インプラントは満足度が高い治療といえます。実際にインプラント治療を受けた患者さんの中で、どのくらいの人がインプラントに満足しておられるのかについてご説明します。
目次
インプラントに満足している人は97.6%と高い数値
日本口腔インプラント学会のホームページに掲載されている調査結果によると、全国の30~70代のインプラント治療者のうち、現在インプラントに「非常に満足している」と答えた人が79.6%、「やや満足している」と答えた人が18%もおられます。
この調査結果によると、実に97.6%もの人が「現在インプラントに満足している」ということになります。これは大変高い数値だといえます。インプラント治療が安全に行われており、高い確率で歯として機能しているということです。
(出典:日本口腔インプラント学会)
インプラントの満足度が高い理由
インプラント治療は、他の歯科補綴(入れ歯やブリッジなど)と比較して満足度が高いとされる治療法です。その理由は以下のような点です。
1. 自然な見た目と機能性
自然な見た目
インプラントは見た目が天然の歯に非常に近く、審美的にも優れています。特に前歯など目立つ部分のインプラントは、入れ歯やブリッジと比べて、自然な笑顔を取り戻せる点で満足度が高いです。
よく噛める
インプラントは顎骨に直接固定されているため、噛む力が強く、食事を快適に楽しむことができます。硬いものや粘着性のある食べ物でも、インプラントならしっかりと噛むことができるため、日常生活での不便さが少なくなります。
2. 長期間の安定性
耐久性と安定性
インプラントは、適切なケアを行えば長期間使用できることが特徴です。入れ歯やブリッジは定期的な調整や交換が必要な場合がありますが、インプラントはその必要性が少なく、長期的な満足度が高いと言われています。
骨の量を維持できる
インプラントは顎骨に刺激を与えるため、骨の退縮を防ぎます。これにより、顔の輪郭が維持され、若々しい見た目を保つことができる点でも満足度が高いです。
3. 快適さと自然な感覚
異物感がない
入れ歯は口腔内に異物感を感じることが多いですが、インプラントは天然の歯に近い感覚を提供します。これにより、日常生活での快適さが増し、特に食事や会話が自然に行える点で高い評価を得ています。
デンタルケアが簡単
インプラントは通常の歯と同様にブラッシングやデンタルフロスでケアが可能です。入れ歯のように取り外して清掃する手間がなく、衛生的に保ちやすい点でも満足度が高いです。
4. 精神的な安心感
社会的な場面での安心感
インプラントを選ぶことで、入れ歯がずれる心配がなくなり、食事中や会話中に安心して過ごせる点が多くの患者さんに評価されています。この精神的な安心感が、全体的な満足度を高める大きな要因となります。
インプラントは予後が大変良いので満足度が高い
インプラント治療後には歯の状況が一期に好転することになります。
今まで歯がない、もしくはグラグラして噛めない部分が、丈夫な歯に生まれ変わるのですから、風貌が良くなり、患者さんの食生活も大きく変わります。
歯がないために発音がうまく出来なくなる方もおられますが、このような方もインプラントをすることでお悩みが解決します。
このように予後が大変に良いこともインプラントの大きな特徴です。
患者さんが歯を失うに至った理由はさまざまです。
虫歯がひどくなって抜歯になってしまうケースでは、毎日のブラッシングの仕方が悪くプラークが落としきれなかったり、そもそもブラッシングをさぼっていて回数がかなり少なかったり、しょっちゅう甘いものを口にしていたりと、歯の健康にとって好ましくない生活習慣が虫歯になる危険性を高めています。
虫歯になりやすい生活習慣の中にいて、歯医者の受診が遅れてしまうと、虫歯が大きくなって歯を残せないくらいのダメージになってしまいます。幸い近年では数か月毎に歯の検診を受ける方が増えたために、むし歯で歯をなくす方は減る傾向にあります。
むし歯以外の理由で多いのが歯周病です。歯周病の自宅でのケアは基本的には虫歯にならないようにする予防のためのケアと同じでセルフケアでは毎日ていねいに歯磨きをしていただくこと、そして歯科医院で定期健診とクリーニングを受けていただくことが中心となります。
快適な使い心地
インプラントは自分の歯のように噛めるし違和感がない、と良くいわれますが、患者さんたちは実際に治療が進んで自ら体験されるまでは、半信半疑でおられます。
