インプラント手術後の痛みはいつまで?ピーク・経過・対処法を歯科医師が解説
監修・執筆:大阪インプラント総合クリニック 歯科医師 松本 正洋
インプラント手術後の痛みはいつまで続く?
インプラント手術中は局所麻酔を使用するため、通常は強い痛みを感じることはほとんどありません。麻酔が切れた後は痛みが出ることがありますが、多くの場合、手術当日から翌日頃に痛みを感じやすく、数日から1週間程度で徐々に落ち着いていきます。
ただし、痛みの程度や続く期間は、インプラントを埋め込んだ本数、骨造成の有無、手術範囲、患者さんの体質などによって異なります。
大切なのは、「手術から何日たったか」だけで判断しないことです。通常の術後痛は時間の経過とともに軽くなります。一方、日を追うごとに痛みが強くなる、鎮痛剤を飲んでも治まらない、膿や発熱を伴う場合は、早めに治療を受けた歯科医院へ連絡する必要があります。
この記事を読むとわかること
- インプラント手術中に痛みを感じにくい理由
- 手術後の痛みが強くなりやすい時期
- 痛みが続く期間の一般的な目安
- 骨造成など、痛みが強くなりやすいケース
- 正常な術後痛と注意が必要な痛みの違い
- 自宅でできる痛みへの対処法
- 抜糸や被せ物を装着するときの痛み
- 治療完了後にインプラントが痛む原因
- 手術後の通院回数と回復期間の目安
インプラントの痛みに対する不安は、「いつ痛むのか」「何日続くのか」「どこまで我慢してよいのか」がわからないことで大きくなります。
一般的な経過と受診の目安を事前に知っておけば、必要以上に不安にならず、異常が疑われるときには適切に対応できます。
目次
インプラント手術中は痛い?
インプラント手術では、手術を行う部分に局所麻酔を使用します。麻酔が十分に効いていれば、歯ぐきの切開や顎の骨への処置中に強い痛みを感じることは通常ありません。ただし、器具で押される感覚や機械の振動、音などは伝わる場合があります。
インプラント手術中は、局所麻酔によって痛みを感じにくい状態で処置を行います。
インプラント手術では、虫歯治療や抜歯をするときと同じように、局所麻酔を使用します。
局所麻酔が十分に効いていれば、歯ぐきを切開したり、顎の骨にインプラントを埋め込んだりするときに、鋭い痛みを感じることはほとんどありません。
ただし、局所麻酔は手術部位の痛みを抑えるものであり、すべての感覚をなくすものではありません。手術中には次のような感覚が残ることがあります。
- 器具で押されるような感覚
→ インプラントを埋め込むときには、手術部位に圧力が加わります。そのため、痛みはなくても、押されているように感じることがあります。 - 機械の振動や音
→ 顎の骨にインプラントを埋め込むための穴を形成するときには、振動や機械音が顎に伝わることがあります。 - 口を開け続けることによる疲れ
→ 手術時間が長くなると、顎や口の周囲に疲れやだるさを感じることがあります。 - 麻酔注射をするときの刺激
→ 麻酔の針が刺さる瞬間や、麻酔液が入るときに、チクッとした刺激を感じる場合があります。
これらは手術中に起こり得る感覚ですが、強い痛みを我慢する必要はありません。
「押されている感じ」ではなく、鋭い痛みや熱い感覚がある場合は、手や指で合図をして歯科医師へ伝えましょう。麻酔を追加するなど、その場で対応できることがあります。
痛みや手術に対する不安が強い患者さんには、静脈内鎮静法を利用できる場合があります。静脈内鎮静法は、点滴から鎮静薬を投与し、眠っているようなリラックスした状態で治療を受ける方法です。
ただし、静脈内鎮静法だけで手術部位の痛みをなくすわけではありません。通常は、局所麻酔と併用してインプラント手術を行います。
インプラント手術後の痛みはどのように変化する?
