インプラントの基礎知識

インプラントは何年もつ?入れ歯・ブリッジとの寿命比較

監修・執筆:大阪インプラント総合クリニック 歯科医師 松本 正洋

インプラントは何年もちますか?入れ歯やブリッジと比べて本当に長持ちしますか?

インプラントは他の欠損治療と比べて寿命が長い傾向がありますが、「何もしなくても一生もつ治療」ではありません。寿命には治療方法の違いだけでなく、治療後の過ごし方や通院状況が大きく関わってきます。

この記事はこんな方に向いています

  • インプラントを検討しているが、どのくらいもつのか不安な方
  • 入れ歯やブリッジと寿命の違いを比較して知りたい方
  • 将来的な再治療のリスクも含めて治療法を選びたい方

この記事を読むとわかること

  1. インプラント・入れ歯・ブリッジの寿命の目安
  2. なぜ治療法によって寿命に差が出るのか
  3. インプラントをできるだけ長く使うための考え方

 

インプラントは何年もつ治療ですか?

インプラントの寿命は一般的に10〜15年程度といわれていますが、適切なケアと定期的な健診を続けることで、それ以上使い続けられるケースも少なくありません。ただし、治療後の管理が不十分な場合は、数年でトラブルが起こることもあります。

インプラントは長持ちしやすい治療ですが、条件次第で寿命は大きく変わります。

インプラントの寿命の目安

  1. 10〜15年程度

     → 多くの臨床報告で示されている平均的な期間です。
  2. メンテナンス次第でさらに長く使える

     → 歯科医院での定期健診と日常の歯磨きが大きく影響します。
  3. トラブルが起きれば再治療が必要

     → インプラント周囲炎などが進行すると、撤去が必要になる場合もあります。

これらを踏まえると、インプラントは「耐久性が高い治療」ではあるものの、「放置しても安心な治療」ではありません。長期使用を前提とした治療だからこそ、治療後の管理が重要になります。

入れ歯の寿命はどのくらいですか?

入れ歯の寿命は一般的に4〜5年程度とされています。使用による摩耗や変形に加え、顎の骨や歯ぐきの形が時間とともに変化するため、定期的な作り替えや調整が必要になります。

入れ歯は比較的寿命が短く、定期的な作り直しが前提です。

入れ歯の寿命が短くなりやすい理由

  1. 噛む力が顎の骨に伝わりにくい

    → その結果、顎の骨がやせやすくなります。
  2. バネをかける歯に負担が集中する

    → 残っている歯の寿命を縮める原因になることがあります。
  3. 変形やすり減りが起こりやすい

    → 毎日の着脱や咀嚼によって少しずつ劣化します。

これらの特徴から、入れ歯は「体への負担を調整しながら使い続ける治療」といえます。寿命そのものが短いというより、環境の変化に合わせて作り直す必要がある治療法です。

ブリッジの寿命は何年くらいですか?

ブリッジの寿命は7〜8年程度が一つの目安とされています。欠損した歯の両隣を支えにする構造上、支台歯への負担が大きくなりやすい点が特徴です。

ブリッジは入れ歯より長持ちしやすいものの、支える歯の負担が課題です。

ブリッジの寿命に影響するポイント

  1. 健康な歯を削る必要がある

    → 支台歯が弱るとブリッジ全体が使えなくなります。
  2. 特定の歯に力が集中しやすい

    → 噛み合わせのバランスが崩れることがあります。
  3. 支台歯が虫歯や歯周病になるリスク

    → その結果、再治療や抜歯につながる場合があります。

ブリッジは固定式で違和感が少ない反面、「周囲の歯の寿命に左右される治療法」といえるでしょう。

インプラント・入れ歯・ブリッジの寿命を比較するとどうなりますか?

3つの治療法を寿命の観点で比較すると、インプラントが最も長く使える可能性があります。ただし、治療後の管理を含めて考えることが重要です。

寿命重視ならインプラントが有利ですが、条件があります。

寿命の目安比較

  1. 入れ歯:4〜5年程度

    → 調整や作り替えが前提。
  2. ブリッジ:7〜8年程度

    → 支台歯の状態に左右される。
  3. インプラント:10〜15年程度

    → 管理次第でさらに長期使用も可能。

この比較からわかるのは、インプラントは単体で機能するため、周囲の歯に負担をかけにくいという点です。その結果、長期的に安定しやすい治療法といえます。

インプラント・入れ歯・ブリッジの寿命比較表

治療法 寿命の目安 周囲の歯への影響 噛む力の伝わり方 再治療の起こりやすさ 特徴
インプラント 約10〜15年(管理次第でそれ以上) ほとんど影響しない 顎の骨に直接伝わる 低め(ケア不足で上昇) 単独で機能し、長期安定しやすい
ブリッジ 約7〜8年 両隣の歯を削る 支台歯に集中 中程度 固定式だが支える歯の負担が大きい
入れ歯 約4〜5年 バネをかける歯に負担 顎の骨に伝わりにくい 高め 作り替え・調整が前提の治療

