オールオン4

オールオン4後に口臭が起きるケース

オールオン4の治療後に口臭が起きるケース

オールオン4を使用しているうちに、口臭が気になるというお悩みを訴えられるケースがあります。オールオン4は、歯を失った方にとって画期的なインプラント治療法ですが、オールオン4後に口臭が起きる原因とその対策について詳しく説明します。

オールオン4の基本的な知識

通常のインプラント治療は、1つのインプラントに対して人工歯1本です。そのため、複数の歯を欠損された方には心身ともに負担がかかる治療でした。オールオン4とは、4本のインプラントを顎骨(がっこつ)に埋入し、そのインプラントで上顎または下顎全ての義歯を支える治療法で負担は減らすことができます。

オールオン4の特徴

  • 4本のインプラントで10本以上の義歯を支えることができる
  • 義歯やブリッジと比べて安定性が高いため、しっかり噛めて見た目も自然である
  • 症例が豊富で設備も整った歯科医院で治療を受けると一日で全ての歯を入れられる

オールオン4のメリット・デメリットを簡単に

機能性や審美性が高く、短期間で固定式の歯を手に入れられるという大きなメリットがあります。保険適用外の自由診療に該当するので費用がかかり、ケアを怠るとトラブルが生じるデメリットがあります。

オールオン4で口臭が起きる原因

オールオン4の治療後に口臭が発生するということは、口内環境が悪化している状態と考えられます。口内環境が悪化している主な原因は以下の通りです。

  • 食べ物の残りやプラークなど磨き残しがある
  • 口腔内が乾燥している
  • 舌苔(ぜったい)がある
  • インプラント周囲炎になった
  • 歯周病になりかけている
  • インプラントの一部が緩んでしまった
  • 全身疾患にかかっている

食べ物の残りやプラークなど磨き残しがある

食後の歯磨きが出来なかったり不十分であると、食べかすが歯間に詰まります。食べかすが除去できなければ時間とともに腐敗臭が発生します。また、お口の中の細菌が食べ物の糖分を取り込み、更に繁殖して歯垢や歯石を作り出します。

天然歯がある場合虫歯になっている

天然歯が残っている場合は、虫歯の進行が考えられます。神経まで虫歯が進行していると、膿が発生し、口臭が強くなることがあります。

口腔内が乾燥している

口腔内の乾燥はすなわち唾液量の減少を指します。唾液は細菌の繁殖を抑える作用があるため、唾液が減少すると口臭が強くなる傾向にあります。年齢を重ねるにつれ唾液の分泌量は減ってしまいますので注意が必要です。

舌苔がある

舌苔という舌の表面に溜まる汚れには細菌も含まれています。皮膚に垢が溜まるのと同じような状態が舌苔です。

インプラント周囲炎になった

インプラントの周囲の歯肉が細菌感染をすると、歯周病のような状態になります。口臭だけではなく、インプラントがぐらぐら(動揺)したり、重症化するとインプラントの脱落を招くリスクがあります。

歯周病になりかけている

20代後半からも歯周病にかかる率は30%を超えており、歯茎の腫れや出血が見られます。40代後半になると、虫歯(う蝕)よりも歯周病で歯を失うことが多いです。重度になると膿が出てしまい、口臭と気にされる方もおられます。

インプラントの一部が緩んでしまった

顎骨とインプラント(人工歯根)は結合まで時間をおいて確認するため、緩むということは考えにくいです。ただし、人工歯とインプラントを連結させるアバットメントは、スクリューのようなタイプが多く、インプラントの年数が経つと稀に緩むことがあります。連結部分が緩むと、食べかすや唾液が隙間に入り込み、口臭を引き起こす可能性があります。

全身疾患にかかっている

糖尿病や肝硬変などの全身疾患には、その症状として口臭が出る場合があります。

口臭対策の方法

オールオン4後に口臭を予防するためには、下記の対策が効果的です。

正しいブラッシング方法を実践する

毎食後にブラッシングを行い、歯茎と義歯の境目を痛めないよう柔らかいブラシを使い、優しく時間をかけて磨きましょう。強い力で磨いてしまうと上部構造に傷がつき、傷の部分に細菌が繁殖してしまう可能性があるからです。研磨剤やフッ素が配合されていない歯磨き剤を使用し、就寝前には、歯間ブラシやデンタルフロス、タフトブラシなども活用して歯の細部にまで気を配ったオーラルケアを心掛けましょう。

舌苔を除去する

舌苔は舌専用の舌ブラシを使用して一日一回という回数を守りましょう。舌ブラシを使用した後は必ずぶくぶくうがいとガラガラうがいをして汚れを外へ出しましょう。

定期的に歯科検診を受診する

オールオン4を長く快適に使用するために定期的に歯科医院を訪れ、プロフェッショナルなクリーニングを受けましょう。定期メインテナンスの際に、インプラントの状態を含めた口腔環境をチェックしてもらうことは大切です。患者さん自身では除去できない歯石などを歯科医院で綺麗に除去してインプラント周囲炎や歯周病の予防となります。口腔環境を定期的に確認していると早期発見の際に対処ができ、口臭の発生を防ぐことができます。

口腔内の乾燥を予防する

口腔内の保湿のために顎のところ唾液腺マッサージを行ってみましょう。耳下腺(じかせん)、顎下腺(がっかせん)、舌下腺(ぜっかせん)など三ヶ所に唾液腺があるため、その部分を指でほぐしてあげるとお口の水分がうるおいます。また、こまめに水分補給を行うのもお口の乾燥予防には効果的です。

インプラントの一部が緩んでしまった

アバットメントが緩んでいるとインプラントの歯がぐらつくという自覚症状があります。インプラントが不安定だと感じたら、定期検診の際に歯科医師やスタッフへ相談しましょう。

全身疾患にかかっている

全身疾患にかかっている場合は、専門の病院へ通院し、口臭など自覚症状を伝えましょう。きちんと治療を続けると、口臭が消える場合があります。

まとめ



オールオン4を使用している方にとって、口臭は大きな悩みの一つです。しかし、適切なケアとメンテナンスを行うことで、そのリスクを大幅に減らすことができます。食べ物の残りやプラークの除去、定期的な歯科検診、そして日常的な口腔ケアを欠かさずに行うことで、健康で快適な生活を維持しましょう。オールオン4を最大限に活用し、美しい笑顔と自信を取り戻してください。

この記事の監修者

医療法人真摯会
理事長 歯科医師 総院長
松本正洋
クローバー歯科、まつもと歯科 総院長。国立長崎大学歯学部卒業。1989年歯科医師免許取得。1998年医療法人真摯会設立。インプラントの認定多数。IDIA(International Dental Implant Association国際インプラント歯科学会)認定医。I.A.A国際審美学会理事。日本抗加齢医学会認定専門医(日本アンチエイジング学会)。

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