インプラント

インプラントは天然歯のようによく噛めますか?

インプラントは天然歯のようによく噛めます

大阪インプラント総合クリニック 歯科医師 松本 正洋

「インプラントは天然の歯と同じくらいよく噛めるって本当?」

「インプラントにすれば噛めるようになりますか?」

最近テレビ等で話題になっているインプラントは良く噛めるのが特徴といわれますが、本当に噛めるのでしょうか?

そもそもインプラントという言葉は、「埋め込む」という意味になります。顎の骨にチタン製の人工歯根を埋め込んで、骨に固定させて歯根の代わりにするというのが「インプラント=良く噛める」ということの理由です。

インプラントは天然の歯のようによく噛めますか

インプラントが開発される以前の歯科治療では、歯が抜けてしまったときの治療は、入れ歯かブリッジでした。どちらの治療も歯の部分は回復出来るのですが、歯の土台となる歯根はない状態です。

ではどうやって人工の歯を固定するのかというと、入れ歯は両隣の歯にバネを引っ掛けます。そしてブリッジは両隣の歯で人工の歯を繋いで支えるという仕組みです。共に隣に歯に大きな負担をかけることになり、歯を傷めて歯自体の寿命を短くしてしまいます。

インプラント以外の治療法は?

インプラントは、顎の骨に人工の歯根を埋め込み、骨としっかり結合させて自立した人工の歯を作るという、これまでにない画期的な治療法として登場しました。

ブリッジ、入れ歯の場合、噛む力は天然の歯の半分くらいといわれていますが、インプラントは骨に固定されているために、治療後は天然の歯のようにしっかりと力を入れて噛めます。この点が、インプラントとブリッジや入れ歯との大きな違いです。

インプラント模型

特に入れ歯の場合は、装着した時に違和感や異物感を感じる方が多く、噛み難いということは代表的なデメリットの一つです。ぴったりとお口にフィットして特に問題なく使えている方もおられるのですが、全体的に違和感と噛み難さに問題を抱えておられる方が多いです。

ブリッジの場合は、治療後は両隣りの歯でしっかり支えられているために違和感はありません。しかし義歯の部分はやはり歯茎に固定されていない為に、浮いた形になります。そのためブリッジでは噛む力は出にくいようです。何でも噛めて食事が快適に出来るという点では、インプラントが優れているといえます。

噛む力の強さ

  • ブリッジや入れ歯はあまり噛む力が出ない
  • インプラントは天然歯と同じくらいしっかり噛める

インプラントはシンプルで理にかなった治療

インプラントの構造

入れ歯やブリッジと比較して、インプラントの構造はとてもシンプルです。歯が抜けてしまった部分の骨に、チタン製の人工歯根を埋め込み、その上に人工の歯を取り付けるというものです。

昔は、顎の骨に人工歯根を埋め込むという技術がなかったために、歯が抜けたあとはその両隣の歯を使って義歯を支えるという考え方でしたが、インプラントの場合は人工歯根によって自立しているために、両隣の歯に支えてもらう必要がありません。そのため、両隣の歯は触らずに、失った1本の部分のみの治療となります。

上部構造(人工歯の被せ物)はセラミックで作成しますので、両隣の天然の歯と同じ自然な色で作成できます。見た目は、セラミックのかぶせ物や、差し歯と同じ感じで、とても美しく仕上がりますので、治療後はインプラントをしているとは全くわかりません。

このように、インプラントはとても自然で、理にかなった治療です。外科手術が必要になりますが、人工歯根を1本埋入するための身体の負担は、健康な歯を1本抜歯するのと同じ程度ですので、怖がらなくても大丈夫です。

※ブリッジと入れ歯は保険診療が可能です。自費診療の入れ歯もあります。インプラントは自費診療のみとなります。

インプラントのもう一つの大きなメリット

インプラントは、失った歯の代わりに人工歯根による歯を作る治療法ですので、治療を希望される方は、歯のない部分にきれいな歯が入るというイメージをおもちだと思います。

もちろん失った歯の代わりに、第二の永久歯とも呼ばれる程きれいで良く噛める歯が入るというのは、インプラントの大きなメリットです。しかしそれ以外にも、他の残っている歯を傷めずに保護したり、顎骨が吸収されずに済むというメリットがあります。

歯を失うと、噛み合わせが悪くなります。インプラント治療によって噛み合わせが回復すると、それは口の中のみならず、全身の健康に繋がります。実際に、歯が悪いせいで肩こりが起こったり、骨格が歪んだりするのです。歯を治療するとこれらのお悩みが治った、というお話をよく耳にします。

インプラントの噛む力に関するQ&A

インプラントは本当によく噛めるのでしょうか?

はい、インプラントは骨に固定されているため、治療後は天然の歯のようにしっかりと力を入れて噛めます。

インプラントと他の治療法(入れ歯やブリッジ)との間に噛む力の違いはありますか?

インプラントは顎の骨に人工の歯根を埋め込み、骨としっかり結合させて自立した人工の歯を作る治療法です。入れ歯やブリッジの場合、噛む力は天然の歯の半分くらいですが、インプラントは天然の歯と同等の噛む力が得られます。

インプラント治療後のケアは何が必要ですか?

インプラント治療後は、大切な歯を失わないために、インプラント周囲炎にならないように予防することが必要です。それには、日頃から歯みがき等のケアを自身で行い、数か月に一度は予防のために歯医者でメンテナンス(定期健診)を受けることがおすすめです。

まとめ

食事中の女性

インプラントはあごの骨に人工歯根を埋め込むため、しっかりと骨に肯定されて良く噛めるようになります。しかし保険がきかない自由診療ですので、保険治療と比べるとどうしても高額な治療になります。安心して治療を受けて頂く為に、保証期間を設けている歯科医院が殆どだと思います。

当院でももちろん保証制度を設けています。インプラント治療をお受けになる前に、保証についてもしっかりと確認しておきましょう。

そしてインプラント治療後は、大切な歯を失わない為に、インプラント周囲炎にならないように予防することが必要です。そのため予防を中心とした歯科医療を継続的に受けていただきたいと思います。

歯が悪くなってから歯科に駆け込むのではなく、日頃から歯みがき等のケアをご自身の手で行うこと、そして数か月に一度、予防のために歯医者でメンテナンス(定期健診)を受けることをおすすめします。

この記事の監修者

医療法人真摯会
理事長 歯科医師 総院長
松本正洋
クローバー歯科、まつもと歯科 総院長。国立長崎大学歯学部卒業。1989年歯科医師免許取得。1998年医療法人真摯会設立。インプラントの認定多数。IDIA(International Dental Implant Association国際インプラント歯科学会)認定医。I.A.A国際審美学会理事。日本抗加齢医学会認定専門医(日本アンチエイジング学会)。

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