
よくいただくご質問の一つに、「インプラントは何歳くらいまで出来ますか?」「高齢者でもできますか?」というものがあります。特に60歳以上の方は、治療できる年齢の上限を気になさっている方が多いようです。
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インプラント治療は一般的には何歳になっても受けられる

実はインプラント治療は、何歳までという風に年齢で決められるものではありません。一般的に、全身疾患や麻酔によるアレルギーや呼吸器の疾患がない方でしたら、どなたでも受けられます。(ヘビースモーカーの方は骨とインプラント体が結合しにくく、傷も治りにくいため、治療の間は禁煙していただく必要があります)
全身の疾患がなければ、90歳の方でも出来ますが、骨量や骨質が足りない場合は、年齢に関わらずインプラントが難しいです。また、高齢者の場合は持病を持っている方の割合が若者と比べて高くなるため、身体へのリスクがあります。
高齢者のインプラント治療のリスクとは?

高齢者の方は様々な持病を抱えておられる場合が多く、高血圧、糖尿病、骨粗しょう症等、さまざまです。これらの全身的な症状のある持病を持っておられる方は、インプラント手術を行うことが出来ません。(担当医の指導の下にインプラント治療が可能になる場合もあります。)
更に高齢者の方は免疫が弱く細菌感染を起こしやすかったり、傷を治す能力が低下して傷が治りにくくなっていることがあります。そうなるとインプラントが骨としっかり結合する可能性が低くなり、治療をする上での大きなリスクとなります。
高齢者にとってインプラント治療とは?

高齢になり、若いころのように身体が自由に動かなくなったり、スタミナ不足で活動的ではなくなり、家にこもりがちになる方もおられると思います。そうなった時に、好きなものを味わって食べることは、年齢に関係なく味わうことの出来る幸せの一つといえるのではないでしょうか。
インプラントの最大の特徴は「よく噛める」ということです。高齢でインプラントを希望される方は、若いときには当たり前だった「噛む」という行為が歯を失うことで出来なくなってしまい、何とかもう一度ピーナッツやせんべいなどの硬いものを気にせずバリバリ噛んで食べたいと願っておられます。そんな悩みを叶えてくれるのがインプラントだと言っても過言ではないと思います。
高齢者にとってはしっかり噛むことが何よりも大事

しかも高齢者の方にとって自分の歯でしっかり噛んで食事をすることは、全身の健康や長生きにもつながります。入れ歯になると柔らかい食べ物が中心の食生活となるため、たんぱく質が不足しがちになり、筋力が低下して体力の衰えの原因となります。
また、いつもしっかり噛めない状態で飲み込んでしまうことで、胃の負担になるだけでなく、認知症の発症にもつながるといわれています。
このようにインプラント治療には厳密な年齢制限はありません。インプラントが出来るか出来ないかは、年齢ではなく患者さんの骨の状態によって決まります。
あごの骨が成長している最中の子供はインプラントを避けた方が良いですが、18才以上であれば何才でも治療は受けられます。
高齢者へのインプラント治療の年齢制限に関するQ&A
インプラント治療には厳密な年齢制限はなく、全身の健康状態や骨の状態が重要です。
高齢者でも全身疾患や麻酔へのアレルギー、呼吸器疾患がなければ、インプラント治療を受けられます。
高齢者のインプラント治療のリスクには、持病の影響、免疫力の低下による感染、傷の治りが遅いことなどがあります。
まとめ
インプラント治療は、あごの骨の成長が完了した20歳くらいからあごの骨がまだ丈夫な70歳くらいまでがおすすめ出来る年齢となります。しかし年齢に関わらず、骨質や骨量が良好であることと全身の健康状態に問題がなければ、インプラントが可能です。担当の歯科医師とよくご相談され、治療をお決めください。