インプラント手術後の痛みは、局所麻酔が切れる頃から出始めます。手術当日から翌日頃に強く感じやすく、その後は傷口の回復とともに徐々に軽くなります。多くの場合、数日から1週間程度で強い痛みは治まり、軽い違和感へ変わっていきます。
痛みは麻酔が切れた後に出やすく、日を追うごとに軽くなるのが一般的です。
インプラント手術後の痛みは、手術直後から同じ強さで続くわけではありません。
手術直後は局所麻酔が効いているため、痛みを感じにくい状態です。手術から数時間たって麻酔が切れ始めると、ジンジンとした痛みや、重いような鈍い痛みが出ることがあります。
痛みの程度には個人差がありますが、一般的には手術当日から翌日頃に強く感じやすく、その後は徐々に軽くなっていきます。
インプラント手術後の経過
手術後の経過を知っておくと、痛みや腫れが出たときにも落ち着いて対応しやすくなります。
以下は一般的な目安です。骨造成の有無や手術範囲によって経過は異なるため、歯科医院から受けた説明を優先してください。
| 手術後の時期 | 痛みの目安 | 腫れ・出血の目安 | 過ごし方 |
|---|---|---|---|
| 手術直後 | 麻酔が効いているため、痛みを感じにくい | 傷口から少量の出血がみられることがある | ガーゼを指示どおり噛み、患部を触らない |
| 麻酔が切れた後 | ジンジンとした痛みや鈍い痛みが出ることがある | 少しずつ腫れ始める場合がある | 処方された鎮痛剤を指示どおり服用する |
| 手術後1~2日 | 痛みを強く感じやすい時期 | 腫れが目立ちやすくなる | 飲酒や運動を避け、安静に過ごす |
| 手術後3~4日 | 痛みが徐々に軽くなることが多い | 腫れや内出血が残る場合がある | 傷口へ食べ物や歯ブラシを当てない |
| 手術後5~7日 | 軽い違和感程度になることが多い | 腫れも徐々に引いていく | 歯科医院の指示に沿って口腔ケアを続ける |
| 手術後1週間以降 | 強い痛みが続く場合は確認が必要 | 腫れが悪化する場合は注意が必要 | 改善しない症状があれば歯科医院へ連絡する |
通常の術後痛であれば、時間がたつにつれて少しずつ軽くなります。反対に、手術直後よりも3日後、4日後のほうが明らかに痛い場合は、傷口の感染などが起きていないか確認が必要です。
痛みの強さだけを見るのではなく、昨日よりも症状が改善しているかを確認することが重要です。
インプラント治療では、いつ痛みが出やすい?
インプラント治療で痛みが出る可能性があるのは、インプラントを埋め込んだ直後だけではありません。麻酔注射、麻酔が切れた後、抜糸、二次手術、被せ物の装着後など、治療段階によって痛みの原因が異なります。
痛みが出た時期によって、考えられる原因や必要な対応が変わります。
インプラント治療は、顎の骨にインプラント体を埋め込んで終わりではありません。手術後は、インプラント体と顎の骨が結合するのを待ち、その後に土台や被せ物を装着します。治療の段階ごとに、痛みが出る原因も異なります。
麻酔注射をするとき
- 麻酔針が刺さるときや、麻酔液が入るときに、一瞬チクッとした刺激を感じる場合があります。
- 表面麻酔を使用したり、麻酔液をゆっくり注入したりすることで、刺激を抑えられることがあります。
麻酔が切れたとき
- 手術から数時間たち、局所麻酔が切れ始めると、傷口にジンジンとした痛みや重い感覚が出ることがあります。
- 急に痛みが出て慌てないよう、鎮痛剤を服用するタイミングを手術前に確認しておくと安心です。
手術後1~2日頃
- 歯ぐきや顎の骨に処置を行った影響で、手術後1~2日頃は痛みや腫れを感じやすくなります。
- ただし、正常な経過であれば、その後は少しずつ痛みが軽くなっていきます。
抜糸をするとき
- 歯ぐきを縫合した場合は、手術後1~2週間程度で抜糸を行います。
- 糸を切って取り除く際に、引っ張られる感覚や一瞬の刺激を感じることがありますが、強い痛みを伴わない場合が一般的です。
二次手術の後
- 2回法でインプラント治療を行う場合は、顎の骨とインプラントが結合した後に、歯ぐきの中にあるインプラントを露出させる二次手術を行います。
- 二次手術は、最初の埋入手術より処置範囲が小さいことが多く、術後の痛みも比較的軽い傾向があります。
被せ物を装着した後
- 被せ物を装着した後に噛むと痛い場合は、噛み合わせが高い、周囲の歯ぐきが圧迫されているなどの可能性があります。
- 慣れるまで軽い違和感が出ることはありますが、強い痛みが続く場合は調整が必要です。
治療完了から数か月・数年後
- 治療完了から時間がたってから痛みが出た場合は、手術の傷ではなく、インプラント周囲の炎症や噛み合わせ、部品の緩みなどが考えられます。
同じ「インプラントが痛い」という症状でも、痛みが出た時期によって意味が異なります。歯科医院へ相談するときは、「いつから」「何をしたときに」「どのように痛むのか」を伝えると、原因を判断しやすくなります。
痛みが強くなりやすいのはどのようなケース?
