インプラント

インプラントは20代~80代で可能?年齢制限はある?

インプラントは20~80代でも可能?年齢制限は?

大阪インプラント総合クリニック 歯科医師 松本 正洋

虫歯や歯周病などで抜歯しなければならなくなった時は、ブリッジや入れ歯、インプラントという治療方法から選ばなければなりません。噛む幸せや耐久性などを考えて、インプラントという治療法に傾きかけた時、「インプラントって年齢制限あるのかな?」と疑問に思われる方もおられます。今日は、インプラント治療の際の制限についてご案内します。

 

インプラントって若い人がするもの?

インプラントという言葉を聞くと、どのようなイメージをお持ちですか。

一般的に、ご高齢の方がされる歯科治療というイメージをお持ちなのではないでしょうか。テレビでインプラント関連のCMが流れると、たいていシニアの患者様や白衣のドクターが出てくるように感じます。

でも、インプラントは、シニアの方に限らず、お口の成長を終えた20歳以上の年齢であれば誰でも受けられる診療です。もちろん費用面の問題があるなど、お若い世代には現実的ではないと思われるのかもしれません。

実際に20代の方でこのようなお話がありました。

虫歯になって歯医者に通院したけど、その歯科医院での嫌な体験が重なって、通うのが嫌になったそうです。歯が悪くなっているのは分かるけどクリニックが怖いと悩まれるうちに、奥歯を抜歯しなければならなくなって、気づいたら複数本の奥歯を失っていたというケースがありました。

つまり、若くてもインプラントを検討される症例は少なくないのです。

インプラント高いからお金足りるかな?

ただ、インプラントはやはり他の自由診療と比べても、料金が高いですよね。それがデメリットになり、歯の治療にそこまでお金をかけられない方にとっては、選択肢から外される原因となります。

しかし、インプラントを行う歯や、他の歯の健康という面では、インプラントにメリットが多い事も確かです。ブリッジや入れ歯は保険適用も可能ですが、他の歯へのリスクを高めることにつながるからです。

通常、ブリッジは両隣の支台となる天然歯を多く削らなければいけません。結果的にブリッジの支台の歯も数年後に抜歯する可能性が高いです。また、入れ歯は顎の骨を痩せさせる為、結果的に他の歯のぐらつきというトラブルを起こすからです。

お金が足りないかもと心配される方は、無料カウンセリングの際にスタッフにご相談ください。当院のように手数料がかからない分割支払いを設定しているクリニックはありますし、金利はかかるけど回数が多く分割できるデンタルローン、クレジットカードなど、さまざまなお支払いができる歯科医院は多いです。

インプラントって高齢でもできる?

インプラントは、高齢でも可能なのかと尋ねられることがあります。結果的に言えば、耐えることができる手術です。

インプラント治療をすると、咬む機能が戻ることで食事が楽しくなり、人と会う事が億劫ではなくなります。手術と聞くと大仰ですが、全身麻酔や入院が必要なものではありません。還暦を迎えた60代の方、70代や80代の方でも、口腔内の歯肉組織や全身状態などの良い条件が十分揃っていると歯科医師が判断すれば、可能な治療法です。

年齢と共に骨密度は減少する?

骨密度とは、骨の量や質を表す指標で、年齢とともに減少することが一般的です。特に女性は閉経後にホルモンバランスが変化することによって、骨密度が急激に低下しやすいといわれます。そのため、女性は閉経後に骨粗鬆症をおこすリスクが高いとされます。

インプラントは歯茎の骨に直接埋め込まれるため、その骨が健康で十分な骨密度を持っていることが治療成功のために非常に重要なポイントです。骨密度が低いと、インプラントがしっかりと固定されず、インプラントの失敗につながる可能性があります。

高齢の患者さんや骨密度が低下している患者さんに対しては、インプラントをしっかりと支えるための骨の量を増やすために、インプラント埋入前に骨造成手術を受けて頂くことがあります。

年齢の他に病気の制限とかある?

インプラントをされる際は、歯周病などの歯肉組織や全身状態が大丈夫かどうかがポイントだとご説明しました。「全身状態って?具体的に教えて」と思われるので、ご紹介します。

糖尿病や膠原病、リウマチ、骨粗しょう症の疾患をお持ちの方、放射線治療を行っている方や、ビスフォスフォネートの服用中の方には、残念ながらインプラント治療をおすすめできません。ビスフォスフォネートって聞きなれない方が多いと思いますので、ご説明しますね。

ビスフォスフォネートは、骨粗しょう症や腫瘍の骨転移を防止するために用いられる薬ですが、乳がんの症例にも用いられることもある薬です。下記にも詳細が載っておりますので、ご参照くださいね。該当する慢性疾患があるけれど、どうしてもインプラントをされたい方は、その疾患の担当医に確認をとってください。

インプラントの年齢制限に関するQ&A

インプラントは何歳以上で受けられますか?

はい、インプラントは20歳以上の年齢であれば誰でも受けることができます。年齢制限はありませんが、お口の成長が終わった20歳以上が一般的です。

インプラントは高齢の方でもできるのでしょうか?

はい、高齢の方でも可能です。口腔内の歯肉組織や全身状態などが適切であれば、還暦を迎えた60代や70代、80代の方でもインプラント治療が行われることがあります。

年齢以外にインプラントの治療制限はありますか?

はい、インプラントを受ける際には歯周病や全身状態が考慮されます。糖尿病や膠原病、リウマチ、骨粗しょう症の疾患をお持ちの方や、ビスフォスフォネートの服用中の方にはインプラント治療は推奨されない場合があります。

まとめ

今回は、インプラントが治療可能な年齢についてお伝えしました。口腔内や全身状態に問題がないとドクターが診断すれば、インプラントは若くても、お年を召されても可能な治療方法であります。歯を失くして困っている方に、是非この情報が参考となれば幸いです。

この記事の監修者

医療法人真摯会
理事長 歯科医師 総院長
松本正洋
クローバー歯科、まつもと歯科 総院長。国立長崎大学歯学部卒業。1989年歯科医師免許取得。1998年医療法人真摯会設立。インプラントの認定多数。IDIA(International Dental Implant Association国際インプラント歯科学会)認定医。I.A.A国際審美学会理事。日本抗加齢医学会認定専門医(日本アンチエイジング学会)。

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