インプラント

インプラント手術にかかる時間は?症例別にわかりやすく解説

インプラント手術にかかる時間は?

大阪インプラント総合クリニック 歯科医師 松本 正洋

インプラント手術にかかる時間はどのくらいですか? 手術にかかる時間は症例や手術内容によって大きく変わります。単純なケースでは30分程度で終わる場合もありますが、骨を増やす処置を伴う場合や複数本のインプラントを埋入する場合は2時間以上かかることもあります。

この記事はこんな方に向いています

  • インプラント手術を検討していて、どのくらい時間がかかるのか不安な方
  • 骨造成や同時処置が必要な場合の所要時間を知りたい方
  • 複数本のインプラント手術を予定している方
  • 忙しいスケジュールの中で治療計画を立てたい方

この記事を読むとわかること

  1. インプラント手術の一般的な時間の目安
  2. 症例別にどのように手術時間が変わるのか
  3. 所要時間に影響を与える要因
  4. 手術時間が短い・長いことの意味
  5. 手術時間に関する不安を和らげるための考え方

 

インプラント手術の平均的な所要時間はどのくらい?

インプラント手術は一般的に30分〜2時間程度が目安とされます。手術時間はインプラントを埋入する本数、骨の状態、追加処置の有無などによって変化します。単純な症例では短時間で終わりますが、複雑な症例では長時間になることもあります。

ンプラント手術は平均30分〜2時間程度かかります。

インプラント手術の所要時間には幅があります。

  • 1本だけの埋入で骨の状態が良好な場合 → 30〜60分程度
  • 骨造成など追加処置を伴う場合 → 1〜2時間程度
  • 複数本の同時埋入 → 2時間を超える場合もある

このように、手術時間は「単純か複雑か」によって大きく左右されます。時間だけに注目するのではなく、自分の症例に合わせて理解することが大切です。

なぜ症例によって手術時間が変わるの?

インプラント手術の時間は、患者さんの骨の状態や治療方法の選択によって異なります。特に骨の厚みや高さが不足している場合は、骨造成を行う必要があり、その分手術時間も長くなります。

骨の状態や治療法によって手術時間は変わります。

時間が変わる主な要因

骨の状態:骨がしっかりしていれば短時間、足りなければ骨造成を行い時間が延びる。

  • 埋入本数 → 1本と複数本では大きく違う。
  • 同時処置の有無 → 抜歯即時埋入やサイナスリフトを併用する場合は時間が必要。
  • 設備や術者の経験 → CTやガイドを用いた精密手術では効率化できる場合もある。

つまり、症例の難易度と治療計画が時間を決定します。

単純な症例の手術時間はどのくらい?

健康な骨に1本だけインプラントを埋入する場合、手術時間は30〜60分程度で済みます。麻酔や準備を含めても比較的短時間で完了し、身体への負担も少ないのが特徴です。

単純な症例では30〜60分程度で完了します。

  • 骨の量が十分にある
  • 歯周病や大きな炎症がない
  • 単純な位置に1本だけ埋入する

この条件がそろえば、比較的スムーズに手術が終わります。

患者さんにとっても不安が少なく、日常生活への影響も最小限で済むケースです。

骨造成や抜歯即時埋入など特殊処置を伴う場合は?

骨が不足している場合は「骨造成」や「サイナスリフト」といった追加処置が必要です。また、抜歯と同時にインプラントを埋入する「抜歯即時埋入」も難易度が高く、時間が長くなります。これらのケースでは1〜2時間程度を想定する必要があります。

骨造成や抜歯即時埋入では1〜2時間かかります。

特殊処置が必要なケース

  • 骨造成(GBR法) → 骨が薄い部分に人工骨を補う。
  • サイナスリフト → 上顎洞の奥行きを確保してインプラントを埋入。
  • 抜歯即時埋入 → 歯を抜いたその日に埋入するため高度な技術が必要。

これらの処置は、将来的にインプラントを長持ちさせるために重要な手順です。時間はかかりますが、成功率を高めるために必要不可欠です。

複数本のインプラントを埋入する場合は?

