
インプラントは何でも良く噛めますが、歯にくっつきやすい粘着質の餅やガム、キャラメルなどを食べても大丈夫でしょうか?
目次
インプラントって何?

インプラントは歯を失った時の治療法の一つです。インプラント以外の治療法としては、ブリッジ、入れ歯があります。
歯を失った顎の骨に主にチタン製の人工歯根を埋め込み、それを土台としてセラミックなどで作られた人工の歯を取り付けます。人工歯根にチタンが使われるのは、体内に入っても異物として認識されない、身体に馴染みやすい材料だからです。
骨に人工歯根を埋め込んだ後は、チタンの周囲に新しい骨が出来て人工歯根が骨にしっかりと固定するまで数か月待つ必要があります。骨と人工歯根が結合したら、その上に上部構造と呼ばれる人工の歯を取り付けて、噛み合わせを調整したら、治療は終了です。
インプラントには歯周病が大敵ですので、その後は数か月おきに必ずメンテナンス(定期健診)を受けて頂く必要があります。
インプラント治療後は歯にくっつくものでも食べてOK
入れ歯の場合、歯にくっつくものを食べると、入れ歯が外れてしまうこともあります。もちろん、バネがしっかりと歯にかかっていて安定した状態であれば、入れ歯でもガムやキャラメル、お餅などの歯にくっつく食べ物を食べても大丈夫です。
さて、インプラントの場合は、インプラント周囲炎でインプラントがグラグラしていない限りは、歯にくっつきやすい食べ物を食べてもインプラントが外れることはありません。
インプラントでも「仮歯」の間はくっつきやすい食べ物に注意
インプラントはくっつきやすい食べ物を食べても大丈夫です。但し、まだ正式な上部構造が入っておらず、アバットメントの上に「仮歯」を接着した状態である時は、やや外れやすくなっていますので、念のため、ガムやキャラメル、餅などのくっつきやすい食べ物は控えましょう。
仮歯が外れても、歯科医院ですぐに接着出来ますが、通院の手間と仮歯が外れて噛めない不自由さを考えると、仮歯の間は、くっつきやすい食べ物を控えて頂いた方が良いと思います。
くっつきやすい食べ物でインプラントが外れてしまったらどうしたらいいの?

では、実際にインプラントが外れてしまった時は、どうしたらいいのでしょうか? 上部構造が外れた場合とインプラント自体が抜けてしまった場合に分けてご説明します。
仮歯または上部構造が外れた
取れてしまったのが仮歯でも上部構造でも、すぐに受診して取れた部分を治療しましょう。仮歯は外すことを前提として軽く接着してありますので、取れることも、まあまああります。
上部構造が外れてしまった場合は、上部構造を軽くクリーニングしてそのままインプラントに接着し直すか、または上部構造が割れていたりすると、作り直しになります。
歯ぎしりや食いしばりがあったり、噛み合わせが合っていないと、被せ物は取れやすくなります。取れた上部構造や、周囲の歯の状態を診て、これらがないか歯科医師が判断し、もし該当していれば対処が必要になります。。
インプラントが抜けてしまった
くっつきやすい食べ物によって被せ物が外れるだけで済まず、インプラントそのものが抜けてしまった場合、一番に疑われるのは「インプラント周囲炎」です。

インプラント周囲炎とは、インプラントの周囲の歯茎に歯周病が起こり、そのまま進行して歯周組織が破壊された結果、骨に埋め込んがインプラントが抜けてしまうというものです。
インプラントが抜けてしまった場合は、すぐに原因を探り、適切な治療を行わなければなりません。そのままでは噛めませんので、インプラントの再手術をするのか、入れ歯、ブリッジにするのかも考慮する必要があります。
また、周囲炎による場合は、直ちに歯周病の治療を始めなければ他の天然歯にも重大な影響が出る可能性があります。
インプラントと歯にくっつく食べ物に関するQ&A
インプラント治療後は、歯にくっつくものでも食べることができます。インプラントはしっかりと骨に固定されているため、食べ物がインプラントから外れる心配はありません。
インプラントが抜けた、割れた、欠けた場合は、まず歯科医院に受診し、原因を確認して適切な治療を受ける必要があります。インプラント周囲炎が原因である可能性もあります。
インプラントが抜けてしまった場合は、まず原因を調査し、適切な治療方法を検討します。再手術や入れ歯、ブリッジなどの選択肢が考慮されます。
まとめ
インプラントの治療中で、アバットメントの上に仮歯がついている状態の時には、歯にくっつきやすい食べ物によって仮歯が取れてしまうことがありますので、注意しましょう。
セラミックの上部構造がついた後は、ガムやキャラメル、お餅などの歯にくっつきやすい食べ物を食べても大丈夫です。