インプラント治療前・治療後の疑問

インプラント治療は痛いという不安を解消するには?安心して受けるためのポイントを解説

インプラント治療に対する不安を克服

大阪インプラント総合クリニック 歯科医師 松本 正洋

「インプラント治療は痛いのでは?」という不安を解消するにはどうすればいい?

現在のインプラント治療は「痛みを最小限に抑える工夫」がされており、ほとんどの患者さんが思っているよりも安心して受けられる治療です。術中の痛みは麻酔でコントロールでき、術後の痛みも適切なケアで軽減できます。

この記事はこんな方に向いています

  • インプラントに興味はあるけれど「痛み」が心配な方
  • 手術のイメージに不安があり、なかなか踏み出せない方
  • 痛みの少ない治療方法を知りたい方
  • 安心してインプラント治療を受けるための準備を知りたい方

この記事を読むとわかること

  1. インプラント治療で痛みが少ない理由
  2. 麻酔や鎮静法の種類と選び方
  3. 痛みを減らすために患者さんができる準備
  4. 術後の痛み対策とアフターケアのポイント

インプラントに対する不安とは?

口元

インプラント治療を考えているものの、「本当に大丈夫かな?」と不安を感じている患者さんは多いのではないでしょうか?実際、以下のような悩みを抱えている方が多く見られます。

  1.  手術が怖い →「痛みはどのくらいあるの?」「麻酔は効くの?」といった手術への恐怖心。
  2.  治療後のトラブルが心配 →「失敗する可能性は?」「インプラントが合わなかったらどうしよう?」という不安。
  3.  費用が高い →「保険適用外だから高額になるけど、本当にその価値があるの?」という金銭的な懸念。
  4.  治療期間が長い →「何回も通院する必要があるの?」「仕事や生活に支障はない?」といった疑問。

これらの不安を抱えたままでは、決断するのが難しくなりますよね。しかし、ご安心ください。これから、不安を解消するための具体的なポイントを詳しく解説していきます。

インプラント治療の安全性・痛み・麻酔について「歯科インプラント治療のためのQ&A」(出典:厚生労働省)

関連ページ:インプラント治療が怖い方へ

不安を解消するためにはどうしたらいい?

インプラントを検討しているものの、「本当に大丈夫なのか?」と不安を感じる患者さんは多いです。不安を解消するためには、以下のような方法があります。

インプラントの不安を克服

1. 治療について正しく理解する

不安の多くは「知らないこと」から生まれます。治療について正しく理解することで、漠然とした恐怖を軽減できます。

  1. 成功率は90%以上と非常に高い
  2. 手術時の痛みは麻酔でコントロール可能で、術後の痛みも軽度
  3. 治療の流れや期間を事前に把握することで心の準備ができる
  4. 適切なケアをすれば10年以上持続可能な方法である

正しい知識を得ることで、「思ったよりも怖くないかも」と感じられるようになります。

2. 信頼できる歯科医院を選ぶ

インプラント治療は、歯科医師の技術や設備によって成功率が大きく変わります。以下のポイントをチェックして、信頼できる歯科医院を選びましょう。

  1. 経験豊富な歯科医師がいるか

     → 実績が豊富で、専門的な知識を持つ医師がいるかを確認。
  2. 最新の設備が整っているか

     → CTスキャンなどの精密診断機器があるクリニックなら、より安全に行うことが出来る。
  3. カウンセリングが丁寧か

     → 患者さんの不安や疑問にしっかり答えてくれる歯科医院は安心感が高い。
  4. 口コミや評判をチェックする

     → 実際に受けた人の感想を確認し、信頼できるか判断。

3. 事前にしっかりカウンセリングを受ける

不安を解消するには、歯科医師と十分に相談することが重要です。

  •  手術の詳細を聞く

     → 「どんな手順で進むのか」「どのくらいの時間がかかるのか」など、具体的に説明を受けると安心感が増します。
  •  リスクや副作用について知る

     → どんな治療にもリスクはありますが、事前に知っておけば冷静に対応できます。
  •  疑問や不安を遠慮せずに質問する

     → 「痛みはどのくらい?」「メンテナンスはどうするの?」など、気になることはすべて聞きましょう。

カウンセリングをしっかり受けることで、納得した上で治療を進められます。

4. 治療後のメンテナンスを知っておく

「治療後にトラブルが起きたらどうしよう…」と不安な方も多いですが、適切なケアをすればインプラントは長持ちします。

  • 毎日の歯磨きをしっかり行う → インプラントは虫歯にはなりませんが、歯垢が溜まると歯周病になりやすくなります。
  • 定期的な健診を受ける → インプラントの状態を確認するために、3〜6ヶ月に1回のペースで歯科医院に通うことが大切です。
  • 噛み合わせの調整をする → インプラントは天然歯と違い、噛み合わせの変化に対応しにくいため、調整が必要になることがあります。

