インプラントのような高額な治療においては、セカンドオピニオンを求めることがかなり浸透してきています。セカンドオピニオンを求める際に確認すべき点についてご説明します。
目次
セカンドオピニオンの必要性
インプラント治療は、外科的処置を伴う複雑な治療であり、治療の成功や長期的な健康を左右する重要な決定です。セカンドオピニオンを求めることで、治療計画の妥当性や選択肢の広がりを確認し、最適な治療を受けるための判断材料を得ることができます。
インプラント治療で主治医に聞くべきポイント
- 顎の骨の状態
- インプラント治療が受けられる健康状態か
- 主治医が考える適切な治療方法について
- 主治医が薦める治療のメリット、デメリット、リスク
- 主治医が適切と考える治療方法以外のやり方(例:患者が希望する治療方法等)
- 治療にかかる期間と費用
- 不具合があった場合の対応や保証制度の内容
- 治療後のメインテナンスの費用や通院頻度
セカンドオピニオンを利用するには、主治医に依頼して検査結果や治療計画案などの書類を用意してもらわなければいけません。
セカンドオピニオンとは
セカンドオピニオンとは、患者さんが納得して治療を選択出来るように、担当医とは別の医師から第2の意見を求めることをいいます。
患者さんは一人の担当医の意見が本当に正しいのかどうか判断することが出来ません。そのため、少しでも不安に思うことがあったら、別の医師の意見を求めることが出来る制度が、セカンドオピニオンです。
患者さん自身が治療内容を理解して同意する「インフォームドコンセント(説明と同意)」のためにも、セカンドオピニオンを利用して主治医の診断や意見が正しいかどうかを判断するきっかけにすることが出来ます。
セカンドオピニオンはどうして必要になるの?
インプラントの相談に行ってみたら、「あなたの場合はインプラントは難しいので、入れ歯かブリッジになります」と言われたのに、違う医院に相談に行ったら「インプラントが可能」と言われる場合があります。
インプラントが可能かどうかの判断が歯科医師によって違うことに、驚かれるかもしれませんが、こういったことは良く起こります。インプラントが出来ないと診断されるケースには、全身疾患があったり、骨の量が足りないという場合が多いです。
骨量が足りないためインプラントが出来ないといわれたケースでは、診断した歯科医師が骨造成の技術や経験を十分に有している場合に、他医院で断られたケースでもインプラントが可能になる場合もあります。
セカンドオピニオン利用前に主治医に確認しておきたいポイント
セカンドオピニオンを利用する前に、主治医の意見をしっかりと聞いておくことが大切です。そうでなければ、主治医以外の先生の意見を聞いても、比較して判断することが出来ません。
疑問や不安なポイントをしっかりと確認することで、主治医の治療方針に納得し、セカンドオピニオンを受ける必要がなくなるということもあります。
セカンドオピニオンでは何を聞いたらいいの?
セカンドオピニオンを受ける際には、以下の点を重点的に確認することが推奨されます。
治療計画の妥当性
- インプラントの適応性・・インプラントが本当に最善の治療法であるか、ほかの選択肢がないか確認することが重要です。インプラント以外にもブリッジや入れ歯などの選択肢が存在する場合があります。
- 治療ステップの確認・・提案された治療計画の各ステップが適切かどうかを再確認します。手術前の準備や術後のケア、メンテナンス計画が具体的であるか確認しましょう。
医師の技術や経験
- インプラント施術の実績・・治療を担当する歯科医師がどの程度のインプラント施術の経験を持っているか、特に類似した症例での成功事例があるかを確認しましょう。
- 技術的な精度・・最新の技術や設備を使用しているかどうかも、治療の成功に関わるため、確認が必要です。
骨の状態とインプラントの安定性
- 骨量の評価・・インプラントがしっかり固定されるためには、十分な顎骨の量が必要です。セカンドオピニオンでは、骨量が不足している場合に骨移植などの追加処置が必要か確認します。
- インプラントの長期的な安定性・・セカンドオピニオンでは、インプラントの寿命や将来的なリスクについても説明を受けることが大切です。
費用と治療期間の確認
- 治療費の比較・・セカンドオピニオンを受けることで、他のクリニックでの治療費を比較し、コストパフォーマンスの良い選択肢を見つけることができます。
- 治療期間の確認・・治療がどのくらいの期間かかるのか、術後の回復期間やメンテナンスの頻度も確認しておくと安心です。
セカンドオピニオンで気をつけること
セカンドオピニオンとして何を聞きたいかをはっきりさせることが大切です。
主治医の意見が正しいかどうかという聞き方をすると、余程間違った内容でない限りは「正しい」ということになります。そのため、主治医の治療計画をどのように感じているか、不安や疑問があってセカンドオピニオンを求めたいと思ったのはどの部分か、などを事前に整理しておく必要があります。
セカンドオピニオンには健康保険は使えないの?
セカンドオピニオンを受ける際は検査データを持参することが必須になります。そのため主治医の了解を得てデータをそろえてもらう必要があります。 セカンドオピニオンは原則として健康保険適用外で、全額自費診療となります。診療行為を行わないため、健康保険は使えません。
セカンドオピニオンで確認すべきことに関するQ&A
セカンドオピニオンとは、患者が担当医以外の別の医師に対し、治療についての第2の意見を求めることです。患者が納得して治療を選択するために利用されます。
インプラント治療などの高額な治療において、異なる歯科医師によってインプラントの可能性や治療方法についての意見が異なる場合があります。そのため、セカンドオピニオンを求めることで、より適切な治療方針を選ぶことができます。
セカンドオピニオンで聞くべきことは次のようなものです。 ・患者の現在のお口の状態について ・主治医が勧めるインプラント治療の内容について ・主治医の話を聞いて疑問に感じていること
まとめ
主治医の診断や治療計画について複数の医師に検討してもらうことで、患者さん自身がしっかりと納得のいく治療に繋がります。セカンドオピニオンとは何かを理解して、より良い治療を受けるために役立てましょう。