そのためインプラントの予想を超えた快適さを体験すると、感動されます。
仮歯で噛めるようになった時期に「インプラントの具合はいかがですか?」と患者さんにお聞きすると、多くの方が「こんなに噛めるとは思っていませんでした。食事が楽しくなりました」とおっしゃいます。
そして以前の不安そうな表情が、明るい笑顔に変わっているのです。
インプラントの良さは、どこの歯がインプラントか本人が忘れてしまうほど自然で快適だということです。実際に、定期検診に来られてご自身のインプラントの歯を指し間違えるのは良くあることです。
見た目もきれいなセラミックの歯で天然の歯との違いがわかりにくですし、違和感がないため、ご自身でもわからなくなってしまうのです。
インプラントを考えておられる方の殆どは、虫歯の治療でかぶせ物をしたことがおありなのではないかと思います。かぶせ物がしっくりきた場合には、かぶせているということを忘れてしまうでしょうし、そもそも以前どんなだったかも殆ど思い出せなくなるのではないでしょうか。
インプラントもそのような感じで、とても自然に馴染むので、患者さんたちは驚かれます。
インプラントは他の歯にダメージを与えない
実際に模型で入れ歯とインプラントの違いを見ていただくとわかりやすいのですが、歯が1本ない状況を考えてみましょう。
入れ歯はクラスプと呼ばれるバネを歯にひっかけて固定します。
インプラントは歯がない部分にインプラントを1本埋入して、アバットメントと呼ばれる芯を装着し、上に冠をかぶせます。
インプラントは歯がない部分の骨に直接埋め込むという構造なので、見た目は天然の歯と全く変わりません。もちろん余計なバネもありません。
骨に埋め込まれたインプラント本体が、骨と結合することでしっかりと義歯を支えます。
審美的に優れており違和感もありません。
奥歯がない場合は、通常は一番後ろの歯に噛む時の負担が集中するのですが、負担が多くかかるためにその歯は弱くなり、歯周病になりやすくなってしまいます。
入れ歯をうまく調整出来て違和感は減ったとしても、構造上噛む力があまり出ないために、隣の歯を危機にさらすことからは逃れられません。
これまでの説明だけでもインプラントがいかに優れているか、おわかりになると思います。
何よりも現在何の問題も起こっていない健康な歯を危機にさらさなくて済むため、失った歯の数が少ない方にこそ、インプラント治療を受けていただきたいと思っています。
インプラントで劇的に体調が良くなった方の例
インプラントによって噛めるようになった結果、体調が劇的に良くなり健康になった例をお話します。
この方は歯周病の為に奥歯を5本抜かれてから満足に食事ができなくなったとのことで、衰弱して半病人のような状態で相談に来られました。
歯を抜いてから入れ歯を作ったものの使用することなく、日々食事が出来なくてやせ衰えていったということでした。栄養状態が悪く血流も悪いことから、顔色や爪の色も悪くて見るからに体力のない様子でした。
まず食べて体力を付けることが大切と思い、骨の状態は良くなかったのですがこの方にインプラントを5本埋入しました。同時に食事指導も行い、バランス良く食べるように心がけてもらいました。
家の周辺を軽く散歩するなど、筋力を取り戻すための軽い運動も心がけていただきました。
インプラント体が骨としっかりと結合するのか不安ではありましたが、経過を見守っているとまず顔色や爪の色が良くなって行き、全身にしっかりと血が通うようになりました。
そして五ヶ月後には骨がしっかり硬くなって最初にお会いした時と比べると別人のように生気のある身体に変わっていたのです。
このように歯が原因で衰弱した方の場合は、原因となった歯を治す、つまりインプラントをまず埋入することで健康になる突破口が開けます。
インプラントは怖い、高いと敬遠しておられる方も、まず普通に食べられるようになることを目標として歯の治療を考えてみてはいかがでしょうか。
インプラントは満足度が高いに関するQ&A
日本口腔インプラント学会の調査によると、インプラント治療を受けた人の約97.6%が治療に満足しています。
インプラントは自分の歯のように感じるため、違和感がほとんどありません。患者さんは通常、その自然さに驚きます。
インプラント治療の主な利点は、違和感がない、見た目が自然である、他の健康な歯を危険にさらさない、といった点です。