インプラント

インプラントしたらMRIできないって噂は本当?

 
抜歯した口腔内の治療法にインプラントを提案すると、「何かインプラントをするとクリニックの人間ドックでMRIを受けられないって聞くよ?」と質問されることがあります。では、人工歯根を埋め込むインプラント治療をすると本当にMRIが不可能か、体への問題点がないか、安全性など詳しくご案内していきますね。

 

MRIとかCTの検査方法ってどう違うの?

MRI  
あまり医院に行かないから、MRIとCTの検査方法の違いがわからないという方もおられると思います。まず、MRIとCTの検査装置の違いについてご案内しますね。

MRIの正式名称は、Magnetic Resonance Imagingです。日本語で言えば、磁気共鳴画像ですね。CTの正式名称は、computed tomographyです。日本語で言えば、コンピューター断層撮影ですね。
医療情報として、CTはX線と呼ばれる放射線により画像を断層的に撮影するのに対し、MRIは強大な磁場を発生させ、電波により撮影します。CTのように放射線被ばくはないというメリットがMRIにはありますが、MRIは磁場が強大なため騒音がするというのがデメリットですね。

金属ダメって言うけどインプラントどう?

 
病院でMRI検査を受診した方ならおわかりでしょうが、時計や金属類は必ず別室にて外さなければいけませんよね。金属を外さないとどうなるか、詳細をご案内するのも憚られるような痛ましい事故をご紹介しますね。<参照:AFP国際ニュース「見舞いで病院訪れた男性MRIの磁力に引き寄せられ死亡」>
この記事によると、親族の見舞いに訪れた男性が、「MRIの電源を落としているから酸素ボンベを運んでくれ」と病院職員に言われ運んだそうです。ただ、病院側の不手際により電源が落ちておらず強力な磁場が発生し、酸素ボンベが装置にぶつかり破損、男性はボンベから漏れた液体酸素を吸い込み死亡したそうです。酸素ボンベを何故見舞客が運ばないとならないのかという疑問は残りますが、そのような強力な磁場が発生するのです。

ここからが本題ですが、骨に埋入するインプラントの素材はチタンかチタン合金製です。非磁性体と呼ばれる物質で、簡単に言えば磁力に影響しないという理由で、MRIに支障をきたしません。インプラントの本体である骨に埋め込む固定部分はチタンですので、その素材であれば人工歯根部分の骨と結合する箇所は、リスクが少ないと思ってくださって構いません。

では、ほかの部分はどうでしょうか。

 

インプラントの一部がダメな場合ってある?

 
インプラントの構造は人工歯根になる部分(専門用語でフィクスチャーと言います)と、歯根とかぶせ物の歯をつなぐ土台になる(専門用語でアバットメントと言います)、そして、セラミックなど土台の上にかぶせるかぶせ物の歯(専門用語で上部構造と言います)の3つの部位から成り立っています。

ただ、インプラントにおいても、一部種類によりMRIがダメな場合があるので注意が必要です。それは、磁石による入れ歯でインプラントを使用する治療法を選択された患者様です。歯がない箇所が多い症例の方ですと、磁性アタッチメント義歯装着を選択されている方もおられると思います。

イラストで見るとわかりやすいので、こちらにご案内しますね。愛知製鋼というメーカーの写真です。<参照:愛知製鋼「歯科用磁性アタッチメント」>
 
 
磁石による義歯の装着のため、装置の取り外しが簡単なのと、マグネットやキーパーという部分の働きにより、義歯を装着した方にはよくある「落ちそう」という事がないのが特徴です。

オールオンフォーより安い費用で義歯を入れる事が可能なので、人気の治療方法ではあります。ですが、MRIを受診される際にはそのマグネットはMRIの機器に影響を及ぼし、歯がMRIに引っ付いたり、破損や発熱が生じる原因となりかねません。

ダメって言われたらどうしたらいいの?

 
「でも、もう磁石のアタッチメントデンチャーしちゃった」という患者様はMRIを受けられないのかと言われればそうではありません。事前にMRI検査を受けることが判明していれば、歯科医院に来院し、ドクターにMRIを受けるとご相談いただければ大丈夫です。

その場合の必要な処置として、インプラント全部を外すのではなく、アバットメントと呼ばれる土台を外します。アバットメントを外したうえで病院へ行き、検査直前に義歯を外していただくと、なんのトラブルもなくMRIを受けられます。

インプラントをされた方は一度、歯医者へ確認してくださるのがよりベストだと思われます。

まとめ

 
今回は、インプラントとMRIの噂についてご説明しました。ただ、急にMRIを受けなければいけないという可能性もありますよね。その際は、医師に磁性アタッチメントデンチャーしているとしっかり申告をしてください。

患者様の意識がない状態等で緊急搬送されることも予想されます。その場合に備えて歯科治療を行った際、家族などに伝えておくのも一つの手段であると考えます。