インプラント

妊娠するかもしれないけどインプラント治療して大丈夫?

妊娠するかもしれないけど、インプラント治療して大丈夫?

大阪インプラント総合クリニック 歯科医師 松本 正洋

思わぬ事故に遭って歯が折れた方や、他に、セラミックや虫歯治療、歯周病で歯の神経を抜いた為、細菌が繁殖し歯が割れた(専門用語で歯根破折と言います)方等、突然に口腔内の状態が悪くなられた方はいらっしゃると思います。ただ、そのような方が妊娠していた場合、インプラント治療が可能かどうか、詳しくご紹介いたしますね。

妊活中にインプラント治療を行うのはメリット?それともデメリット?

急に何らかの理由で抜歯、もしくは歯を失ってしまった際、どうすればよいのでしょうか。

歯が抜けた状態のままで放置しますと、顎の骨が痩せてしまい、咬み合わせや他の歯に悪影響を及ぼします。歯が抜けたら、必ず歯科医院へ来院し、お口の状態を診療してもらう事をおすすめします。ただ、妊活中だからと二の足を踏む女性の方は少なくないと思われます。

インプラント治療の流れについてご案内しますね。まず、手術前に無料カウンセリングやCT検査がございます。ドクターからの十分な治療計画の説明に同意いただきましたら、いよいよインプラント治療開始です。

歯科医師によるインプラント体を埋入する手術が行われ、患者様の人工歯根と骨の結合を待つ期間があります。フィクスチャーと呼ばれる土台と、かぶせ物の接着の過程を経て、治療完了です。治療期間は、骨がある方でも早くて半年、骨がなく増骨などのGBR法が必要な方の場合は、1年以上要します。

つまり、事前に長期的なインプラント治療計画を立てることが重要です。もちろん歯が入れば、咬めるというメリットもあるでしょう。ただ、妊活と並行してインプラント治療を進めて途中で妊娠された場合は、治療期間が延びるというデメリットになる可能性があります。

インプラント治療中に妊娠したけど、どうしたらいい?

インプラント治療中に妊娠した場合は、速やかに歯科の担当医やスタッフにご相談ください。

なぜなら、レントゲン撮影を行いますと被ばくを伴うからです。歯科用のレントゲンは医科用に比べると被ばく量は些細ですが、体に及ぼす影響を考えなければなりません。

また、投薬も考慮しなければなりません。薬につきましては、妊娠中には使用禁忌の麻酔薬などもございます。妊娠発覚が手術前でしたら、麻酔や服薬が体に及ぼすリスクに配慮し、インプラント体の埋め込み手術計画を延期するでしょう。

妊娠中には風疹ワクチンや男性ホルモン作用がある薬、妊娠中は必要がない排卵誘発剤や経口避妊薬などの薬は使用禁止です。また、抗ウイルス薬、抗リウマチ薬、抗凝固薬、抗潰瘍薬、高コレステロール血症の薬、甲状腺の薬、解熱鎮痛薬などの痛みをとる鎮痛剤のなかにも、赤ちゃんへ影響するものがあるため、妊娠中は飲めない薬があります。

妊娠中に薬を処方された場合は、自己判断をせず、必要性や安全性、選んだ理由について医師や薬剤師からよく説明を受け、問題点を解決しているなと納得した上で服用しましょうね。

妊婦さんのインプラントに代わる処置は?

 

「歯がない状態は嫌だ」「周囲の人の視線が気になる」という審美的な気持ちもよくわかります。その場合は歯医者さんと相談をしてください。患者様のご希望に応じて、一時的に仮歯の処置か、部分入れ歯の装着を行ってもらえると思います。つわりが酷い方には基本的に、えずきにくい仮歯の装着を多くの医院がおすすめすると思います。

実際に、インプラント治療が可能と診断されるのは、一般的に出産後がベストなタイミングだとは思います。ただ、胎児に影響を及ぼさない、トラブルも起こらないだろうという診断であれば、妊娠後期の安定期の時期でも可能かもしれませんが、おなかが大きいので母体を圧迫する事を考慮しながらの治療となります。どちらにしろ、通常よりどのようなことに注意すべきか、必ず産婦人科医のアドバイスや承諾を得てから治療を受けることになります。

まとめ

 

今回は、妊娠するかもしれない時にインプラント治療しても良いかという事についてご説明しました。妊活中の方は、事前にしっかりと計画を立てることが望ましいです。クリニックでインプラント治療を行うのは、心も体も安定している時というのが一番負担が少ないかもしれませんね。

この記事の監修者

医療法人真摯会
理事長 歯科医師 総院長
松本正洋
クローバー歯科、まつもと歯科 総院長。国立長崎大学歯学部卒業。1989年歯科医師免許取得。1998年医療法人真摯会設立。インプラントの認定多数。IDIA(International Dental Implant Association国際インプラント歯科学会)認定医。I.A.A国際審美学会理事。日本抗加齢医学会認定専門医(日本アンチエイジング学会)。

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