インプラント治療前・治療後の疑問

インプラントでセカンドオピニオンが大切な理由

インプラントでセカンドオピニオンが大切な理由

大阪インプラント総合クリニック 歯科医師 松本 正洋

かかりつけの歯科医院がある方は、出来る限りその医院で全ての治療を受けたいと希望されるかもしれません。しかし、インプラント治療においては、セカンドオピニオンを求めた方が良い場合もあります。

なぜインプラントではセカンドオピニオンが重要なのか?

歯科医師イメージ

インプラントは外科手術が必要で、歯科治療の中でも専門的な知識や技術、経験が必要です。そのため、インプラント治療を受けるかどうか、そして実際に手術をしてもらう歯科医師を決めるためにも、最初に相談した医師だけでなく、複数の歯科医師の意見を求めた方がより安心して治療を受けることができると思います。

そのため、インプラント治療を考えておられる患者さんは、他の歯科医のセカンドオピニオンを求めて、これからご自身が受ける治療内容についてしっかりと意見を聞きましょう。

セカンドオピニオンを求めることで、最初の医師の治療計画とは全く違う治療方法の提案を受けるときもあります。どちらの治療方法が良いのかは、患者さんが治療に一番に求めていることが何なのかによって決まります。例えば、インプラント治療に期待していることが「よく噛めること」、「よりきれいに見えること」、または「治療費を安くしたい」など、患者さんの希望がより多く盛り込まれている治療に。

インプラントは自由診療で、歯科医院によって使っているインプラント体や治療費や保証期間などが違います。治療後はインプラントを長持ちさせるためにメンテナンスが必要になりますので、トータルでより良い治療を受けるためにも、セカンドオピニオンを求めて他の医師の治療方針を確かめてみられることをおすすめします。

▼セカンドオピニオンで確認すべきことについてはこちらでまとめています。

セカンドオピニオンでは何を確認したらいいの
セカンドオピニオンで確認すべきことは? インプラントのような高額な治療においては、セカンドオピニオンを求めることがかなり浸透してきています。セカンドオピニオンを求める際...

セカンドオピニオンの利点とリスク

セカンドオピニオンは、治療方法の決定に重要な役割を果たすことも多いですが、利点とリスクの両方が存在します。

セカンドオピニオンの利点

  1. より広い視点で治療方法を検討できる・・セカンドオピニオンにより、複数の医師の専門的な見解や治療方針を紹介してもらえ、患者さんの治療に対する理解を深めることができる
  2. 診断内容の確認・・複数の医師の診断を仰ぐことによって、より確実な治療法を特定することができる
  3. 治療方針への信頼と納得・・複数の医師の意見を聞くことによって治療方針に対する信頼を深め、納得を高めることができる
  4. 治療法の選択の範囲を拡げる・・治療にいくつかのオプションがある場合にそれを知ることができる場合もある

セカンドオピニオンのリスク

セカンドオピニオンは、患者さんにとって多くの利点がある半面、リスクも考慮する必要があります。

  1. 情報が増えることによる混乱・・複数の医師から複数の意見を受けることで、患者さんはどの意見を採用するべきか迷い混乱する場合がある。
  2. 時間と費用がかかる・・セカンドオピニオンを求めるための手間や時間、費用がかかる場合がある
  3. 感情的なストレス・・セカンドオピニオンを求めることで新たに不安や緊張が起こることがある
  4. 初回診察医との関係・・セカンドオピニオンを求めることで、初回の診断をした医師との関係が悪くなる場合がある(とはいえ、医師はセカンドオピニオンを患者の権利として認識している)

セカンドオピニオンを考えている方は、以上のような利点とリスクについても慎重に検討しましょう。

セカンドオピニオンとは?

セカンドオピニオンの流れ

セカンドオピニオンとは、医療で患者さんが自身で納得のいく治療を選択するために、最初に受診した歯科医院以外の歯科医師に治療について「第二の意見」を求めることです。

インプラント治療は高額な治療で外科手術を伴いますので、患者さんが疑問や不安を残したままで治療を受けるのを避けるために、最初に診断した歯科医師以外の医師の意見を求めます。

決して担当医を変えたり、治療を受ける医院を変えたりするという意味ではありません。あくまでも他の医師の意見を聞くことがセカンドオピニオンです。

セカンドオピニオンを受けることを最初に相談した歯科医師に伝えるべき?

セカンドオピニオン



インプラント治療の前にセカンドオピニオンを求めることにした場合、最初に診断を行った歯科医師にそのことを伝えた方が良いのでしょうか? そんなことを言ったら、その医師を信用していないと言っているも同然だと思われるかもしれない、と不安になられる患者さんがおられるかもしれません。

しかし、そんなご心配は無用です。セカンドオピニオンの重要性は歯科医師ならば誰でも認識していますので、患者さんが他の歯科医師にセカンドオピニオンを求めたからといって、気を悪くするようなことはありません。

今後の治療をスムーズに進めるためにも、インプラント治療でセカンドオピニオンを求めるのはごく当たり前のことです。

特にセカンドオピニオンを求めた方がよいケース

セカンドオピニオンを求めた方が良いケース
  • 最初に相談した歯科医院に歯科用CTがない
  • 最初の歯科医師が何となく話しづらい
  • 他の治療法があれば比較したい骨の量が足りないためインプラント治療を断られた
  • 持病があるのでインプラントは出来ないと言われた

以上のような場合は、ぜひ他の歯科医院も受診されて、セカンドオピニオンを求めることをおすすめします。

インプラントでセカンドオピニオンが大切な理由に関するQ&A

インプラント治療のセカンドオピニオンの流れはどのようなものですか?

インプラント治療のセカンドオピニオンの流れは、最初の歯科医師での診断や治療計画を受けた後、別の歯科医師に相談し、その医師の意見を聞くことです。セカンドオピニオンの医師は、患者の口腔状態を評価し、別の治療方法やアプローチを提案することがあります。

インプラント治療でのセカンドオピニオンが重要な理由は何ですか?

インプラント治療は高額で外科手術を伴うため、患者が疑問や不安を抱えたまま治療を受けるのを避けるためです。複数の歯科医師に相談することで、より専門的な意見を得ることができ、安心して治療を受けられるでしょう。

インプラント治療を考える際にセカンドオピニオンを求めると良いケースは?

セカンドオピニオンを求めると良いケースは以下のような場合です。 1. 最初の歯科医師が歯科用CTを持っていない場合 2. 最初の医師とのコミュニケーションが十分でないと感じる場合 3. 他の治療法があるか比較したい場合 4. 骨の量が不足しているためにインプラント治療が断られた場合 5. 持病があるためにインプラントが難しいと言われた場合

まとめ

インプラント治療では、患者さんがセカンドオピニオンを求めることは大変重要な事ですので、気兼ねすることなく別の歯科医師の意見を求めましょう。インプラントには外科手術を伴う高度な技術が求められます。そのため、患者さんは歯科医師から示された治療内容を理解し、納得したうえで治療を受けることが大切です。

この記事の監修者

医療法人真摯会
理事長 歯科医師 総院長
松本正洋
クローバー歯科、まつもと歯科 総院長。国立長崎大学歯学部卒業。1989年歯科医師免許取得。1998年医療法人真摯会設立。インプラントの認定多数。IDIA(International Dental Implant Association国際インプラント歯科学会)認定医。I.A.A国際審美学会理事。日本抗加齢医学会認定専門医(日本アンチエイジング学会)。

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