インプラント

ブリッジ、入れ歯、インプラント、それぞれの特徴

ブリッジ、入れ歯、インプラントの違い

大阪インプラント総合クリニック 歯科医師 松本 正洋

特にご質問の多い、「入れ歯、ブリッジ、インプラントの治療の違い」についてご説明します。

入れ歯、ブリッジ、インプラントの治療の特徴

ブリッジ入れ歯インプラント

歯を失った時の治療法は入れ歯、ブリッジ、インプラントの3種類です。それぞれ全く違う治療法で特徴があり、メリットとデメリットがあります。

ブリッジによる治療

ブリッジの構造

失った歯の両側の歯を削り、ブリッジをかぶせます。健康な2本の歯を削らなければならないのが、最大のデメリットといえるでしょう。

ブリッジを支えている両端の歯には、食事の度に負担がかかります。そのことが将来的に、両端の歯を失う減となる場合も多くあります。また、歯を失った部分の骨が痩せていくこともあり、発音に支障をきたす場合もあります。

ブリッジの特徴

1. 両隣の歯を利用して固定する

ブリッジは、失った歯の両隣の健康な歯を削って土台とし、その上に人工の歯(ブリッジ)を固定する治療法です。周囲の歯を利用することで、失った歯の機能を補います。

2. 固定式で安定性がある

ブリッジは固定式で取り外す必要がないため、使用中にずれる心配がありません。そのため、食事や会話が快適に行えます。

3. 短期間で治療が完了

ブリッジの治療は比較的短期間で完了します。通常、数回の通院でブリッジを装着することが出来ます。

4. 健康な歯に負担がかかる

ブリッジを装着する際には、両隣の健康な歯を削る必要があります。このため、将来的にその2本の歯にダメージを与える可能性があります。また、ブリッジの下に隠れた部分が清掃しにくいため、歯周病のリスクが高まることもあります。

入れ歯(義歯)による治療

入れ歯の構造

部分入れ歯の場合は、健康な歯に金属のバネをひっかけて装着します。総入れ歯の場合は、歯ぐきや口蓋全体に被せる形で使用します。金属のバネは外から見えるため、見た目が良くありませんし、バネをひっかけている歯にも負担がかかります。

部分入れ歯の特徴

1. 取り外しが可能

入れ歯は、取り外しが可能で、部分入れ歯と総入れ歯の二種類があります。部分入れ歯は失った歯だけを補うのに対し、総入れ歯は全ての歯を失った場合に使用されます。

2. 短期間で製作可能

入れ歯は比較的短期間で製作でき、手術を必要としないため、簡単に装着することができます。また、費用も他の治療法に比べて比較的低く抑えられます。※使用する材料によっては自費診療の入れ歯になります。

3. 簡単に洗浄出来る

入れ歯は取り外して洗えるため、口腔内の衛生状態を保ちやすいというメリットがあります。毎日のお手入れがしやすい点が特徴です。

4. 安定性に欠けることがある

入れ歯は固定されていないため、食事や会話中にずれることがあり、不快感を感じることがあります。また、骨の吸収により長期間使用しているとフィット感が悪くなることもあります。

5. 自然な感覚が得にくい

入れ歯は天然の歯とは異なるため、最初は違和感を感じることが多く、慣れるまでに時間がかかる場合があります。天然歯と比べてあまり噛む力が出ないため、硬い食べ物を噛むのが難しいと感じることがあります。

インプラントによる治療

インプラントの構造

チタン製の人工歯根(インプラント体)を顎の骨に埋め込みます。チタンは骨としっかりと結合するため、硬いものでも噛むことができます。他の歯によって支える必要がないため、他の歯を傷つけたり負担をかけるようなことがありません。

発音がしにくくなることもなく、顎の骨が痩せるのも防ぐことができます。歯磨きによるお手入れと歯科医院でのメンテナンスで、長持ちさせることができます。

インプラントの特徴

1. 骨に直接埋め込むため固定力が強い

インプラントは、顎の骨にチタン製の人工歯根(インプラント)を埋め込み、その上に人工の歯を装着する治療法です。骨とインプラントが結合することで、高い固定力が得られ、噛む力がしっかり伝わります。