インプラント手術後の痛みは、インプラントを埋め込む本数、骨の状態、同時に行う処置によって変わります。1本だけを埋め込む比較的小規模な手術より、骨造成や複数本の埋入を伴う手術のほうが、痛みや腫れが強く出る可能性があります。
手術範囲が広くなるほど、術後の痛みや腫れも出やすくなります。
骨造成を同時に行った場合
- 顎の骨が不足している場合は、インプラントを安定させるためにGBRなどの骨造成を行うことがあります。
- 骨造成では、インプラントを埋め込む処置に加えて、骨を補う材料を入れたり、膜で覆ったりします。そのため、インプラント埋入だけを行った場合よりも、手術範囲が広くなり、腫れや内出血が目立つことがあります。
複数本のインプラントを埋め込んだ場合
- 1本だけを埋め込む手術に比べ、複数本を同時に埋め込む手術では、歯ぐきや顎の骨に処置を行う範囲が広くなります。
- 手術時間も長くなりやすいため、術後の痛みや腫れが強くなる可能性があります。
抜歯と同時にインプラントを埋め込んだ場合
- 歯を抜いた直後にインプラントを埋め込む方法を、抜歯即時埋入といいます。
- 抜歯とインプラント埋入を同日に行うため、治療期間を短縮できる可能性がありますが、抜歯部位の状態や手術内容によっては、痛みや腫れが出ることがあります。
歯ぐきの切開範囲が広い場合
- インプラント手術には、歯ぐきを切開して顎の骨を確認する方法と、切開範囲を抑えて行う方法があります。
- 歯ぐきの切開や縫合を行う範囲が広いほど、術後の腫れや違和感も出やすくなります。
手術時間が長かった場合
- 難しい位置への埋入や複数の処置を同時に行う場合は、手術時間が長くなることがあります。
- 長時間にわたって歯ぐきや骨へ処置を行うと、術後の炎症反応が強くなる可能性があります。
治療内容による痛みの違い
手術前には、インプラントの本数だけでなく、骨造成や抜歯を同時に行うか確認しておくことが大切です。治療内容がわかれば、予想される痛みや腫れ、仕事を休む期間についても相談しやすくなります。
| 治療内容 | 痛み・腫れの傾向 | 主な理由 | 事前に確認したいこと |
|---|---|---|---|
| インプラント1本の埋入 | 比較的軽いことが多い | 手術範囲が限られるため | 切開の有無、手術時間 |
| 複数本の埋入 | 強く出る場合がある | 処置範囲や手術時間が増えるため | 埋入本数、手術範囲 |
| GBRなどの骨造成 | 腫れや内出血が出やすい | 骨を補う処置が加わるため | 骨造成の範囲、回復期間 |
| サイナスリフト | 腫れや違和感が長引くことがある | 上顎洞付近に処置を行うため | 鼻に関する注意事項 |
| 抜歯即時埋入 | 抜歯部位の状態によって異なる | 抜歯と埋入を同時に行うため | 感染の有無、仮歯の使用 |
| 二次手術 | 軽い痛みで済むことが多い | 埋入手術より処置範囲が小さいため | 処置後の歯磨き方法 |
ただし、手術範囲が小さくても、痛みを強く感じる患者さんはいます。反対に、骨造成を行っても痛みが軽い場合もあります。
治療内容は痛みを予測する材料にはなりますが、「骨造成をしたから必ず強く痛む」と決まっているわけではありません。
正常な痛みと受診が必要な痛みはどう見分ける?