正しいメンテナンスを続けることで、不安なく長く快適に使い続けることができます。

5. 無理に決断せず、自分のペースで考える

「早く決めなきゃ…」と焦る必要はありません。不安がある場合は、納得できるまでじっくり考えましょう。

まずは相談だけしてみる

セカンドオピニオンを受ける

他の方法(ブリッジ・入れ歯)と比較する

最終的に「自分にとってベストな選択」ができることが大切です。

関連ページ:リスクを減らすための取り組み

インプラント治療は本当に痛い?実際の痛みの程度とは?

インプラント治療では、手術中の痛みは局所麻酔でほとんど感じません。術後に多少の腫れや違和感が出ることはありますが、痛み止めで十分コントロールできるレベルです。多くの患者さんが「思っていたより痛くなかった」と感じています。

手術中は無痛、術後の痛みも軽度です。

インプラント手術というと「歯ぐきを切る」「骨に穴を開ける」といったイメージから強い痛みを想像される方も多いですが、実際の手術は麻酔下で行うため、痛みを感じることはほとんどありません。

局所麻酔をしっかり効かせた状態で進めるため、患者さんの多くは「圧迫感」や「振動」を感じる程度で、「痛い」と感じる場面はほぼありません。

術後も、痛み止めを服用すれば日常生活に支障をきたすことは少なく、1〜3日程度で落ち着くことがほとんどです。

痛みを感じにくい理由

  1. 局所麻酔で神経の感覚を遮断している

     → 手術中は痛みを感じず、違和感のみで済む。
  2. 外科器具の進化で侵襲が最小限

     → 最新のドリルや超音波機器で切開面が小さい。
  3. CTによる精密なシミュレーション

     → 無駄な切開を避け、治療範囲を最小限に抑える。

これらの技術的進歩によって、昔と比べて格段に「痛くないインプラント治療」が実現しています。

痛みを最小限にするための麻酔や鎮静法にはどんな種類がある?

歯科で使われる麻酔には「局所麻酔」「静脈内鎮静法」「笑気麻酔」があり、痛みや不安の程度に応じて選択できます。特に不安が強い方には、うとうと眠ったような状態で治療できる静脈内鎮静法が効果的です。

不安が強い方には静脈内鎮静法がおすすめ。

インプラント治療の痛みを和らげるうえで、麻酔と鎮静法の選択は非常に重要です。歯科医院では、患者さんの不安や全身状態に合わせて以下のような方法を使い分けます。

主な麻酔・鎮静法の種類

  1. 局所麻酔

     → 歯ぐきに麻酔を打ち、手術中の痛みを完全に遮断。ほとんどの症例で使用。
  2. 笑気麻酔

     → 鼻から笑気ガスを吸入する方法。不安感を和らげ、リラックスした状態で治療を受けられる。
  3. 静脈内鎮静法(セデーション)

     → 点滴で鎮静薬を投与し、眠っているような感覚で手術を受けられる。恐怖心が強い方や長時間の手術に適している。

患者さんの緊張や恐怖心を軽減することで、血圧や脈拍の安定にもつながり、安全性の向上にも役立ちます。歯科医師と相談しながら、自分に合った麻酔法を選ぶことが、痛みの不安を取り除く第一歩です。

インプラントの安全性と成功率

インプラントの安全性・成功率

インプラントが怖いと感じる患者さんも多いですが、実は非常に高い成功率を誇る方法です。

  • 成功率は90%以上 → 適切な技術と管理のもとで行われる場合の成功率は90%以上とされています。
  •  局所麻酔で痛みを最小限に抑えられる → 麻酔がしっかり効くため、手術中の痛みはほとんど感じません。
  • 術後の痛みも通常の抜歯程度 → 手術後の痛みは一般的な抜歯と同程度であり、痛み止めで十分コントロールできます。
  • 最新技術によりさらに安全性が向上 → CTスキャンを使った精密診断やガイドシステムの導入により、より正確で安全な手術が可能になっています。

このように、インプラントは非常に進化しており、安全性も高まっています。「思ったよりも怖くないかも」と感じた方もいるのではないでしょうか?