2. 隣の歯に負担をかけない

インプラントは顎骨に固定されて独立しているため、隣の健康な歯を削る必要がありません。これにより、他の歯に負担をかけることなく、失った歯を補うことができます。

3. 自然な見た目と機能

インプラントは見た目が自然で、天然の歯と見分けがつきにくいことが多いです。食事や会話も自然に行えます。

4. 長期間にわたる安定性

メンテナンスを行うことで、インプラントは長期間にわたって使用することが可能です。また、インプラントは骨の維持にも役立ち、骨吸収を防ぐ効果も期待できます。

5. 高額な費用と手術が必要

インプラント治療は自費診療であり、手術を伴うため、費用が高額になることが一般的です。また、手術後には一定の回復期間が必要であり、すべての患者が適用できるわけではありません。健康状態や骨の量によっては、治療が難しい場合もあります。

これらの特徴を踏まえ、患者さんのニーズや状況に応じて、最適な治療法を選択することが大切です。それぞれの方法にはメリットとデメリットがあるため、担当医と十分に相談して選択しましょう。

入れ歯、ブリッジは残っている歯を痛める場合があります

インプラント治療は、失った歯の代わりの義歯を根っこから人工的に作る治療方法です。歯が抜けたあとの顎の骨にチタン製のインプラント体を埋め込み、歯の根っこの代わりにします。その上に被せ物を取り付けることで歯を再建します。

歯を失ったことで噛めなくなってしまった食べ物が以前と同じように食べられるようになることで、食事が美味しく楽しくなり、精神的にも表情が明るくなったり積極的になったりと、良い影響があります。

インプラント治療が確立される前は、歯を失った患者さんには入れ歯やブリッジで対応していました。当院を受診される患者さんも、入れ歯やブリッジをインプラントにしたいとおっしゃるかたが大勢おられます。

入れ歯、ブリッジの特徴を以下にまとめてみましょう。

ブリッジは固定式ですので、治療後は違和感がなく普段は全く気にならないと思います。治療のために両隣の歯を削る必要があることが一番の欠点で、土台になる2本の歯の負担が大きく、十数年後には両隣の歯を痛めてしまう可能性があります。保険がきくため治療費の負担は少ないものの、前歯の場合は審美性を考えて自費診療のセラミックにしなければならないかもしれません。

入れ歯は取り外し式で、ブリッジでは治療できないような多数にわたる欠損にも対応できます。噛む力がかなり弱くなってしまうため、硬いものが食べられない、はめると違和感を感じる、安定しない等の悩みを訴える患者さんもおられます。食後に取り外して隅々まで洗うことで清潔な状態で使用できます。バネ式の入れ歯の場合は、隣の歯にひっかけることで安定させるためバネをひっかける歯には負担がかかり、歯を痛める原因になります。

ブリッジ、入れ歯、インプラントの違いに関するQ&A

ブリッジ、入れ歯、インプラントの違いは何ですか?

ブリッジは健康な歯を2本削って連結された被せ物を被せる治療法です。入れ歯は取り外し可能な義歯で周囲の歯にバネをかけて支えます。インプラントはチタン製の人工歯根を骨に埋め込み、失った歯の機能を補う治療法です。

ブリッジによる治療の特徴は何ですか?

ブリッジは失った歯の両側の健康な歯を削る必要があります。また、両端の歯に負担がかかり、将来的に両端の歯を失うリスクがあります。違和感がなく、保険診療で安価に治療出来るメリットがあります。

インプラントによる治療の特徴は何ですか?

インプラントはチタン製の人工歯根を顎の骨に埋め込み、他の歯に支えられずに自立して噛む力を回復します。また、発音の問題や顎の骨の痩せによる変化を防ぐこともできます。

まとめ

これらの特徴を比較して、実際に治療をどうするかを歯科医師と患者さんが話し合いながら決めていくことになります。歯科医院で相談された後に、お家に帰られてゆっくりと考えてお決めください。歯科医師は決してせかすようなことはしませんので、ご安心下さいね。

 

この記事の監修者

医療法人真摯会
理事長 歯科医師 総院長
松本正洋
クローバー歯科、まつもと歯科 総院長。国立長崎大学歯学部卒業。1989年歯科医師免許取得。1998年医療法人真摯会設立。インプラントの認定多数。IDIA(International Dental Implant Association国際インプラント歯科学会)認定医。I.A.A国際審美学会理事。日本抗加齢医学会認定専門医(日本アンチエイジング学会)。

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