インプラント

インプラント治療に保証制度はありますか?

インプラント治療に保証制度はありますか?

インプラント治療には通常、保証制度が設けられています。その内容は歯科医院によって違いますので、治療を受ける前にきちんと確認しておきましょう。

インプラント治療の保証制度とは?

インプラントはインプラント体(人工歯根)、アバットメント、上部構造(被せ物)の3つのパーツから成り立っています。インプラントメーカーの保証の場合は、インプラント体とアバットメントのみの保証となる場合が多いです。歯科医院の独自の保証プランの場合は、ほとんどの歯科医院が上部構造も保証の対象にしています。

殆どの場合、保証期間の定めもあり、5年~10年程度の保証が多いため、併せて確認しましょう。

インプラントの構造

インプラント治療後に不具合が起こり、再治療となった場合には、治療費の一部を患者さんが負担する場合もあり、ケースバイケースといえます。

当院のインプラント治療の保証制度

保証

当院のインプラント治療の保証制度の内容は、以下のようになっています。

保証期間と補償内容

保証書当院の場合も、治療後にインプラント体が抜け落ちてしまったり、上部構造(被せ物)にひびが入ったり欠けてしまった場合にリカバリーさせて頂くための保証期間を設けています。

顎の骨に埋め込むインプラント体の場合は治療終了後10年間、上部構造は3年間となっています。

インプラント体の保証については、治療後の年数によって保証できる範囲が変わります。

▼保証期間・補償内容についてはこちらで詳しく解説しています。

保証を受けるための条件

インプラント治療後の保証を受けるためには、定期検診に来ていただくことが必要条件となります。

インプラントを長もちさせるには、いかにインプラント周囲炎を防ぐことが出来るかが大きなポイントとなります。そのため、治療後のメンテナンスはインプラントの状態を確認すると共に、歯のクリーニング等の歯周病予防の処置を行います。

インプラント治療に保証期間が必要な理由

インプラント治療に保証期間が設けられている理由は、主に製品やサービスの品質保証、消費者の信頼の獲得、そして企業の競争力向上のためと考えられます。

1. 品質の保証

保証期間は、製品が一定の期間、正常に機能することを示すものです。万が一製品に問題があった場合、メーカーや提供者が修理や交換を行い、品質を保証します。

2. 消費者からの信頼の獲得

消費者は、保証期間がある製品やサービスを選ぶことで、購入後の故障や不具合のリスクを減らすことができます。電化製品などもそうですが、保証があるという安心感が、購入意欲や信頼を高めます。

3. リスクの軽減

インプラントの場合は顎の骨に埋め込まれるため、将来にわたっての安全性は大変重要です。

4. 他クリニックやメーカーとの差別化

長い保証期間や充実した補償内容を提供することは、他のクリニックや企業との差別化になります。保証期間に見合った耐久性を裏付ける技術力があることの証明にも繋がります。

5. 今後の改善のためのフィードバック

保証期間中に起こった問題は貴重なフィードバックであり、今後の製品やサービスの改善に繋がります。

インプラント治療の保証制度に関するQ&A

インプラント治療における保証制度とは何ですか?

インプラント治療の保証制度は、治療後にインプラント体(人工歯根)や上部構造(被せ物)に問題が生じた場合に、その修理や交換をカバーする制度です。この制度は歯科医院によって異なり、インプラントメーカーの保証は通常、インプラント体とアバットメントに限られていますが、多くの歯科医院では上部構造も保証の対象としています。保証期間は一般的に5年から10年程度で、不具合が生じた際の治療費の一部を患者が負担することもあります。この制度は、治療後の安心感を提供し、品質の確保や患者の信頼を高めるために設けられています。

保証を受けるための条件にはどのようなものがありますか?

保証を受けるための条件には、主に定期健診への参加が含まれます。インプラント治療後に保証を受けるには、患者が定期的に歯科医院へ通院し、必要なメンテナンスを受けることが求められます。これには、インプラントの状態確認、歯のクリーニング、歯周病予防の処置などが含まれ、インプラント周囲炎を防ぐことが大切です。定期健診を通じてインプラントの健康状態を維持することは、長期的な成功の鍵となります。

インプラント治療に保証期間が設けられている理由は何ですか?

インプラント治療に保証期間が設けられる理由は、品質の保証、消費者の信頼獲得、リスク軽減、他のクリニックやメーカーとの差別化、およびフィードバックによる改善のためです。保証期間は製品が一定期間正常に機能することを示し、問題があった場合に修理や交換を保証します。消費者は保証があることで安心感を持ち、インプラント治療を選択しやすくなります。また、保証期間は他のクリニックやメーカーとの競争上の優位性を示し、技術力の証明にもなります。保証期間中のフィードバックは、サービスの質を向上させるための重要な情報源となります。

まとめ

インプラント治療の保証制度は歯科医院やメーカーによって異なります。当院ではインプラント体に10年、上部構造に3年の保証を提供し、定期検診の受診が保証を受けるための条件となります。

保証期間は品質の保証、消費者の信頼の獲得、及び競争力向上のために重要です。治療を選択する際は、保証内容をしっかり確認し、信頼のおける治療を選ぶことが必要です。

デンタルインプラント治療に関する保証制度について直接的な研究は見つかりませんでした。ただし、以下の研究はインプラント治療の成功率に関連しているため、間接的に保証制度の理解に役立つかもしれません。

1. Jank, S. と Hochgatterer, G. (2016) の研究では、ジルコニア製の2ピースインプラントの臨床的成功について評価されています。この研究は、メーカーの保証データを利用しており、一定期間におけるインプラントの成功率を分析しています。2.2%のインプラントが非骨結合として返品され、その成功率は製品世代によって96.7%から99.4%の範囲で変動していました。これは、インプラント治療における保証の概念を間接的に示しており、治療の成功率に基づいている可能性があります。【Jank & Hochgatterer, 2016

2. Murthy, D. と Blischke, W. (1992) の研究では、製品保証管理についての統合フレームワークが提案されています。この研究は、消費者、製造者、公共政策決定者の視点から保証を検討し、保証研究のためのモデル構築について議論しています。デンタルインプラント治療に直接関連しているわけではありませんが、製品保証の一般的な概念を理解するのに役立ちます。【Murthy & Blischke, 1992

これらの研究に基づいて、デンタルインプラント治療における保証制度は、治療の成功率に関連している可能性が高いです。ただし、具体的な保証制度の内容や範囲については、各インプラントメーカーや提供する歯科医療機関によって異なる可能性があります。

この記事の監修者

医療法人真摯会
理事長 歯科医師 総院長
松本正洋
クローバー歯科、まつもと歯科 総院長。国立長崎大学歯学部卒業。1989年歯科医師免許取得。1998年医療法人真摯会設立。インプラントの認定多数。IDIA(International Dental Implant Association国際インプラント歯科学会)認定医。I.A.A国際審美学会理事。日本抗加齢医学会認定専門医(日本アンチエイジング学会)。

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