インプラント手術は痛い?腫れる?
手術中の痛みはほとんどありませんが、術後には腫れや軽い痛みを感じることがあります。適切なケアと医師の指示を守れば、数日で落ち着くケースがほとんどです。
この記事はこんな方に向いています
- インプラント手術を控えており、痛みや腫れが心配な方
- 手術後の経過や対処法を具体的に知りたい方
- 痛みを最小限に抑えるためのコツを知りたい方
この記事を読むとわかること
- 手術中・術後の痛みや腫れの原因と期間
- 痛みを和らげるための具体的な対処法
- 腫れを早く引かせるための生活上の注意点
- 異常な痛みや腫れがある場合の見極め方
目次
インプラント手術は本当に痛いの?
インプラント手術中は局所麻酔が効いているため、手術中に痛みを感じることはほとんどありません。歯を抜くときと同程度、もしくはそれ以下の刺激です。術後に麻酔が切れてから痛みを感じることがありますが、多くは数日で治まり、痛み止めで十分にコントロール可能です。
手術中は痛みなし、術後の痛みも軽度です。
痛みのピークと回復のスケジュール
- 術後0〜2日目 → 麻酔が切れてズキズキ。痛み・腫れのピーク
- 3〜5日目 → 痛みや腫れが徐々に和らぐ
- 7日目 → 抜糸を行うことが多く、違和感が軽減
- 10〜14日目 → ほとんどの方が通常通りに回復
手術の規模や処置内容(増骨など)により差がありますが、抜歯と同程度の痛みを想定しておけばOKです。
インプラントの手術中は麻酔をしますので痛みは感じません。しかし、手術が終わってご自宅に戻られ、麻酔が切れた後、ズキズキと痛みが起こるのではないかと不安に思われるかもしれません。
手術後の痛みの強さは、一般的には抜歯後の痛みと同程度です。痛みの感じ方には個人差がありますので、痛いと感じる方もおられれば、疼く程度と感じる方もおられます。また、インプラントの埋入本数が多い場合や増骨の処置をした場合は手術後に痛みや腫れや皮下出血が起こりやすいです。
手術後は痛みや腫れを抑えるための鎮痛剤や抗生物質が処方されます。痛みは鎮痛剤で抑えることが出来ますし、お薬を飲んでインプラントを埋入した部分を安静にしていただければ、腫れも早い方で2~3日程度、長くても1~2週間ほどでおさまります。
腫れや皮下出血のピークは術後2~3日後の方が多く、徐々に治っていきます。術後1~2週間程度で腫れがひいて元通りになるでしょう。
痛みのピーク
一般的に、インプラント手術後の痛みは術後24〜48時間でピークを迎えます。痛みの程度は、手術の規模や患者さんの体質によって異なりますが、多くの場合、軽度から中等度の痛みがみられます。鎮痛剤を服用することで十分にコントロールできることが多いです。
痛みが和らぐ時期
手術後3日目以降からは、徐々に痛みが軽減していくのが一般的です。5〜7日後には痛みがほとんど感じなくなるケースが多いですが、もしそれ以上痛みが続く場合や、痛みが強くなる場合は、歯科医に相談することが重要です。
インプラント手術後に腫れるのはなぜ?
手術後の腫れは、体が傷の修復を行うための自然な反応です。特に骨を削る手術のため、炎症によって頬や歯ぐきが一時的に膨らむことがあります。ただし、腫れは通常2〜3日でピークを迎え、1週間ほどで落ち着きます。
腫れは手術による歯茎の自然な反応であり、数日で治まります。
腫れが起きる主な原因
- 手術時の骨や歯ぐきへの刺激
- 血行やリンパの一時的な滞り
- 体の防御反応(炎症)
これらは体が「修復モード」に入っている証拠です。
腫れのピークとおさまる期間
| 経過日数 | 状態の目安 |
|---|---|
| 手術当日〜翌日 | わずかに腫れ始める |
| 2〜3日目 | 腫れのピーク。頬がふくらむことも |
| 4〜7日目 | 徐々に腫れが引いてくる |
| 1週間以降 | ほとんど目立たなくなる |
腫れが強く出やすいケース
- 顎の骨を増やす処置をした場合
- インプラントを複数本埋入した場合
- 術後すぐにうつ伏せで寝たり、入浴で血流を上げた場合
腫れは「異常」ではなく「回復過程の一部」です。むしろ体がしっかり反応している証と考えられます。ただし、1週間を過ぎても強い腫れや熱感がある場合は感染の可能性があるため、歯科医院への連絡が必要です。
術後の痛みや腫れを抑えるための対処法
冷やす、安静にする、指示通りに薬を飲む。この3つが基本です。とくに術後48時間は炎症を広げないことが重要で、自己判断での温めや強い運動は避けましょう。
冷却・安静・服薬が早い回復の鍵です。
痛みや腫れを抑えるコツ
- 患部を冷やす(術後48時間以内)