正常な術後痛は、手術当日から数日間に現れ、時間の経過とともに軽くなっていくのが特徴です。反対に、痛みが日ごとに強くなる、鎮痛剤を飲んでも治まらない、膿や発熱を伴う場合は、感染などの問題が起きている可能性があります。
痛みの強さだけでなく、症状が改善傾向か悪化傾向かを確認しましょう。
インプラント手術後に痛みがあるからといって、すぐに治療が失敗したとは限りません。
歯ぐきや顎の骨に処置を行った後には、傷を治そうとする炎症反応が起こります。そのため、手術後に一定の痛みや腫れが出ることは、珍しいことではありません。
正常な経過である可能性が高い痛みには、次のような特徴があります。
- 鎮痛剤を飲むと痛みが軽くなる
→ 処方された薬で痛みをコントロールできている場合は、一般的な術後痛の可能性があります。 - 日を追うごとに痛みが弱くなっている
→ 手術翌日よりも3日目、4日目のほうが楽になっている場合は、順調に回復していると考えられます。 - ジンジンする、重い、鈍いといった痛みである
→ 手術後は鋭い痛みよりも、鈍い痛みや違和感として感じることがあります。 - 腫れがあっても、徐々に引いている
→ 腫れが一時的に目立っても、数日後から小さくなっていれば、正常な経過であることが多いです。
反対に、次のような症状がある場合は早めに歯科医院へ連絡してください。
- 日を追うごとに痛みが強くなっている
- 一度治まった痛みが再び強くなった
- 鎮痛剤を飲んでも強い痛みが続く
- 腫れが3~4日目以降も大きくなっている
- 傷口から膿が出ている
- 強い口臭や嫌な味が続く
- 発熱や強い倦怠感がある
- ガーゼを噛んでも出血が止まらない
- 唇や舌のしびれが改善しない
- 仮歯やインプラントが動くように感じる
正常な経過と注意が必要な症状
術後の症状を判断するときは、「何日たったか」だけを見るのでは不十分です。同じ手術後3日目でも、昨日より痛みが弱くなっている場合と、急に強くなった場合では意味が異なります。
| 確認項目 | 正常な経過の可能性が高い状態 | 早めに相談したい状態 |
|---|---|---|
| 痛みの変化 | 日ごとに少しずつ軽くなる | 日ごとに強くなる |
| 鎮痛剤の効果 | 服用すると痛みが軽くなる | 服用しても強い痛みが続く |
| 腫れ | 2~3日頃を境に徐々に引く | 3~4日以降も大きくなる |
| 出血 | 唾液に少量混じる程度 | ガーゼを噛んでも止まらない |
| 傷口 | 軽い違和感がある | 膿、悪臭、強い腫れがある |
| 全身の状態 | 軽いだるさが徐々に改善する | 発熱や強い倦怠感が続く |
| インプラント周辺 | 触らなければ強い痛みはない | 仮歯やインプラントが動く |
「手術後1週間は我慢しよう」と考える必要はありません。症状が明らかに悪化している場合や、鎮痛剤を飲んでも眠れないほど痛む場合は、手術後の日数にかかわらず治療を受けた歯科医院へ相談してください。
インプラント手術後の痛みを和らげるには?
