動画による解説

【動画】インプラントとは?メリットやデメリットについても解説

インプラントは虫歯や歯周病などで歯を失ってしまった時の治療方法の一つです。歯のない所の顎骨にチタン製の人工歯根を埋め込んでその上にかぶせ物を取り付け、歯の咬み合わせを回復させます。チタンの人工歯根は三か月から半年程度で骨と結合する性質を持っており、しっかりと固定されて審美的にも美しい人工の歯を手に入れることが出来ます。

インプラントをご存じない方もおられると思いますので、インプラントの治療方法など詳しくご説明いたしますね。

インプラントは第二の永久歯

インプラントとは「歯がないところの顎の骨に埋め込む人工の歯」のことを言います。失った歯の代わりにこれから働いてくれる「第二の永久歯」ともいえます。

その構造は骨の中に埋め込むインプラントの部分をインプラント体と言います。本体にアバットメントと呼ばれる土台を連結して、その上に上部構造(かぶせ物)をかぶせる、というな3つにわかれた構造になります。

インプラントの材質は、チタンという金属でできています。チタンは、骨とそのままストレートに結合します。例えばチタンの代わりに鉄を埋めたとします。鉄は人間の体で異物として反応されるので、排除され、チタンのように骨と結合することはありませんが、チタンは人間の身体が異物としては認識しない為、そのまま体内に残り、やがて骨とくっつきます。

インプラントの歴史については、1965年にスウェーデンのブローネマルクという整形外科の先生が、初めて認可にあったのが世界で最初です。この方は、インプラントには骨と結合する性質があるということを、実験中に偶然発見しました。

世界で初めてインプラントを受けた方が、少し前に亡くなりましたが、インプラントを一番長持ちさせている世界記録は40数年になっています。私は平成元年からインプラントをやっているので、最初にインプラントをした人は、29年経ってますがまだ保てています。

インプラントってどんな治療?

では、歯がない状態だと定して、どうやってインプラントで治療するかをご説明します。

最初は局所麻酔をして歯茎を切って剥がします。剥がさない方法もありますが、基本は剥がして骨を露出させて、そこにドリルで穴をあけます。骨にインプラントを埋め込んで、蓋をして、大体2~3ヶ月インプラントと骨が結合するのを待ちます。

骨とインプラントがしっかりと結合したことを確認したら、今度は二次オペを行います。二次オペは二次手術と呼ばれ、少し穴を開けてインプラントの頭を出します。そこにアバットメント(土台)をつけてその上から上部構造(かぶせ物)をかぶせます。

とても簡単なご説明になりますが、インプラントはこのような感じの手術になります。

インプラント治療のメリットについて

インプラントは素晴らしい治療法ですが、手術にはすべて利点・欠点(メリット・デメリット)があります。まず、メリットからご説明しましょう。

メリット1.ブリッジのように両隣の歯を削る必要がない

もし、下の絵のような治療をブリッジでするならば、その両隣の歯とエナメル質がなくなる位削らなければなりません。

でも、インプラントは隣の歯を全く削らずに治療出来ます。削らなくていいという単純なこの利点が、すごく大きいです。インプラントは隣の歯を削らないので歯にやさしい治療といえますし、咬む力が非常に強いです。インプラントは天然の歯より噛む力が強いのです。

インプラントがしっかりと噛む仕事をしてくれますので、残りの天然の歯の負担を減らし、天然の歯を守るということに繋がります。もしこれがブリッジでしたら、噛むときは両サイド2本の歯に力の負担が結構かかるのですが、インプラントは自分自身で強く咬む事ができますから、この両サイドの歯に負担をかけることがありません。素晴らしい効果です。

メリット2.1本歯を失うと更に歯を失うことに繋がる

歯を失ってしまう事を欠損と呼びます。1か所欠損が起きると、欠損が欠損を呼びます。大体、10年以上前のインプラント学会に行くとこんなことを言われていました。「インプラントは何の為にする」と訊くと、「インプラントは咬むため、ごはんを食べるためにする」と。

今、同じ質問をすれば、こんな風に言われます。「欠損が欠損を呼ぶその流れを食い止めること」、そして「残りの天然の歯を守る為にインプラントをする」という意義に変わりました。

