インプラントの基礎知識

インプラントの歴史を教えて

インプラントの歴史

インプラント治療に使われているチタン製のインプラント体は、1965年頃から使われ始めました。最初に治療をした患者さんは、亡くなられるまでの50年間、良好な状態でインプラントの歯を使い続けることが出来ました。今日はインプラントの歴史についてご紹介していきます。


太古の時代のインプラント


紀元前の昔から、人類は歯の代用として石や貝殻、動物の骨等をインプラントとして用い、歯の代用としてきました。

紀元2世紀から3世紀頃になると、インプラントに鉄が使われるようになり、文献によると古代ローマ時代では顎骨に鉄製のインプラントが盛んに使われいたとのことです。




それ以降も宝石や金属がインプラントとして使われましたが、チタンがインプラントに適していることが発見されるまでは、どの素材も一長一短で、インプラントの素材として確立されることはありませんでした

 

ブローネマルク博士の発見

インプラントには様々なシステムのものがあり、それぞれ技術改良を進めています。その中でも世界中でもっとも信頼されており日本でも主流になっているのがオッセオ・インテグレーテッド・インプラントです。

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インプラント治療そのものはかなり昔から行われてきたのですが、オッセオ・インテグレーテッド・インプラントはスウェーデンのブローネマルク氏によって開発されました。ブローネマルク博士がインプラントにチタンを使うことを発見するまでは、インプラントに使用されていた材質が身体にしっかりとなじみにくかったり、骨と結合しにくかったりと、様々な問題がありました。

そのため、インプラント治療そのものは行われていましたが優れた治療法として広く普及することはなかったのです。

そのような状況を打破したのが、ブローネマルク博士による発見です。当時、博士はルンド大学で骨が治癒する過程での骨髄の働きを研究していました。

博士がウサギのすねの骨にチタン製の器具を埋め込んで内部を観察していたところ、実験後に器具を取り外そうとしてもなかなか外れません。なんとチタン製の実験器具のネジとウサギの骨が結合してしっかりとくっついていたのです。

これが、ブローネマルク博士がチタンと骨が結合することを発見した瞬間でありました。その後様々な実験が行われ、チタン製インプラントは生体に大変なじみやすく、骨としっかりと結合することが数々の実験結果によって証明されました。

チタン製インプラントについて


インプラント模型

 

歯医者さんにインプラントをすすめられているけれど、インプラントについて良くわからない。そんな方が大勢おられると思います。



インプラントはチタンで出来ており、サイズは直径4ミリ、長さは1センチ程です。手足を骨折した際に身体に入れるプレートやボルトは、殆どがチタン製です。というのは、チタンはアレルギーを起こしにくく、骨とがっちりくっつきやすいという特性があるからです。身体の中にチタンを入れるというのは、インプラントに限ったことではなく、一般的な治療法なのです。



チタンが骨にがっちり結合することを1952年に世界で最初に発見したのが、スウェーデン、イエテボリ大学のブローネマルク教授です。ブローネマルク教授はインプラントの素材や形、人体における反応などに関する実験を重ね、世界に先駆けて1965年に初めてチタン製インプラントを臨床に取り入れました。



このように、インプラントは40年以上の歴史があり、欧米先進国で50~60万人で実証されてきている信頼の歯科治療といえます。そして、日本でのインプラントの成功率は、平均して97%程度といわれています。

顎の骨が比較的軟らかく、骨がやせやすい上顎へのインプラントで96.2%、下顎では98.3%の成功率となっています。この成功率は極めて高い数字です、それだけインプラント治療が確立された、完成度の高い治療ということですので、まずはご安心ください。


 

インプラントは歯列矯正の分野でも使われています

 

歯列矯正の分野で使用されているインプラントは、ミニインプラント、ミニスクリュー等と呼ばれており、とても細く小さいネジのような形をしています。 通常のインプラントが失った歯を補うために使用されるのに対して、ミニインプラントは前歯を大きく引っ込めたいとき等に使用されます。

通常のインプラントと同じように顎の骨に埋入するのですが、ミニインプラントはとても細く小さいために埋入にはほんの数分しかかからず、歯列矯正の治療後に撤去するのもとても簡単です。もちろん痛みも少ないので患者さんの身体への負担はごく小さなものです。

歯列矯正でミニインプラントが威力を発揮するのは、小臼歯の抜歯を伴うワイヤー矯正の場合です。小臼歯を抜歯して、そのスペースを利用して前歯を後ろに下げることで、出っ歯をかなり引っ込めることが可能になります。その際に、ミニインプラントを固定源として、ワイヤーで前歯を後ろへと引っ張るのです。

細くて小さなミニインプラント(ミニスクリュー)ですが、固定源としてしっかりと安定しますので強い力をかけてもびくともしません。そのため、歯列矯正で抜歯を伴う方の治療には、ミニインプラントは度々登場しますし、もちろんとても安全なものとして使用されています。