インプラント手術後の痛みは、処方された鎮痛剤の服用、安静、適切な食事などによって軽減できることがあります。大切なのは、痛みを無理に我慢せず、歯科医師から受けた指示を守ることです。
処方薬を正しく使い、傷口へ負担をかけないように過ごしましょう。
処方された鎮痛剤を服用する
手術後には、痛みを抑えるための鎮痛剤が処方されることがあります。
用法・用量を守り、歯科医師から説明されたタイミングで服用してください。麻酔が完全に切れて強く痛み出す前に服用するよう指示される場合もあります。
薬の種類や適切な服用方法は、患者さんの持病、アレルギー、服用中の薬によって異なります。
自己判断で服用回数を増やしたり、別の市販薬を追加したりしないようにしましょう。
頬の外側から短時間ずつ冷やす
腫れや熱感がある場合は、保冷剤をタオルで包み、頬の外側から短時間ずつ当てる方法があります。
氷や保冷剤を直接皮膚に当てたり、長時間連続して冷やしたりすると、血流が低下して傷の治りに影響する可能性があります。
冷却方法や冷やす期間については、歯科医院から受けた説明を優先してください。
手術当日は安静に過ごす
激しい運動や長時間の入浴は血流を促し、痛みや腫れ、出血を強くする可能性があります。
手術当日は予定を詰め込まず、自宅でゆっくり過ごせるようにしておくと安心です。
やわらかく刺激の少ない食事を選ぶ
手術当日は、傷口に負担がかかりにくい食事を選びましょう。
- おかゆ
- やわらかいうどん
- 豆腐
- 卵料理
- 冷まし気味のスープ
- ヨーグルト
- やわらかく煮た野菜
熱すぎる食べ物、硬いもの、香辛料の強いもの、細かい粒が傷口に入りやすいものは避けたほうがよいでしょう。
また、手術した側ではできるだけ噛まず、反対側を使ってゆっくり食べてください。
術後の食事では、傷口を守ることと、薬を服用するために必要な栄養を取ることの両方が大切です。食欲がない場合でも、無理のない範囲で消化しやすいものを取りましょう。
インプラント手術後に避けたほうがよいことは?
手術後の飲酒、喫煙、激しい運動、長時間の入浴は、出血や腫れを強めたり、傷の治りを遅らせたりする可能性があります。また、傷口を指や舌で触ることも、感染や出血の原因になるため避けましょう。
血流を急に促す行動と、傷口への刺激を避けることが大切です。
1. 飲酒する
- アルコールによって血流が促されると、出血や腫れが強くなる可能性があります。
- また、処方された鎮痛剤や抗菌薬とアルコールを一緒に摂取すると、眠気や胃腸症状などが強く出る場合があります。
- 少なくとも手術当日は飲酒を控え、再開する時期は歯科医師へ確認してください。
2. 激しい運動をする
- ランニング、筋力トレーニング、スポーツなどの激しい運動は、血圧や血流を上げます。
- その結果、傷口から再び出血したり、痛みや腫れが強くなったりする可能性があります。
- 手術当日は、軽い運動であっても無理をしないようにしましょう。
3. 長時間入浴する
- 湯船に長くつかると、全身の血流が促されます。
- 手術当日はシャワー程度にとどめるよう指示されることがあります。サウナや岩盤浴も、歯科医師から許可が出るまでは控えましょう。
4.喫煙する
- 喫煙は歯ぐきの血流を悪化させ、傷の治りを遅らせる可能性があります。
- インプラントと顎の骨が結合する過程にも影響するため、手術直後だけでなく、できるだけ長期的な禁煙が望まれます。
5. 強いうがいをする
- 傷口から血がにじむと、強くうがいをしたくなるかもしれません。
- しかし、強いうがいを繰り返すと、傷口を覆っている血の塊が取れ、出血が再開する場合があります。手術当日は、水を口に含んで静かに吐き出す程度にしましょう。
6. 傷口を指や舌で触る
- 縫合した糸や傷口が気になっても、指や舌で触らないようにしてください。
- 傷口へ繰り返し刺激を加えると、出血や感染、糸が緩む原因になることがあります。
術後の痛みを抑えるには、特別なことを行うより、傷口の回復を邪魔しないことが重要です。痛みが軽いからといって、すぐに飲酒や運動を再開すると、その後に痛みや出血が強くなることがあります。
抜糸や被せ物の装着時にも痛みはある?
抜糸では、糸を引かれる感覚や一瞬の刺激を感じることがありますが、強い痛みを伴わないことが一般的です。被せ物を装着した後に噛むと痛い場合は、噛み合わせや歯ぐきの炎症などを確認する必要があります。
抜糸の痛みは軽いことが多いものの、被せ物の装着後に痛みが続く場合は調整が必要です。
インプラントの埋入手術後は、一般的に1~2週間程度で傷口の状態を確認し、必要に応じて抜糸を行います。
抜糸は、糸を切って歯ぐきから取り除く短時間の処置です。糸を引かれる感覚や、軽くチクッとした刺激を感じることがありますが、強い痛みを伴わないことが多いです。
ただし、糸が歯ぐきに食い込んでいる場合や、周囲に炎症が起きている場合は、刺激を感じやすくなります。
被せ物を装着した後は、最初のうちは噛み合わせに慣れず、軽い違和感を覚えることがあります。
しかし、次のような症状が続く場合は調整が必要です。
- インプラントの部分だけ先に当たる
- 硬いものを噛むと強く痛む
- 何もしていなくてもズキズキする
- 被せ物が動くように感じる
- 歯ぐきが赤く腫れている
- 歯磨きのたびに出血する
インプラントには、天然歯にある歯根膜がありません。歯根膜には、噛む力を感じ取ったり衝撃を和らげたりする役割があります。
そのため、インプラントでは強い力がかかっていても、患者さん自身が気づきにくい場合があります。
「そのうち慣れるだろう」と放置せず、噛みにくさや痛みが続く場合は、噛み合わせや被せ物の状態を確認してもらいましょう。
治療完了後にインプラントが痛むのはなぜ?