インプラントは治療後は全く違和感がないので自分の歯が生えたような感覚になりますし、インプラントがある事で噛む力が顎の骨にしっかり伝わるため、顎の骨が痩せにくくなります。

インプラントは審美的な見た目もいいです。インプラントのメリットは、歯がないところに人工の歯を作り、自分の歯みたいに感じられるし、また、咬む力が強いので硬いものを咬めて、残りの歯も守ってくれます。

1965年から始まったインプラントは、今、世界中で普及しています。

インプラント治療のデメリットについて

ただ、インプラントには欠点もあります。

デメリット1.外科手術が必要

インプラントの手術による体の負担がどんなものかというと、一般的に歯を抜くのと同じ位です。全然負担がないわけでないですが、歯を1本抜くのが大変負担かと言われたらそこまでではありません。負担を減らすやり方もありますが、一般的にはその位の負担があるとお考え下さい。

デメリット2.心臓病や糖尿病などの持病のある方はできない場合がある

心臓病の方の場合、私どもには麻酔科の先生いますので、ほとんど安全にインプラント手術ができますが、糖尿病の方はなかなかできないですね。

糖尿病の方は、血流が悪くて感染に弱いです。インプラントを埋め込んだ際、骨が結合しにくいし、かぶせ物をかぶせたあとで歯周病になりやすいので、糖尿病の方には値のコントロールをお願いしています。糖尿病の方はヘモグロビンa1Cをご存知と思いますが、その値が下がるまではインプラントの成功率が下がりますので、あまりインプラントの手術は行いません。

ヘモグロビンがどの位に安定すればいいんですか?とご質問をいただくことがありますが、値が6以下が理想的です。ただ、6.5や6.8でインプラント手術を行うときはありますが、7を超えたら失敗する可能性が高くなるのでできないです。

ちなみに糖尿病は、全ての病気の根源と言われてます。皆様、糖尿病の合併症ってご存知でしょうか?目が見えなくなったり、足の指の先が腐ったりというものです。

糖尿病の合併症の第6番目はご存じないかもしれませんが、糖尿病学会で聞くところによると歯周病だそうです。つまり、糖尿病の方は歯周病にもなりやすい。また、逆もいわれまして、重症の歯周病が糖尿病を起こすという事もいわれました。

デメリット3.保険がききませんので費用がかかる

ただ前歯のブリッジはセラミックでかぶせる自費治療になりますので、それと比べたら治療費はあまり変わらないかもしれません。

デメリット4.治療期間が長い

どれだけ早くてもインプラントと骨が結合するには2~3ヶ月はかかります。ただ、確かに期間はかかりますが、治療回数が少ないので、歯医者に何回も通うということではないです。

デメリット5.歯周病になるリスクは天然歯と同じ

インプラントの周囲が歯周病になることを、インプラント周囲炎といいます。インプラントが歯周病になる可能性は天然の歯と同じです。歯周病は、歯やインプラントそのものの病気ではないです。歯やインプラントの周囲の、歯茎や骨が歯周病菌によって病気を起こすのが歯周病ですから、インプラントの周囲の歯茎も当然歯周病になります。

せっかくインプラントしても、歯周病になってしまっては困りますよね。そのため歯周病にならないように、患者さんにはメンテナンスに必ず通って歯周病予防をして頂くようにお願いしています。

インプラント治療をするべきかどうか

インプラントのメリット・デメリット、入れ歯やブリッジのメリット・デメリットをご説明しました。では、どんな治療を選択するのか。それは、今申し上げたことをご自身の天秤にかけるしかないです。

例えば手術が絶対嫌な方の天秤で、インプラントができる訳がありません。歯を絶対削りたくないという方の天秤で、ブリッジが出来る訳がありません。我々歯科医師としては治療法のアドバイスはできますが、最終決断はご自身でしていただくという事になります。

私どものクリニックは、歯周病予防に力を入れていますので、歯周病に最も強いといわれているインプラントを使っています。インプラントの種類がはたくさんあります。硬さだけが強いとか色々特性を持つインプラントがありますけど、ネジ山へのピッチが小さいと、歯周病になりにくいということがありますので、私どもは硬くて歯周病に最も強いインプラントを使用しています。