インプラント後にエアフローで定期的にメンテナンスをすると言われてもピンとこない人はおられます。インプラント治療は外傷や虫歯などの細菌感染で歯を欠損された方に向けた義歯治療ですが、きちんとメインテナンスを定期的に行わなければ、寿命が短くなってしまいます。エアフローという歯科のクリーニングの方法でどのような効果を及ぼすかについて詳しくご紹介いたします。
インプラントの基本情報と注意点
インプラントは、歯の根を人工的に再現するもので、顎骨(がっこつ)に埋め込まれるチタン製のネジのような形状です。人工歯根と顎骨がしっかりと結合すれば歯根に連結部分を付け、人工歯冠を装着します。自立した人工歯根が人工歯を支える治療法であるため、隣接歯に負担を掛けるようなことはありません。入れ歯やブリッジと比べて、安定性や審美面は優れていますが、保険適用外であるため高価で手術が必要です。また、きちんと定期的にメンテナンスを行っていなければ、インプラントの周囲で歯周病のような炎症を引き起こし、ぐらぐらと動揺したり、外れる脱落を起こすことがあります。
エアフロ―の基本的情報
エアフローの基本的な情報についてご紹介します。エアフローとは、専用の機器を使用して水と空気、細かいパウダーを噴射して吹き付けることで歯の表面をクリーニングする方法です。義歯治療をされていないお口でも使用できるクリーニングです。当院では、エアフロープロフィラキシスマスターを導入してクリーニングを行っております。
エアフローの特徴
エアフローは細かなパウダーを用いるため、インプラント周囲のプラークやバイオフィルムを除去できます。バイオフィルムは1mgあたりにおよそ1億個の細菌がいると言われるため、それを放置しておくと歯周病や肺炎など全身疾患の原因になります。エアフロ―は従来のスケーリングよりも歯肉や歯に優しく、より綺麗にすることができます。主な特徴としては直接器機が歯肉や歯に触れるわけではないため、 短時間で痛みも少なく、歯の表面に付着したプラーク(歯垢)やステイン(着色汚れ)、早期の歯石などを効果的に除去できます。
細かいパウダーは体に優しい成分
エアフロ―で吹き付ける細かいパウダー具体的に挙げると、糖アルコールのエリスリトールを主成分とした水溶性のパウダーです。糖アルコールは歯垢を分解しやすくなる作用があるため、それを歯面に吹き付けて水流をかけることで綺麗な歯になります。当院では取り扱っておりませんが炭酸水素ナトリウムを主成分としているパウダーもあり、糖アルコールや炭酸水素ナトリウム(重曹)はいずれも体に優しい成分になります。
高い清掃効果
歯周ポケットの清掃においては、スケーラーの器具では届かない深さまでアプローチ出来るのがエアフロ―です。より確実に歯周病を予防出来ます。また、頑固な着色汚れやヤニもしっかり落とすことが出来ます。
スピーディー
細かい部分まで効率的にクリーニング出来るため、スケーリングと比べて、お口を開ける時間が、短時間で済みます。
歯にやさしい
ジェット水流と微粒子のパウダーを使用するため、従来の研磨剤による「擦り落とすクリーニング」に比べて歯や人工歯を傷つけにくく、優しくクリーニングが出来ます。
歯石が着きにくくなる
クリーニング後は歯の表面がツルツルになるため、歯石や着色の再付着の予防になります。
インプラント後にはエアフロ―が効果的?
インプラント周囲の清掃でエアフローを使用すれば、デリケートな部分を傷つけることなく汚れを取り除けます。定期的にエアフロ―によるクリーニングでメンテナンスを続けると、インプラント周囲の炎症や感染を防げ、インプラントの寿命をより長く延ばせます。エアフローは短時間で処置が完了するため、患者さんにとって負担が少ない方法です。歯茎の健康を保つことができ、歯茎の炎症を防ぎ、全体的な口腔内の健康を維持することができます。
エアフローの注意点
エアフローの注意点としては使用頻度でしょう。インプラントを長持ちさせるためのおすすめする頻度(通院間隔)は、約3~6ヶ月に一度の間隔でエアフローを行いましょう。エアフローは、プロである国家資格を持った歯科衛生士による施術を受けることがとても重要です。自己流で勝手に行ってしまうと、インプラントや歯茎にダメージを与えてしまい、口腔機能が更に悪化する可能性があります。
まとめ
インプラント手術を行った後に長持ちさせるためには、適切なメンテナンスが不可欠です。エアフローは痛みが少なく、短時間でインプラント周囲を効果的に清掃する方法として非常に有効です。定期的なエアフローの使用と、日常的な口腔ケアをしっかり行うことで、インプラントの寿命を延ばし、健康な口腔環境を維持することができます。エアフローによるメンテナンスを取り入れて、インプラントを長く快適に使用しましょう。