インプラント治療が完了して数か月または数年たった後に痛みが出た場合は、インプラント周囲の炎症、噛み合わせの負担、部品の緩みなどが考えられます。手術直後の痛みとは原因が異なるため、早めの確認が必要です。
治療完了後の痛みは、インプラント周囲炎や噛み合わせの問題が原因の場合があります。
1. インプラント周囲に炎症が起きている
インプラントの周囲に歯垢がたまると、歯ぐきに炎症が起こることがあります。
初期には歯ぐきの赤みや出血がみられ、進行すると炎症が顎の骨にまで及ぶことがあります。この状態をインプラント周囲炎といいます。
インプラント周囲炎が進行すると、インプラント周囲の骨が失われ、インプラントが不安定になる可能性があります。
2. 噛み合わせに負担が集中している
被せ物の摩耗や周囲の歯の変化によって、インプラント部分へ強い力が集中することがあります。
特に、歯ぎしりや食いしばりがある患者さんでは、眠っている間に大きな負担がかかる場合があります。
3. 被せ物や内部の部品が緩んでいる
インプラントは、顎の骨に埋め込むインプラント体、土台、被せ物などの部品から構成されています。
内部のねじが緩んだり、被せ物が欠けたりすると、噛んだときに痛みや違和感が出る場合があります。
4. 隣の天然歯が痛んでいる
インプラントの近くにある天然歯が虫歯や歯周病になり、その痛みをインプラントの痛みだと感じることもあります。
痛む場所を患者さん自身で正確に判断することは難しいため、レントゲンやCT、噛み合わせ、歯ぐきの状態などを確認して原因を探します。
5. 痛みが出た時期から考えられる原因
インプラントの痛みを判断するうえでは、痛みの強さと同じくらい、痛みが出た時期が重要です。手術直後、被せ物を装着した直後、治療完了から数年後では、考えられる原因が大きく異なります。
| 痛みが出た時期 | 考えられる主な原因 | 対応の目安 |
|---|---|---|
| 手術当日~2日頃 | 手術による正常な炎症反応 | 処方薬を使用し、安静に過ごす |
| 手術後3~7日頃 | 術後の炎症、傷口への刺激、感染 | 改善傾向を確認し、悪化時は連絡する |
| 抜糸前後 | 糸の刺激、傷口周囲の炎症 | 抜糸時に状態を確認してもらう |
| 被せ物の装着直後 | 噛み合わせ、歯ぐきへの圧迫 | 痛みが続く場合は調整を受ける |
| 治療完了から数か月後 | 噛み合わせ、清掃不良、部品の緩み | 早めに健診を受ける |
| 治療完了から数年後 | インプラント周囲炎、被せ物の摩耗、歯ぎしり | 放置せず歯科医院を受診する |
治療完了後に出た痛みを、手術後の痛みと同じように様子を見るのはおすすめできません。特に、噛むと痛い、歯ぐきから出血する、膿が出る、被せ物が動くといった症状がある場合は、早めに歯科医院を受診してください。
インプラントを長く使うためには、症状がない時期から定期的な健診を受け、歯垢の除去や噛み合わせの確認を続けることが大切です。
回復期間や通院回数はどのくらい?
