オールオン4は、失った歯の機能と見た目を取り戻すためのインプラント治療法です。この治療法は、多くの歯を失った方や総入れ歯を使用している方に適しています。
従来のインプラント治療とは異なり、わずか4本のインプラントで上部構造を支えるため、治療期間や費用の面でも多くのメリットがあります。
オールオン4のメリットとデメリット、選ぶ際の注意点についてご説明します。
オールオン4とは?
オールオン4(オールオンフォー)とは、失った歯の見た目と機能を回復させるための歯科治療で、片顎あたり最少4本のインプラントで全ての歯をつくることができます。
総入れ歯を使っている、または既に多くの歯を失っている方に推奨され、インプラントの埋入本数が少ないため、費用を抑えた形でのインプラント治療が可能です。
骨の薄い方にも増骨なしで適用でき、機能性と審美性をかねそなえた治療であることから、入れ歯以外の方法として注目されています。
日本人の場合、欧米人に比べて顎の骨が小さく薄い傾向があるため、オールオン6(オールオンシックス)と呼ばれる方法で、インプラント6本で上部構造を支える場合もあります。
オールオン4のメリット
- 安定性が高く長持ちする
- 短期間での治療が可能
- 増骨、骨移植が回避できる
- 手術当日に仮歯が入る
- 見た目の自然さ
1. 安定性が高く長持ちする
オールオン4は、4本のインプラントによって上部構造を固定し、大変安定しています。これにより、食事や会話が自然に行えるだけでなく、長期間にわたり安定した状態で機能させることができます。
2. 短期間での治療が可能
インプラントの埋入本数が少なく、増骨の処置が必要ないことから、従来のインプラント治療と比較して、オールオン4は短期間での治療が可能です。手術から最終的な義歯の装着までが数ヶ月以内で完了することが多く、患者さんにとって大きなメリットとなります。
3. 増骨、骨移植が回避できる
オールオン4は、骨が不足している場合でも適用できることが多いです。奥歯に近い方のインプラントは長めの人工歯根を斜めに配置するため、上部構造を安定した力で支えます。
4. 手術当日に仮歯が入る
オールオン4は、即時加重という技術を使っているため、手術当日に仮歯を入れることが出来ます。インプラントが骨としっかり結合するまでの数か月は硬い物は噛めませんが、柔かい物から徐々に食事出来るようになります。
5. 見た目の自然さ
オールオン4は、見た目が非常に自然で、本物の歯と見分けがつかないほどです。そのため、患者さんは自信を持って笑顔を見せることができます。
オールオン4のデメリット
- 入れ歯と比べると費用が高い
- メンテナンスが重要である
- 適用条件に制限がある
- 手術のリスク
1. 入れ歯と比べると費用が高い
オールオン4は、従来の義歯や部分入れ歯と比べると治療費が高額になります。このため、経済的な負担が大きくなる可能性があります。
2. メンテナンスが重要である
オールオン4は、定期的なメンテナンスが必須です。適切なケアを怠ると、インプラント周囲炎などのリスクが高まり、インプラントが長持ちしませんので、必ずメンテナンスを受けるようにしましょう。
3. 適用条件に制限がある
オールオン4は、全ての患者さんに適用できるわけではありません。特に、重度の骨密度低下や健康状態が良好でない患者さんの場合、手術が受けられないことがあります。
4. 手術のリスク
オールオン4は外科手術を伴うため、感染症や出血、神経損傷などのリスクが存在します。手術前にこれらのリスクについて十分な説明を受けることが重要です。
オールオン4と従来のインプラント治療の比較
比較項目 | オールオン4 | 従来のインプラント治療 |
---|---|---|
インプラント本数 | 片顎あたり4本 オールオン6の場合は6本 | 失った歯の数に応じてインプラントの本数が異なる |
治療期間 | 短期間(数ヶ月以内) | 長期間(6ヶ月以上) |
初期費用 | 高額だが、総入れ歯よりは低い | 高額(インプラントの本数に比例して費用が増加) |
適用条件 | 骨の薄い方や多くの歯を失った方に適用されることが多い | 骨密度が十分で健康状態が良好な場合に適用 |
オールオン4を選ぶ際の注意点
医師の選択
オールオン4の成功は、医師の技術と経験に大きく依存します。信頼できる専門医を選ぶことが大切です。
カウンセリングの重要性
手術前のカウンセリングは、患者さんの疑問や不安を解消するために重要です。費用が高額で外科手術を伴いますので、必ずカウンセリングで疑問点を質問して、解決しましょう。医師と十分にコミュニケーションを取り、納得した上で治療を受けることが大切です。
まとめ
オールオン4は、総入れ歯の方や多くの歯を失った方へのインプラント治療の方法です。少ないインプラントで上部構造を支えることができるため、機能性と審美性に優れた治療法です。
従来のインプラント治療と比べて短期間での治療が可能であり、骨移植が不要な場合が多いというメリットがあります。しかし、入れ歯と比較して費用が高いことや定期的なメンテナンスの必要性、適用条件の制限、手術のリスクなどのデメリットも存在します。
治療を検討する際は、信頼できる医師を選び、十分なカウンセリングを受けることが成功の鍵となります。