複数本のインプラントを同時に埋入する場合、所要時間は大幅に延びます。2本であれば1時間程度、4本以上になると2時間を超えることも珍しくありません。

複数本埋入では2時間以上かかることもあります。

埋入本数が増えると、時間も比例して長くなります。

  • 2本程度 → 1時間前後
  • 4〜6本 → 2時間以上

オールオン4などの即時負荷治療:さらに時間がかかる場合もある

ただし、複数本をまとめて行うことで通院回数を減らせるというメリットもあります。

症例別インプラント手術時間の目安一覧表

インプラント手術の時間は「単純な症例か」「複雑な処置を伴うか」によって大きく変わります。具体的な目安を知ることで、自分の治療計画をより現実的にイメージできます。以下の表に、症例別の手術時間の目安をまとめました。

症例の種類 手術本体の時間 全体所要時間(準備・安静を含む) 特徴・注意点
単純な1本埋入(骨が十分にある) 30〜60分 約2時間 比較的短時間で終わり、負担も少ない
2〜3本の複数埋入 60〜90分 約2〜3時間 通院回数を減らせるが、1回の手術時間は長め
4本以上(オールオン4など) 120分以上 3時間以上 即時負荷治療の場合はさらに時間がかかる
骨造成(GBRやサイナスリフト併用) 90〜120分 約3時間 骨を増やすため精密な処置が必要
抜歯即時埋入 60〜120分 約2〜3時間 抜歯と埋入を同時に行うため技術力が必要

このように、同じインプラント手術でも症例によって所要時間は大きく異なります。大切なのは「時間の長さそのもの」ではなく、 自分の口の状態に合った最適な処置が選ばれているか という点です。歯科医師と十分に相談し、症例ごとの違いを理解しておくことで、安心して手術に臨むことができます。

手術時間が長くなることに不安を感じなくてもよい理由は?

「時間が長い=危険」というわけではありません。むしろ、時間をかけて丁寧に行うことは成功率を高めるために重要です。術中は麻酔で痛みを感じないため、長時間でも安心して受けられます。

長時間でも安全性を高めるための処置です。

手術時間が延びる理由は「安全性の確保」と「精密な作業」が必要だからです。

  • 骨造成を丁寧に行う
  • インプラントの角度や深さを慎重に調整する
  • 出血や合併症を避けるために細心の注意を払う

これらは患者さんの将来のために欠かせない工程です。したがって、時間が長いことは「丁寧に行っている証拠」と考えてよいでしょう。

手術前後の流れを含めると全体ではどのくらいかかるの?

インプラント手術は手術時間そのものだけでなく、準備や術後の安静を含めると来院から帰宅まで2〜3時間程度かかることがあります。手術本体が30分で済んでも、全体のスケジュールを見ておくと安心です。

準備や安静を含めると来院から帰宅まで2〜3時間程度かかります。

手術時間の目安は30分〜2時間ですが、実際には以下のような流れがあります。

  1. 術前準備(30分程度)

     → 麻酔の確認、うがい、手術環境の消毒などを行います。
  2. 手術本体(30分〜2時間程度)

     → 症例に応じてインプラントを埋入します。
  3. 術後の安静・止血確認(30分程度)

     → 出血がないかを確認し、麻酔が切れるまで休みます。
  4. 説明・帰宅準備(15〜30分程度)

     → 術後の注意事項や薬の説明を受けてから帰宅します。

このように、手術自体は短時間であっても、トータルで見ると 2〜3時間は余裕を持って予定しておく必要があります。特に初めて受ける方は「思ったより長く感じる」と言われることが多いので、全体の流れを理解してから当日に臨むと安心です。

まとめ

症例に応じた時間を理解して安心して臨もう

インプラント手術の所要時間は、症例によって30分から2時間以上と幅があります。骨の状態や埋入本数、追加処置の有無などで大きく変わります。重要なのは「自分の症例ではどうか」を歯科医師に確認し、不安を解消してから手術に臨むことです。

症例ごとに時間は変わるため、歯科医師に相談して確認しましょう。

インプラント手術にかかる時間は、症例ごとに異なるため一概には言えません。しかし、歯科医師が安全と精度を最優先にして計画を立てるため、安心して任せることが大切です。事前のカウンセリングで疑問を解消しておけば、落ち着いて手術に臨めます。

この記事の監修者

医療法人真摯会
理事長 歯科医師 総院長
松本正洋
クローバー歯科、まつもと歯科 総院長。国立長崎大学歯学部卒業。1989年歯科医師免許取得。1998年医療法人真摯会設立。インプラントの認定多数。IDIA(International Dental Implant Association国際インプラント歯科学会)認定医。I.A.A国際審美学会理事。日本抗加齢医学会認定専門医(日本アンチエイジング学会)。

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