この表から分かる重要な点は、「寿命=素材の強さ」ではないということです。

インプラントが長持ちしやすい理由は、顎の骨に直接固定され、周囲の歯に負担をかけずに噛む力を分散できる構造にあります。

一方で、

  • ブリッジは健康な歯を削る必要があり、その歯の状態が寿命を左右します
  • 入れ歯は顎の骨がやせやすく、時間の経過とともに合わなくなるため、定期的な作り替えが前提になります

つまり、短期的な費用や手軽さだけでなく、「将来どこまで治療を繰り返す可能性があるか」という視点で見ると、寿命の差がより現実的に理解できるようになります。

インプラントの寿命を縮める原因は何ですか?

インプラントの寿命を左右する最大の要因は、インプラント周囲炎です。歯垢が原因となる炎症が進行すると、顎の骨が溶け、インプラントが不安定になります。

最大のリスクはインプラント周囲炎です。

寿命を縮めやすい要因

  1. 歯磨き不足による歯垢の蓄積
  2. 定期健診を受けていない
  3. 喫煙や不正咬合による過剰な力

これらの要因は複合的に影響します。そのため「治療が終わったら完了」ではなく、「治療後が本当のスタート」と考えることが大切です。

インプラントを長持ちさせるためにできることは?

インプラントを長く使うためには、日常の歯磨きと歯科医院での定期健診が欠かせません。また、治療前の診断精度や歯科医師の経験も重要な要素です。

ケアと通院が寿命を左右します。

長持ちさせるためのポイント

  1. 毎日の丁寧な歯磨き

    → インプラント周囲の清掃が重要です。
  2. 歯科医院での定期健診

    → 早期に異常を発見できます。
  3. 信頼できる医院選び

    → 治療計画とアフターフォローが整っているかが重要です。

これらを継続することで、インプラントは「長く安心して使える治療」になります。

インプラントを永久に保つためにに関するQ&A

インプラントは一生使えるのでしょうか?

インプラントは日常的なケアやメンテナンスを怠らなければ、10~15年以上使用することができます。定期的なメンテナンスを受けることで、寿命以上に長く使用することが可能です。入れ歯やブリッジと比べても、インプラントは耐久年数が長いとされています。

インプラント治療と入れ歯、ブリッジとの比較で重要な点は何ですか?

インプラント治療と入れ歯、ブリッジの比較で重要な点は、治療の耐久性や費用、お口の健康に与える影響です。インプラントは耐久年数が長く、天然歯に近い咬む感覚を得ることができますが、自費治療であり費用が高い点や通院回数が長い点がデメリットです。一方、入れ歯やブリッジは費用が比較的低く、治療期間も短いですが、耐久年数が短く、他の歯に負担をかける可能性があるというデメリットがあります。患者さんはこれらの要素を考慮して治療法を選択する必要があります。

インプラント治療のデメリットはありますか?

インプラント治療のデメリットとしては、自費治療であるために費用が高いことや、通院回数が長くなることが挙げられます。また、インプラント周囲で細菌感染が生じると、歯周病のような症状が起こり、インプラントが不安定になる可能性があります。そのため、定期的なメンテナンスの受診が重要です。

まとめ

インプラント・入れ歯・ブリッジを寿命で比較すると、インプラントは長期的に安定しやすい治療法といえます。ただし、寿命は治療法だけで決まるものではなく、治療後のケアや健診の継続によって大きく変わります。

将来を見据えた治療選択をするためにも、それぞれの寿命と特徴を理解したうえで、歯科医師と十分に相談することが大切です。

この記事の監修・執筆

医療法人真摯会
理事長 歯科医師 総院長
松本正洋
クローバー歯科、まつもと歯科 総院長。国立長崎大学歯学部卒業。1989年歯科医師免許取得。1998年医療法人真摯会設立。インプラントの認定多数。IDIA(International Dental Implant Association国際インプラント歯科学会)認定医。I.A.A国際審美学会理事。日本抗加齢医学会認定専門医(日本アンチエイジング学会)。

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