インプラント手術後の強い痛みは数日程度で軽くなることが多く、抜糸は手術後1~2週間程度で行われます。ただし、顎の骨とインプラントが結合するまでには数か月かかるため、痛みがなくなっても治療が完了したわけではありません。
痛みは数日で落ち着くことが多い一方、インプラント治療全体には数か月かかります。
インプラント手術後は、一般的に次のような流れで通院します。
- 手術当日
→ インプラント体を顎の骨へ埋め込みます。必要に応じて骨造成も行います。 - 手術翌日から数日後
→ 傷口、出血、腫れなどを確認するため、消毒や経過観察を行う場合があります。 - 手術後1~2週間程度
→ 傷口の状態を確認し、縫合している場合は抜糸を行います。 - 手術後数か月
→ インプラント体と顎の骨が結合するのを待ちます。待機期間は、手術部位や骨の状態によって異なります。 - 二次手術や型取り
→ 治療方法によっては二次手術を行い、その後、被せ物を作るための型取りを行います。 - 被せ物の装着
→ 噛み合わせや見た目を確認し、最終的な被せ物を装着します。
痛みがなくなったからといって、インプラントが完全に顎の骨と結合したわけではありません。
手術後の数か月間は、見た目に問題がなくても、インプラントへ強い力をかけないよう注意する必要があります。
通院回数や治療期間は、インプラントの本数、骨造成の有無、治療部位、治癒の状態によって変わります。手術前に、おおよその通院回数と治療完了までの期間を確認しておきましょう。
なお、痛みへの対処や術後確認に追加費用がかかるかどうかは、医院の料金体系や処置内容によって異なります。手術費用に術後の消毒や抜糸が含まれているか、事前に確認しておくと安心です。
インプラントの痛みに関するQ&A
Q1.インプラント手術後の痛み止めは何日飲みますか?
痛み止めを服用する期間は、手術内容や痛みの程度によって異なります。一般的には、痛みが出やすい手術当日から数日間使用することが多いです。処方された薬の用法・用量を守り、自己判断で服用回数を増やさないようにしましょう。
Q2.痛み止めを飲んでも痛い場合はどうすればよいですか?
痛み止めを飲んでも強い痛みが続く場合は、治療を受けた歯科医院へ連絡してください。感染や傷口への刺激など、薬だけでは改善しない原因が隠れていることがあります。市販薬を追加する前に、歯科医師へ相談することが大切です。
Q3.手術後1週間たっても痛いのは異常ですか?
手術後1週間ほどは、軽い違和感や触れたときの痛みが残ることがあります。ただし、強い痛みが続く、痛みが悪化している、腫れや膿を伴う場合は注意が必要です。自己判断で様子を見続けず、歯科医院へ相談しましょう。
Q4.骨造成をすると痛みは強くなりますか?
骨造成では、インプラントを埋め込む処置に加えて骨を補う処置を行います。そのため、インプラントだけを埋め込む場合より、痛みや腫れ、内出血が出やすくなることがあります。ただし、症状の程度には個人差があります。
Q5.インプラント手術の翌日から仕事はできますか?
デスクワークなど身体への負担が少ない仕事であれば、翌日から可能な場合があります。ただし、術後1~2日は痛みや腫れが出やすいため、できれば予定に余裕を持たせると安心です。力仕事や長時間の会話が必要な仕事は、歯科医師へ相談しましょう。
まとめ
インプラント手術中は局所麻酔を使用するため、通常は強い痛みを感じることはほとんどありません。
手術後は麻酔が切れる頃から痛みが出ることがありますが、多くの場合、手術当日から翌日頃に強く感じやすく、その後は徐々に軽くなります。
インプラント手術後に覚えておきたいポイントは、次の3つです。
- 手術後の痛みは、数日から1週間程度で軽くなることが多い
- 骨造成や複数本の埋入では、痛みや腫れが長引く場合がある
- 痛みが日ごとに強くなる場合は、日数にかかわらず歯科医院へ相談する
インプラント手術後の痛みは、強さだけで正常か異常かを判断できません。
昨日より軽くなっているか、それとも悪化しているかを確認することが大切です。
処方された薬を正しく使用し、飲酒や運動、傷口への刺激を避けて過ごしましょう。鎮痛剤を飲んでも強い痛みが続く場合や、膿、発熱、腫れの悪化がみられる場合は、無理に我慢せず治療を受けた歯科医院へご連絡ください。
関連ページ:インプラントは痛い?腫れる?
医療法人真摯会