
インターネットで費用を調べると安い医院や高い医院があり、患者さんにとってとてもわかりにくいと思います。
インプラントの値段が安い医院について
1本20万とか25万とか安い医院があります。そういう安い医院は、経費削減とか、大量仕入れとか、宣伝広告費の圧縮とか、利益幅の圧縮などにより、安く治療できるのだと言っておられます。
さらにホームページには「費用は安いけども、技術はめちゃくちゃ優秀」とバッチリ書いています。
これが本当であれば、まさに企業努力が素晴らしくてほんとに良い医院で、患者さんにメリットがあるということになりますが、実際には費用を安くした為に、非常に多くのひずみがでています。
実際にどうやって歯科医院が安い値段でやっていけるのかについては、様々なことが考えられます。以下は一例です。
- 「薄利多売」で、大幅な治療技術の低下、難症例への対応不備(GBR、ソケットリフトの失敗など)
- 東南アジア製のコピーインプラントを大量に仕入れたり、安い素材のかぶせ物を使ったりしてる(食品偽装に近い?)⇒安全性が不安、また材料、器具が粗悪
- 採算優先のため、安全性や長期予後の軽視して、訴訟も多く抱えてる
- 医学的にインプラントが向いてない方にも平気で勧める
- HPには、○万円と安くうたっていたのに、実際には「あなたの場合は無理」とか言われて結局高くなったり、うたっていた費用が本体だけの費用で、しかもかぶせ物が異様に高かったりなど、安く見える費用で患者さんを集めて、高く請求してるところが多いです。
- 実際には広告宣伝費もたくさん使ってる
しかし、実際には料金が安い医院で治療をしたもののうまくいかず、他の医院でやり直しをしている患者さんもかなり多いです。
治療のやり直しは大学病院等に行く患者さんが多いのですが、大学病院での治療のやり直しはなかなか予約が取れず、半年待ちという状態になっています。私どものところにも多くの方がインプラントのやり直しの相談に来られます。
また、価格の安い医院では、患者さんの身体に内科的な病気があったり、歯周病になりやすい方に対しても、無理があるとわかっていながら売上至上主義のためインプラントをしています。
そういう場合は手術自体が危険であったり、早期にインプラントが駄目になったりしており、倫理観が欠けていると言わざるを得ません。例え価格面で患者さんにメリットがあったとしても、それ以外の安全面でデメリットがあるということです。
インプラントの治療は非常にオプションが多く、高度でち密です。更に、治療するにあたっては、患者さんのお口の中だけではなくメンタル的なこともじっくり考えて治療する必要があり、術後も長い期間にわたってメンテナンス等のおつきあいをしなければならないため、値段が安すぎる場合は、相当無理があると考えます。
私どもの医院は、費用に関しては何通りかのご提案をしており、その中には費用を抑えたご提案も含まれます。しかし安全性や機能の高さ、審美性の良さなどは信頼を得るために外せないと思っています。
インプラントの値段が高い医院について
インターネット上で公開してる範囲では、全国の一番高い医院で1本50~60万くらいです。ただ、公開はしてませんが1本100万近くでしているところもあると聞きます。
「費用が高い=良くない」とは一概に言えませんが、確かに高いのは事実です。経費ベースで考えた場合、1本が50万以上かかることはありえません。
どんなに素晴らしい手術室などの設備があったり、十分過ぎるほどの検査をしたり、いい材料や器具を使ったり、人件費をかけたり、静脈内鎮静法を使ったりしても経費ベースではそこまでかかりません。
では何故そんなに高いかというと、基本的にインプラントは自由価格制度で、医院が自由に値段を設定できるからです。適切な費用は、常識的に30~40万くらいです。これより安い場合は粗悪、高い場合は利益を取りすぎ、ということが明確に言えます。
では何故そんなに高いかというと、それはその歯科医師のプライド料と利益幅の取りすぎ、これが現実です。費用や、その歯科医師の技術、そして人となりをよく見極めて医院を選ぶことが大事だといえます。
料金をいつ払うかということも確認しましょう
- 最初に一括払いをするのか?
- 手術や処置に応じてその都度支払うのか?
- 分割は可能か?
- 追加料金はないか?
なども正確に確認しましょう。
インプラントの値段の高い医院と安い医院の違いに関するQ&A
安い医院がインプラントの治療を安く提供できる理由は、経費削減や大量仕入れ、宣伝広告費の圧縮、利益幅の圧縮などが挙げられます。これによって治療費を抑えることができるとされています。しかし、安い治療費を実現するためにはいくつかの妥協点が存在し、例えば治療技術の低下や難症例への対応不備、安い素材や器具の使用による安全性の懸念などが挙げられます。安い医院が高品質な治療を提供できる場合もありますが、患者は注意が必要であり、値段だけでなく安全性や治療の質を考慮する必要があります。
安い医院での治療は安全性に問題がある場合があります。安い医院は利益至上主義のため、手術や処置が危険である場合でも無理にインプラントを提案することがあります。さらに、東南アジア製のコピーインプラントや安い素材のかぶせ物の使用など、安全性が不安定な材料や器具の使用が行われることもあります。倫理観の欠如や利益優先の姿勢が問題となり、患者の健康や治療結果に悪影響を及ぼす可能性があります。
高い医院のインプラント治療費がそこまで高い理由は、その歯科医師のプライド料や利益幅の取りすぎなどが挙げられます。インプラントは自由価格制度であり、医院が自由に値段を設定できるため、その医院の方針や経営方針によって価格が異なる場合があります。一般的には、適切な費用は常識的に30万円から40万円程度とされています。高額な治療費の場合、その歯科医師の技術や経験、設備の充実度などを考慮し、慎重に選ぶことが重要です。
まとめ
インプラント治療の費用はどうしても経費がかかってしまいます。一部には格安を謳ってる医院もありますが、当院では治療の質と安全性と保つため、どうしてもその分の費用はかかってしまい、費用を抑えて格安にするのは難しい状況にあります。
治療の質とは、世界スタンダードのメーカーのインプラントを使う、常に勉強会、学会、講習会に参加する、歯科医が集まって症例検討会をする、などです。勉強にも交通費や参加費、書籍代など経費がかかります。
安全性を保つ為には、CTによる診査・診断に多くの時間をかける、手術の準備にも多くの時間と労働力をかける、器具の滅菌・消毒を完璧に行う、手術のシミュレーションソフトで術前に充分検討する、などです。
価格の安さは患者さんにとっては魅力的でしょうが、価格だけで決めず、安全性が確保されているか、有名メーカーのインプラントが使われているかなど、しっかりと確認して頂きたいと思います。
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