インプラント

インプラント治療前にはカウンセリングが必要な理由

インプラント治療前のカウンセリングって必要?

大阪インプラント総合クリニック 歯科医師 松本 正洋

インプラント治療をしている歯科医院の多くが、治療前にカウンセリングを行っています。カウンセリングを重要視している歯科医院が多いのですが、カウンセリングは何故必要なのでしょうか? そして、どんなことをするのでしょうか?

カウンセリングの目的

インプラントは外科手術が必要であることと、高額であるために、患者さんは治療前にしっかりと説明を聞き、治療の流れや計画に十分に納得したうえで治療に入ることが重要です。

治療前のカウンセリングの目的として重要なのは下記の2点です。

  • 患者の不安の軽減
  • 治療の理解と信頼の構築

歯科医院ではカウンセリングに十分に時間を取り、治療に対する情報を紹介し、知識を深めていただくことで、患者さんのインプラントへの理解を増し、不安がなくなるようにしています。

インプラント治療前のカウンセリングの重要性

インプラント治療前のカウンセリングの重要性についてご説明します。

1. 患者さんの不安や疑問を解消するため

インプラント治療は、手術を伴う高度な歯科治療であり、多くの患者は不安や疑問を抱えていることが少なくありません。カウンセリングでは、患者さんが抱く不安や疑問に対して丁寧に説明を行い、納得のいく形で治療に進めるようサポートします。これにより、患者さんは安心して治療を受けることができ、治療への信頼感が高まります。

2. 治療計画の詳細な説明

インプラント治療には、複数の手順や治療期間が含まれます。カウンセリングでは、これらの治療計画を詳細に説明し、患者さんが治療の流れを理解することが重要です。手術の日程、回復期間、治療にかかる費用、使用するインプラントの種類など、あらゆる側面を患者さんと共有することで、治療に対する準備が整います。

3. 個々の患者さんに適した治療方法の提案

患者さんごとに口腔内の状態や全身の健康状態は異なります。カウンセリングを通じて、患者さんの個別のニーズや希望を把握し、最適な治療方法を提案することが重要です。例えば、インプラント以外にもブリッジや部分入れ歯といった治療法が考えられる場合、それぞれのメリット・デメリットを説明し、患者さんが納得して治療法を選択できるようサポートします。

4. リスクや合併症についての説明

インプラント治療には成功率が高いものの、リスクや合併症の可能性も存在します。カウンセリングでは、これらのリスクについて正直に説明し、患者さんが十分に理解した上で治療を受けることが重要です。また、万が一合併症が発生した場合の対処方法についても説明し、患者さんが納得した上で治療を進められるようにします。

5. 患者さんの健康状態の確認

カウンセリングでは、患者さんの全身の健康状態を確認することも重要なポイントです。糖尿病や心疾患、骨粗鬆症などの疾患を抱えている場合、インプラント治療に影響を与える可能性があるため、事前に十分な確認が必要です。これにより、治療計画を適切に調整し、安全に治療を行うことができます。

6. 治療費用と支払い方法の確認

インプラント治療は高額になることが多いため、治療費用や支払い方法についてもカウンセリングで確認することが重要です。患者さんが治療にかかる費用を正確に把握し、無理のない支払い計画を立てることで、経済的な負担を軽減し、安心して治療に専念できるようになります。

7. 患者さんとの信頼関係の構築

カウンセリングは、歯科医師と患者さんの信頼関係を築く重要な機会でもあります。患者さんが安心して治療を受けるためには、歯科医師との信頼関係が不可欠です。丁寧で誠実なカウンセリングを通じて、患者さんの信頼を得ることで、治療の成功率も高まります。

カウンセリングは、インプラント治療の成功に向けた最初のステップであり、患者さんが安心して治療を受けるために非常に重要な役割を果たします。

インプラント治療の選択と決断のために

インプラントは歯を失った時に歯の機能を補うための治療法ですが、歯を失った後の治療といっても失った歯の数や場所によって患者さんのお口の中の状態は様々です。 前歯が1本なくなって見た目をとても気にしている方もおられれば、奥歯を何本かなくして噛めない方もおられます。歯が飛び飛びにない方、既にかなりの本数の歯を失った方等、様々な方が来院されます。

