ブローネマルク博士の発見

インプラントには様々なシステムのものがあり、それぞれ技術改良を進めています。
その中でも世界中でもっとも信頼されており日本でも主流になっているのがオッセオ・インテグレーテッド・インプラントです。


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インプラント治療そのものはかなり昔から行われてきたのですが、オッセオ・インテグレーテッド・インプラントはスウェーデンのブローネマルク氏によって開発されました。
ブローネマルク博士がインプラントにチタンを使うことを発見するまでは、インプラントに使用されていた材質が身体にしっかりとなじみにくかったり、骨と結合しにくかったりと、様々な問題がありました。

そのため、インプラント治療そのものは行われていましたが優れた治療法として広く普及することはなかったのです。

そのような状況を打破したのが、ブローネマルク博士による発見です。
当時、博士はルンド大学で骨が治癒する過程での骨髄の働きを研究していました。

博士がウサギのすねの骨にチタン製の器具を埋め込んで内部を観察していたところ、実験後に器具を取り外そうとしてもなかなか外れません。
なんとチタン製の実験器具のネジとウサギの骨が結合してしっかりとくっついていたのです。

これが、ブローネマルク博士がチタンと骨が結合することを発見した瞬間でありました。
その後様々な実験が行われ、チタン製インプラントは生体に大変なじみやすく、骨としっかりと結合することが数々の実験結果によって証明されました。

チタンとセラミックで美しい歯を再現できます

インプランと本体に主に使われている材料はチタンという金属であることはご存知の方も多いと思います。

どうしてチタンが使われるようになったかというと、チタンは顎の骨や歯ぐきの粘膜との親和性が高いため骨としっかり結合する性質をもっているからです。
健康な歯根が骨の中にしっかりと埋まって物を噛む力を支えているように、顎骨の中に埋まったチタン製の人工歯根も、骨としっかり結合することでかなり強い力をかけてもびくともしない頑丈な歯根を再現できるようになりました。

チタンは心臓のペースメーカーや様々な部位の関節などに使われており、医療の分野ではよく知られている安全性の高い金属です。
ですので、インプラントに使われだしたのも偶然ではなく、チタンの持つ特性が歯に必要とされる性質と合致したからこそ、今日歯科医療の分野でも広く使われるようになりました。


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更にインプラントと骨を結合しやすくなるように研究がすすめられ、形状がどんどん改良されました。
現在のインプラントは骨とより結合しやすくなるようにチタンの表面にブラスト処理を施し、表面をざらざらした形状に仕上げています。

このような改良によってインプラントは骨と頑丈に結合し、抜けにくくより安全で長持ちする治療となりました。

根管治療をしても治らず抜歯になってしまってもインプラントなら大丈夫

数年前になりますが、インプラント治療を受ける患者さんが爆発的に増えた時期がありました。
その次期を過ぎて現在では当時よりもインプラント治療の患者さんはやや減少方向にあります。


ここ数年は歯を抜かない治療が強く求められる時代になりました。
昔と比べると患者さん側もインターネットなどで歯科治療についてかなり勉強しておられますし、歯根の重要性も患者さん側が強く意識するようになっています。


以前ならばすぐに抜歯になったケースでも、根管治療の技術的な進歩と患者さん側の抜きたくないという強い希望ですぐには抜歯せずに、根管治療を数カ月にわたって続けて出来る限り炎症を抑えて歯を長持ちさせる挑戦も続けられています。


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歯根の重要性はますます見直され、治療も手順も変わっていくことと思います。
インプラント治療が威力を発揮するのは、根幹治療を続けてもどうしても炎症がとれず、歯がぐらぐらして症状が改善しない場合にやむなく抜歯となってからです。
結果として抜歯しなくてはならなくなっても、インプラント治療を受けていただくことでしっかりと噛める人工の歯が手に入ります。


骨に人工の歯根を埋め込んだり、それが骨としっかりくっつくなどということは、昔では想像もできなかったことですが、現代ではそれが可能になり、多くの方がインプラントでの治療を受けておられます。


治療の予後もとても良いために私たちもインプラントをお勧めしています。
根管治療も大切ですが、インプラントという治療法が確立している現代では、歯を抜くことになっても絶望する必要は全くありません。


歯根がしっかりと噛む力を受け止めます

歯はどのような構造になっているのかをご説明しましょう。
普通は歯ぐきの上に出ている部分を歯と呼んでいますが、この部分のことを歯冠といいます。
そして歯ぐきの下に埋まっている部分のことを歯根といいます。

虫歯がひどくなって金属やセラミックの被せで歯をすっかり覆ってしまうと、入れ歯になったと勘違いされる方もおられますが、歯根の部分が残っている限り、歯根を土台にして歯を作ることが出来ます。

前歯を被せることを差し歯と呼びますが、差し歯は歯の根っこが残っている状態です。
歯が抜けてしまった状態ではありませんので、失った歯の本数に含める必要はありません。

当院でも多くの歯を差し歯にされている方がインプラントの相談に来られ、差し歯をすべてインプラントにしたいとおっしゃることがありますが、差し歯は歯ぐきに炎症が出たり痛みが出たり等の異常がなければ治療を加える必要はありませんので、ご安心くださいね。

食事のときにものを噛むと歯に大変大きな力がかかります。
どのくらいの力かというと、数十kgと言われています。

歯を食いしばったり歯ぎしりが起こった時も同じくらいの力がかかっています。
その力を歯ぐきの中の歯根がしっかりと受け止めています。

入れ歯やブリッジで噛む力が弱いのは、この歯根がないからです。
インプラントでは、顎骨に埋め込まれたインプラント本体がこの歯根の役割を果たすため、入れ歯やブリッジよりもしっかりと噛めるのです。

 

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