インプラント

インプラントする前にまず情報収集した方がいい?

インプラントする前にまず情報収集

大阪インプラント総合クリニック 歯科医師 松本 正洋

現在ではホームページで詳しい情報を公開している歯科医院が増えたため、インターネットで情報収集することでかなりのインプラントの知識を得ることが可能になりました。ただ、患者さんお一人おひとりの場合の価格や治療法など、詳細に関しては一度インプラントの検査を受けて実際に歯科医師に相談することをお勧めいたします。

 

インプラントの情報収集は意外とタイヘン

インターネットで情報収集

 

虫歯や歯周病で歯を抜かなければならない時、ブリッジを被せたり、部分入れ歯等でなくなった歯を補うのが従来の治療法でしたが、インプラントという治療法が加わってからは選択の幅が広がりました。

インプラントはこれらの治療法の中では、構造や噛み心地が最も天然の歯に近いといわれ、入れ歯での食べ物の噛み砕きにくさや、ぐらつきや違和感、外れる心配などを解決してくれます。以前と同じように噛むことが出来るようになるという一点だけを取っても、大変優れた治療法といえます。

ところが、インプラントが必要な患者さんが、必ずしもインプラントについての正しい情報を得ておられないという事実があります。それというのも、インプラントは自由診療で保険がきかないため、歯科医院によって治療費や使用しているインプラント本体のメーカーがまちまちで、それぞれの個々のケースについての十分な情報を得るのが難しいという問題があるからです。

中高年の方々の歯の悩みを解決するインプラント

 

 

若い世代の方には全く想像が出来ないと思いますが、中高年になると様々な歯の疾患に悩まされるようになります。もちろん個人差があり、歯を大切にケアしながらきちんと定期検診を受けてこられた方は、それほど歯の事でお困りではないかもしれません。しかし実際に、中高年の多くの方々が歯のことで悩みをもっておられます。

歯がぐらついたり、歯周ポケットが深くなって炎症を起こしたり、またブリッジの支えの歯が悪くなって抜かなければならなくなったり、更には入歯が合わなかったり、口臭に悩んでいたりと、困っている理由は様々です。

その一つひとつの原因を突き止め、治療していくのが歯科医院の役割になりますが、まず歯科医院に足を運んで頂く事が治療への第一歩です。歯の治療においては、放っておいたらいつの間にか治っていたということは殆どありません。

現状維持ならいい方で、時間の経過とともに、更に悪い状態になることが殆どです。最悪の事態は、やはり抜歯です。歯を抜かなければならなくなると、その後の治療方法はブリッジ、入れ歯、インプラントの3つの方法から選ぶことになります。

どうしても歯を抜きたくないとおっしゃる方もおられますが、抜歯になるケースの方は、歯ぐきに炎症を起こしていることが多く、歯を抜く事で炎症は止まり、腫れや痛み、出血がなくなります。

炎症を抑えながら根管治療を行うこともありますが、抜歯の場合は、歯科医師が治療の効果が出ないと判断した段階で、口腔内の状態を良くしようと前向きに考えた結果、抜歯という判断になります。

現在ではインプラントという優れた治療方法が確立されていますので、抜歯になったとしてもそれほど落胆することはありません。インプラントの良さは、天然歯と変わらない自然な噛み心地と見た目の美しさです。そして隣の歯を削ったりすることもありませんので、間接的に他の歯を守る事になります。

奥歯でも前歯でもインプラントで機能回復可能

インプラント模型

 

虫歯や歯周病、事故等で歯を失った時に、これまでは入れ歯やブリッジでしか対応できませんでした。現在では失った歯の歯根の代わりにインプラント体(人工歯根)を顎の骨に埋め込み、その上に被せ物(上部構造)を取り付けることで、失った歯の機能を回復させることが出来ます。

失った歯が奥歯の場合、インプラントによってしっかりと噛む力が出るため、硬いものでも何でも食べられるようになります。歯周病で歯を失った方は歯がぐらぐらするのを気にしながら食事をされていたと思います。そのような方にとって、インプラントの歯でしっかり噛めて何でも食べられるということは、この上ない快感なのではないでしょうか。

失った歯が前歯の場合は、何といっても他人からどう見えるかを一番気にされてきたと思います。インプラントの被せ物をセラミックにすることで、天然の歯とそっくりの色に作れますので、他人から義歯だと気付かれることはまずないでしょう。

インプラントは骨にしっかりと固定されていますが、インプラント治療後は歯周病を起こさないように天然歯と同じように毎日のケアをしなければなりません。つまり、歯ブラシや歯間ブラシ、デンタルフロス等でていねいにケアを行い、歯垢が溜まらないように気をつける必要があります。

そして数か月に一度は歯科医院で歯科衛生士によるクリーニングをお受けください。その際に歯ぐきが炎症を起こしていないか、歯周ポケットが深くなっていないか、歯科衛生士がチェックしながら歯から歯垢や歯石を除去してお口の中をきれいにします。そうすることでインプラントを永く快適に機能させることが出来ます。

インプラント前にまず情報収集に関するQ&A

インターネット上でインプラントの情報を得るためには何をするべきですか?

歯科医院のホームページを調べ、インプラントの基本情報を収集することが推奨されます。

インプラント治療の情報収集が難しい理由は何ですか?

インプラントは自由診療であり、歯科医院によって治療費や使用しているインプラント本体のメーカーが異なるためです。

中高年になると歯にどのような問題が多く見られますか?

歯がぐらつく、歯周ポケットが深くなって炎症を起こす、ブリッジの支えの歯が悪くなる、入歯が合わない、口臭に悩むなどの問題が多く見られます。

まとめ

インプラントについて詳しく知りたいときは、まずインターネットで色々な歯科医院のサイトから情報収集を行ってみましょう。先生によって様々なメーカーのインプラントを使っていることがおわかりになると思います。お一人おひとりの症例によってインプラントのメーカーを使い分けている先生もおられます。様々なケースで、柔軟に対応できるような幅広い治療を行っている歯科医院がみつかったら、一度相談に行ってみましょう。

ホームページに掲載されている内容は、あくまでもモデルケースです。患者さんお一人おひとりの歯や歯ぐき、顎骨の状況は違いますので、治療に関する詳しいお話は、実際に診察、検査をしない限りはわかりません。しかしその前段階として、あくまでも基本的な情報として、インプラントについてインターネットで情報収集することは必要だと考えます。

この記事の監修者

医療法人真摯会
理事長 歯科医師 総院長
松本正洋
クローバー歯科、まつもと歯科 総院長。国立長崎大学歯学部卒業。1989年歯科医師免許取得。1998年医療法人真摯会設立。インプラントの認定多数。IDIA(International Dental Implant Association国際インプラント歯科学会)認定医。I.A.A国際審美学会理事。日本抗加齢医学会認定専門医(日本アンチエイジング学会)。

▶プロフィールを見る