歯を失った場合の治療としては、他に「入れ歯」「ブリッジ」の2つの治療法があります。歯科医師はカウンセリングによって患者さんの歯や歯周組織、全身の健康状態などを知り、患者さんの症状に応じた治療法をご紹介します。

また、それぞれの治療にはメリットとデメリットがありますので、患者さんがより選択しやすいように、患者さんの優先順位と照らし合わせて一番良い治療方法をご提案します。

患者さんの優先順位に即したご提案

患者さんお一人お一人にそれぞれの症状があり事情が違いますので、患者さんの優先順位を考えて、いくつかの選択肢のうちのどれが最善の方法かということを患者さんにお話します。

例えば入れ歯の取り外しが面倒だとおっしゃる患者さんには、ブリッジかインプラントかという選択をご提案しますし、入れ歯の中でもより審美的に美しいものを望んでおられる方には自費診療の入れ歯をご提案しています。インプラントやマグネットデンチャーをおすすめする場合もあります。

インプラント治療が可能かどうかの判断

インプラントは外科手術を行いますので、持病のある方は事前に歯科医師に詳しくお話しください。病気によってはインプラントをお勧め出来ない場合や、インプラント手術自体が出来ない場合もあります。

▼インプラントが出来ない場合について以下でご案内しています。

カウンセリングで具体的にどんなお話をするの?

カウンセリングでは、歯科医院でカウンセラー、もしくはドクターに症状(痛みや具体的な困りごと)、様々な希望や悩みなどをご説明ください。

患者さんのお悩みを真摯に伺った後、ドクターが口腔内チェックを行い、大まかな診断を下します。場合によってはレントゲン撮影やCT撮影などの検査を行い、その患者さんに合った治療計画を紹介します。検査は後日行う場合もあります。

インプラントの治療計画を作成する為には、CTの撮影データを専用ソフトでシミュレーションする必要がありますので、少しお時間を頂き、後日改めてお話させて頂くことになります。

インプラント治療前のカウンセリングに関するQ&A

インプラント治療前のカウンセリングの目的は何ですか?

インプラント治療は外科手術と高額なため、患者さんは治療前にしっかりと説明を聞き、治療の流れや計画に十分に納得したうえで治療に入ることが重要です。そのため、歯科医院ではカウンセリングで治療情報を提供し、患者さんのインプラントへの理解を深め、不安を取り除くことを目的としています。

カウンセリングでは具体的にどのような話が行われますか?

カウンセリングでは、患者さんの症状(痛みや具体的な困りごと)、様々な希望や悩みなどをお聞きすることから始まります。その後、ドクターが口腔内チェックを行い、その日のうちにCT撮影などの検査を行う場合と後日行う場合があります。検査結果を検討し、患者さんに合った治療計画をご紹介します。

インプラント治療には初診カウンセリングが必須ですか?

インプラントの初診カウンセリングでは、患者さんのお悩みを伺うことから始め、歯や歯茎の検査を行い、患者さんに最適な治療法をご提案します。インプラントのような手術を伴う高度な治療の場合は、必ず初診カウンセリングが必要になります。

まとめ

インプラントは大変費用がかかる治療ですので、その場で決めていただくことなんてありません。インプラント治療に即決を求める歯医者さんなんていないとお考え下さい。費用の見積書や計画をお持ち帰りになり、じっくりご検討くださることがベストです。焦って決められるのが一番危険です。

カウンセリングのスタッフの雰囲気なども参考に、あなたに合うクリニックをお選びくださいね。

この記事の監修者

医療法人真摯会
理事長 歯科医師 総院長
松本正洋
クローバー歯科、まつもと歯科 総院長。国立長崎大学歯学部卒業。1989年歯科医師免許取得。1998年医療法人真摯会設立。インプラントの認定多数。IDIA(International Dental Implant Association国際インプラント歯科学会)認定医。I.A.A国際審美学会理事。日本抗加齢医学会認定専門医(日本アンチエイジング学会)。

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