲れがとれなかったり風邪をひきやすかったりという体質に変わっていきます。

インプラントや歯周病の治療によって食生活の乱れがすべて解決するわけではありませんが、様々な食物をしっかり噛んで食べられるということは、全身の健康に直結しています。

実際に様々な患者さんを治療していく中で、歯肉の色は健康な色になり、顔の色艶も良くなっていくのを見てきました。
そして知らない間に免疫力が上がって風邪をひきにくい身体になっていた方が多くおられます。

健康の原点は食べることから始まります。
生き物として歯を失うことの怖さは、今さら説明の必要がないほど、皆さんご承知だと思います。

当院のインプラント治療は、失った歯をインプラントに置き換えて健康を取り戻していただくことと、残っている歯を大切にケアしていくことの2本柱です。
全ては将来の健康な体に繋がっていきますので、再び噛めるように、諦めずに歯のケアを続けましょう。


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インプラント周囲炎にはなりたくない

歯みがき、面倒くさいと思ってませんか?
面倒くさくて嫌々なさっている方も多いのではないでしょうか。

毎日のブラッシングは本当に大切ですが、きちんと歯のケアをすることで必ず良い結果に導かれますので、歯磨きは特別なことではなく、「毎日する当たり前のこと」という位置づけにしてみてください。

特に毎日のブラッシングがきちんと行えていないことが原因で歯を失ってしまった場合は、インプラントだけでなく他の歯を守るためにも、今後は毎日歯のお手入れをすることを徹底していただきたいです。

インプラントによって歯がないという事態は避けられたものの、他の歯にもいつ何時同じことが起こらないとも限らないのです。

確かにインプラントは自分の歯そのもののような違和感のない噛み心地と見た目ですが、天然の歯に勝るものはありません。

歯を失った結果インプラントをしなければならなかったという経験を踏まえて、今後はインプラントをしなくて済むように、ご自身の歯は本当に大切にしてください。

また、インプラントといえども、毎日のお手入れがあまりにも悪い場合はダメになってしまう可能性があります。

インプラントの周囲の歯肉が炎症を起こす病気で、インプラント周囲炎と言って、治りにくく最悪の場合はインプラントを撤去することになります。

そのような怖い事態にならないために、数か月に一度の定期健診をおすすめしております。
日頃きれいに磨けていない部分がある場合、歯科医師や歯科衛生士が見ればすぐに分かりますので、その部分をどうやったらきれいに磨けるかアドバイスさせていただきます。

磨き残しの部分は虫歯や歯周病になりやすいので、必ず攻略してくださいね。
そのために歯科衛生士が強い味方になると思います。