インプラントの成功率について、部分および全部欠損症例における10~15年の累積生存率は「上顎で約90%、下顎で約94%」「歯科インプラントのためのQ&A」(出典:厚生労働省)

インプラントのリスクと副作用

主に以下のリスクと副作用があります。

主なリスクと副作用

インプラント周囲炎

人工歯根のまわりに歯周病菌が感染し、炎症や骨が溶けてインプラントが抜ける可能性があります。口腔ケアや定期検診が必須です。

感染症・炎症

手術部位に細菌感染が生じると、腫れ・痛み・発熱・出血などの症状が出ます。滅菌対策が十分な医院を選ぶことが重要です。

神経・血管の損傷

特に下顎では、インプラントが神経に触れてしまうと麻痺やしびれなど感覚異常を引き起こすことがあります。

骨と結合しない/安定しない

顎の骨が十分でない場合や持病がある場合、インプラントが骨と結合できず脱落・再手術となる可能性があります。

見た目や噛み心地の違和感

インプラントの位置・角度のズレ、食べ物の詰まりや違和感が発生する場合もあります。

手術部の痛み・腫れ・出血・内出血

術後数日〜1週間程度、痛みや腫れを感じる場合がありますが経過とともに改善します。

破損・金属アレルギー・費用負担

強い噛みしめにより部品が破損、稀に金属アレルギーが起こること、治療費が高額になる副作用も考えられます。

これらを避けるためには、信頼できる医院で精密な診断・衛生管理を行い、自宅でのケア習慣を守ることが大切です。

関連ページ:インプラントのリスクと安全性

安心して治療を受けるための準備と心構え

では、インプラントを受けるにあたって、どのような準備をすればよいのでしょうか?

安心してインプラントを受ける
  1. 信頼できる歯科医院を選ぶ → 実績や口コミを確認し、経験豊富な歯科医師がいるクリニックを選ぶことが大切です。
  2. カウンセリングをしっかり受ける → 自分の不安や疑問をしっかり伝え、納得した上で治療を進めることが重要です。
  3. 事前にしっかり検査を受ける → CTスキャンやレントゲン検査を受けることで、治療の安全性が向上します。
  4. 術後のケアを理解しておく → 歯磨きや歯垢の除去を徹底し、定期的な健診を受けることで、インプラントを長持ちさせることができます。

このような準備をしておけば、安心して治療に臨むことができますね。

関連ページ:インプラント前のカウンセリングが必要な理由

まとめ

不安をなくして、前向きにインプラントを考えよう

インプラント治療は進化しており、「痛い手術」というイメージは過去のものになりつつあります。麻酔技術や機器の進歩、患者さん自身の準備や医院選びによって、不安を大幅に減らすことができます。恐怖心から治療を諦める必要はありません。

痛みを恐れず、信頼できる医院で相談を。

インプラント治療は、失った歯の機能と見た目を自然に取り戻すことができる治療法です。

「痛そう」「怖い」という理由で避けてしまうのはもったいないことです。

今では、痛みを最小限に抑えた治療技術と安心のサポート体制が整っており、患者さんがリラックスして治療を受けられる環境が整っています。

もし少しでも不安がある場合は、信頼できる歯科医院でカウンセリングを受け、不安をひとつずつ解消していくことから始めましょう。

  • インプラント手術中の痛みは麻酔でコントロール可能
  • 術後の痛みや腫れは数日で落ち着く
  • 鎮静法でリラックスして治療を受けられる
  • 睡眠・食事・禁煙などの準備が痛み軽減に役立つ
  • 信頼できる歯科医院を選ぶことで不安を大幅に軽減できる



インプラント治療は、技術の進歩と丁寧な対応によって「痛みの少ない治療」が可能になっています。不安を解消し、前向きな気持ちで治療に臨むことで、より快適な毎日を取り戻すことができるでしょう。

この記事の監修者

医療法人真摯会
理事長 歯科医師 総院長
松本正洋
クローバー歯科、まつもと歯科 総院長。国立長崎大学歯学部卒業。1989年歯科医師免許取得。1998年医療法人真摯会設立。インプラントの認定多数。IDIA(International Dental Implant Association国際インプラント歯科学会)認定医。I.A.A国際審美学会理事。日本抗加齢医学会認定専門医(日本アンチエイジング学会)。

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