オールオン4

オールオン4が向いている人とは?総入れ歯との違いや注意点

オールオン4が向いている人とは?

大阪インプラント総合クリニック 歯科医師 松本 正洋

「入れ歯が合わない…」「インプラントは高そうだし本数も多くて不安…」

そんな悩みを抱えている方に選ばれているのがオールオン4。

この記事では、どんな人に向いているか?逆に向いていない人は?などを詳しく解説します。後悔しないための判断材料として、ぜひ参考にしてください!

オールオン4とは?少ない本数で全体を支えるインプラント治療



オールオン4オールオン4は、4~6本のインプラントで片顎全体を支える治療法で、従来の総入れ歯に代わる選択肢です。

  1. 上顎または下顎に4本~6本のインプラントを埋め込み、12本分の人工歯を固定
  2. 抜歯からインプラント、仮歯の装着までを1日で完了することも可能(即時加重)
  3. 骨量が少なくても、斜めに埋入する技術で対応可能

「入れ歯のズレ」や「噛みにくさ」といった悩みを解消し、見た目も自然に改善できるのが特徴です。

顎の骨の状態によってインプラント4本で済む場合と、6本のインプラントが必要になる場合があります。

オールオン4のメリット

  • オールオン4

All-on-4の主なメリットには以下のようなものがあります:

  • 即日使用可能な仮歯が入る・・手術当日から仮歯が入ります。
  • 見た目の改善・・手術当日から自然な見た目を取り戻せます。
  • 食事の楽しみ・・やわらかい食べ物を当日から噛むことが出来るようになります。(※硬い物を噛むのは数か月後にインプラントと顎骨が結合してからになります)
  • 発音の改善・・仮歯が入ることで、はっきりとした発音が可能になります。
  • 取り外す必要がない・・all-on-4は固定式なので、普通の歯磨きと同じような感覚でケア出来ます。

インプラント体が骨と結合した後には、上部構造が顎の骨にしっかりと固定されるため、天然歯に近い感覚で物を噛んだり味わえるようになります。

オールオン4が向いている人の特徴とは?

オールオン4が適しているのは、歯を多く失った方や、入れ歯で満足できない方。以下のような特徴に当てはまる方におすすめです。

1. 多くの歯を失っている、または全ての歯がない方

歯の悩み
  • 総入れ歯を使っているが、ズレや違和感に悩んでいる
  • 残っている歯も、重度の虫歯や歯周病で抜歯が必要

噛めなくなると日常の食事や会話に大きな支障をきたします。従来の総入れ歯では口腔内での固定力が不十分で、しばしばずれたり、うまく噛めないことがあります。オールオン4は、顎骨に人工歯根を埋めて安定した歯の土台を作ることが出来るため、天然歯のように機能し、食べる、喋るなどが快適に出来るようになるため、生活の質を大幅に向上させます。

オールオン4なら、人工歯根でしっかりと固定された歯を再現できるので、食事や会話が自然になります。

2. 骨が少ないけれど、骨移植をしたくない方

  • 顎の骨が痩せてしまっていて、通常のインプラントは難しいと診断された
  • 骨移植に不安や抵抗がある

歯を失うと、その部分の顎骨は使用されなくなるため、徐々に吸収されてしまいます。通常のインプラント治療では、人工歯根を支えるための骨の高さや幅などの十分な骨量が必要ですが、オールオン4は奥側のインプラントを斜めに埋め込むため、限られた骨量でも施術を行うことが可能です。これにより、広範な骨移植手術を避けることができます。

オールオン4は奥側のインプラントを斜めに埋め込むことで、骨移植なしでも安定した治療が可能です。

3. 治療を早く終えたい・早く噛めるようになりたい方

食事
  • 仕事を休めない
  • 外見の問題ですぐに仮歯が必要

患者さんは手術直後から即座に新しい歯を使用することができ、社会生活や仕事への影響を最小限に抑えることが可能です。

ただし、しっかりと力を入れてものを噛むためには、人工歯根が骨と結合するのを数か月待つ必要があります。

抜歯から仮歯の装着まで1日で対応できるので、社会復帰が早く、外見や機能を即日回復できます。

4. 長期的に安定した治療を希望する方

  • メンテナンスが容易な治療を探している
  • 将来的に何度も治療を繰り返したくない

長期的に安定した状態でインプラントを使用するためには、担当医の高い技術力とインプラントの品質が重要です。オールオン4という治療はノーベルケアインプラント独自の技術です。

