
インプラントにはメリットが沢山ありますが、一番のメリットは何か?という質問に対しては「しっかり噛めるようになること」とお答えしています。
目次
手術前の患者さんのご希望は「噛めるようになること」

インプラント治療前には治療について患者さんとしっかりと話し合います。その際に患者さんからよく聞かれるのは、
「何でも気にせず噛めるようになりたい」
「顎の片側でばかり噛んでいたから両方の奥歯で噛めるようになりたい」
「柔らかい食べ物ばかりで飽きてしまった。普通に噛んで食べれるようになりたい」
というご要望です。
インプラント治療を希望される患者さんにとって、「噛めること」や「噛み心地」が大切であることがわかります。患者さんの中には、入れ歯やブリッジを使っておられ、普段から咬み心地に不満を持っていてインプラントを希望される方も多いです。
インプラントは顎骨に人工歯根を埋め込んでその上に義歯を被せる治療ですので、人工歯根があるという点で入れ歯やブリッジとは構造的に全く違って安定していてよく噛めるようになります。それがインプラントの1番のメリットです。
入れ歯やブリッジとは構造が違って インプラントには人工歯根がある
インプラントはとかく「入れ歯と比べて~」「ブリッジと比べて~」と、入れ歯、ブリッジとの違いが強調されます。それは、歯を失った時の治療は「入れ歯」「ブリッジ」「インプラント」の3種類から選ばなければならないからです。
インプラントの構造
インプラントは三つの部分からなっています。

- インプラント(人工歯根)・・・スクリューのような形をしていて素材はチタンです。
顎の骨に埋め込まれると骨と結合します。 - アバットメント・・・骨に埋入されたインプラントにネジで固定され、被せ物を
取り付けるための土台となります。 - 被せ物(上部構造)・・・アバットメントの上に取り付けます。セラミックで
作られる場合が多いです。
入れ歯の構造

入れ歯は部分入れ歯と総入れ歯に分けられます。総入れ歯は全ての歯を失った方専用の入れ歯です。保険適用の部分入れ歯はクラスプと呼ばれる金属のバネを隣の歯に引っ掛けることで入れ歯を固定します。総入れ歯は顎の粘膜の部分で入れ歯を支えます。
ブリッジの構造

ブリッジは失った歯の両隣の歯を土台として、歯と歯の間に橋をかけたような形で連結された人工歯を取り付ける治療法です。ブリッジで治療するためには欠損部分の両隣の歯を削る必要があります。
インプラントは骨に固定されているのでしっかり噛める

インプラント治療が入れ歯やブリッジと違うのは、人工歯根(インプラント体)が骨に
しっかりと埋め込まれて固定されている点です。
人工の歯の根っこが天然の歯の自然の根っこと同じように骨に埋め込まれている為、インプラントは構造的に天然の歯に近いといえます。
これを可能にしてくれるのは、チタンが骨と結合する「オッセオインテグレーション」と呼ばれる性質です。
オッセオインテグレーションとは

人間の身体は異物を外に押し出そうとする働きをします。しかしチタンは生体親和性が高く、体内で異物と認識されません。
顎の骨に埋め込まれたインプラント体は異物と認識されないまま骨に包み込まれ、3~4ヶ月程度で骨と結合します。
インプラント治療の大きな特徴が「良く噛める」ということですが、根幹となっているのがこのオッセオインテグレーションです。
まとめ
インプラントの一番のメリットは「良く噛める」ことです。それはインプラントの構造が
入れ歯やブリッジと違い、骨に直接埋め込まれてしっかりと骨と結合する点によります。
インプラントの仕組みや構造は複雑で、治療には外科手術を必要とし、治療期間も数か月かかります。しかし一番のメリットである「良く噛める」という点においては、入れ歯やブリッジよりも優れており、患者さんの満足度も高いです。