インプラントは適切なケアを行うことで長期間にわたって使用することが可能です。また、インプラントは顎骨に埋め込まれ、本来の歯根に近い役割を果たすため、歯を失った結果として顎骨がやせてしまうのを防ぎ、お顔の形の変化を防ぐ効果もあります。

適切なケアをすれば10年以上使用可能な耐久性を持ち、顔の輪郭の崩れを防ぐ効果も期待できます。

5. 費用面でも効率的な治療を求めている方

  • 全ての歯を個別にインプラントするのは金銭的に厳しい
  • コストパフォーマンスの良い方法を探している

オールオン4は、比較的少ない本数のインプラントで全顎の機能を回復させるため、多数のインプラントを埋入する従来の方法に比べてコストを抑えることができます。

オールオン4は少ない本数のインプラントで全顎の機能を補えるため、費用を抑えることが可能です。

これらの特徴に当てはまる方は、オールオン4を選択することで多くのメリット得ることができます。オールオン4治療が適切かどうかは、担当医による詳細な診断とカウンセリングを通じて確認することが出来ます。

オールオン4が向いていない人もいる?注意点もチェック!

オールオン4は万能ではありません。以下のような方には注意が必要です。

  • 重度の糖尿病や骨粗しょう症など、インプラント治療が制限される全身疾患がある方
  • 喫煙習慣がある方(骨との結合が妨げられるため、失敗リスクが上がります)
  • 歯ぎしりが非常に強い方(マウスピースなどの追加対策が必要)

不安がある場合は、CTスキャンなどの精密検査を行い、医師としっかり相談することが大切です。

オールオン4と他の治療法の違いは?



「総入れ歯」「1本ずつのインプラント」と比べたときの、オールオン4のメリット・デメリットを比較してみましょう。

比較項目 総入れ歯 従来型インプラント オールオン4
安定感 ズレやすい 安定する 安定する
見た目 人工的になりやすい 自然 自然
手術の回数 不要 多くなる 少ない(1回)
治療期間 短い 長い 短い(即日仮歯)
費用 安い 高額(本数分) 中間程度

総入れ歯の不満点を解消しつつ、コストや期間も抑えたい方に向いています。

治療の流れと期間の目安

治療のステップが明確だと安心。流れを把握しておくと不安が減ります。

  1. カウンセリング・診断(CT・口腔検査)
  2. 治療計画の説明・費用の相談
  3. 必要な抜歯・インプラントの埋入
  4. 即日仮歯の装着
  5. インプラントと骨の結合期間(2〜6ヶ月)
  6. 最終の上部構造(本歯)の装着

まとめ

オールオン4はこんな人におすすめ!

総入れ歯に不満がある方、骨量の少なさで他の治療を断られた方などに、オールオン4は有力な選択肢になります。

オールオン4がおすすめの人

  1. 入れ歯が合わず、自然な噛み心地を取り戻したい人
  2. 骨移植せずにインプラントを希望する人
  3. できるだけ早く噛める歯が欲しい人
  4. コストを抑えて総インプラントを検討している人

オールオン4は、既に多くの歯を失った方や総入れ歯の方向けの治療法で、12本の歯を一日で回復することができ、見た目と機能を大幅に改善します。

また、骨移植を避けたい方や、なるべく早く治療を完了させたい方には特に適しています。従来の多数のインプラントを埋入する治療と比較して、費用が抑えられる点も大きなメリットです。

治療後は定期的なメンテナンスを受けることでインプラントを長く維持することが出来ます。「自分に合ってるのかな…?」と悩んだら、ぜひ一度専門医に相談してみてくださいね。

この記事の監修者

医療法人真摯会
理事長 歯科医師 総院長
松本正洋
クローバー歯科、まつもと歯科 総院長。国立長崎大学歯学部卒業。1989年歯科医師免許取得。1998年医療法人真摯会設立。インプラントの認定多数。IDIA(International Dental Implant Association国際インプラント歯科学会)認定医。I.A.A国際審美学会理事。日本抗加齢医学会認定専門医(日本アンチエイジング学会)。

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