→ 保冷剤や冷たいタオルで頬の外側を10分ほど冷やす→5分休むを繰り返します。 - 安静にする
→ 激しい運動や長風呂、飲酒は血流を促し腫れを悪化させます。 - 薬を指示通りに服用
→ 抗生物質・痛み止めは必ず決められた時間で服用することが大切です。
避けるべき行動
- 傷口を舌や指で触る
- 熱い食べ物・飲み物を摂取する
- 喫煙(血流悪化と感染リスク上昇)
- 強いうがいや歯磨きで傷口を刺激する
炎症を最小限にとどめるには、「冷やす・触らない・温めない」が鉄則です。薬の効果が切れたころに痛みが戻る場合もありますが、無理せず処方薬でコントロールしましょう。自己流の民間療法や過度なケアはかえって悪化させることがあります。
日常生活でのポイント
患部を冷やす:術後48時間以内は、15分冷やして15分休むを繰り返す
枕を高めにして寝る:腫れを抑える効果があります
柔らかい食事を選ぶ:ゼリー・スープ・おかゆなどを反対側で噛む
処方された薬をきちんと飲む:鎮痛剤と抗生物質を忘れずに
舌や指で患部を触らない:傷口の治りが遅れます
- 歯磨きは指示通りに:術部以外は丁寧に磨く
- タバコ・アルコール・運動は控える:治癒を妨げます
しっかり対処することで、痛みや腫れを最小限に抑えられます。
過度な運動の回避
術後数日間は、激しい運動や過度な活動を避けることが重要です。運動によって血圧が上昇し、痛みや腫れが悪化する可能性があるため、安静に過ごすことが回復を促進します。
飲食に関する注意
手術直後は、柔らかい食べ物や冷たい飲み物を摂ることで、患部に負担をかけないようにしましょう。硬いものや熱い飲食物は避け、痛みや腫れが収まるまでの間、無理をしないことが大切です。
腫れや痛みが長引く場合、どんなトラブルが考えられる?
通常1週間以内に落ち着く腫れや痛みが、2週間以上続く場合は注意が必要です。感染やインプラント周囲炎、骨との結合不全が起きている可能性があります。早めの受診が重要です。
長引く痛みや腫れは「異常」のサインです。
疑われる主な原因
- 感染(細菌の侵入)
→ 傷口の清掃不足や喫煙、免疫力低下などが原因。 - インプラント周囲炎
→ インプラント周囲の歯ぐきや骨に炎症が起こる状態。 - 骨との結合不良(オッセオインテグレーション不全)
→ インプラント体が骨と安定して結合していないケース。
痛みや腫れが長引く原因とは?
ドライソケット
- 血餅がうまくできず骨が露出することで、強い痛みが長く続く状態です。
インプラント手術後に痛みが続く場合、ドライソケットの可能性があります。これは、インプラントの周囲に血栓ができず、骨が露出してしまうことで起こります。ドライソケットになると、強い痛みが長期間続くことがあるため、すぐに歯科医に相談し、適切な治療を受けることが大切です。
感染症
- 傷口に細菌が入ることで炎症が起き、痛みや腫れが悪化します。
- どちらも早期対応が大切なので、異常を感じたら放置せずに相談を。
手術後の痛みが急に強くなったり、腫れが引かない場合は、感染症の可能性があります。感染が進行すると、インプラントの成功率に影響を及ぼすため、早期に適切な治療を受けることが必要です。
腫れへの対処法
冷却療法
術後48時間以内は、腫れを抑えるためにアイスパックや保冷剤などを使用して患部を冷やすことが推奨されます。15分冷やして15分休むというサイクルを繰り返すことで、腫れや炎症を効果的に軽減できます。ただし、直接肌に当てないようにし、タオルなどで包んでから当てることが重要です。
頭を高くして寝る
寝る際には、頭を高くして寝ることで血流をコントロールし、腫れを軽減することができます。枕を2つ重ねるか、リクライニングチェアを使用するのも有効です。
鎮痛剤と抗生物質の使用
鎮痛剤の効果的な使用
歯科医から処方される鎮痛剤を適切に服用することで、術後の痛みを管理できます。痛みが出る前に、予防的に服用することで、痛みを最小限に抑えることができます。処方通りに使用することが大切です。
抗生物質の服用
術後の感染予防のために抗生物質が処方されることがあります。抗生物質を正しく服用することで、術後の感染症リスクを減らし、炎症や腫れを抑えることが可能です。
こんな症状には注意!すぐに担当医に連絡を!
インプラント手術後2週間程度の間に下記のような症状が出た時は、すぐに担当医に連絡しましょう。
- 鎮痛剤がきかない
- 3~4日たっても痛みが治まらない
- 痛み止め、抗生剤を飲んで下痢や湿疹がでるなど体調が悪くなった
- 手術後に鼻血や膿が出る
- 手術後に顎のしびれや麻痺が出た
歯茎を縫った部分の違和感はどのくらいで消える?
インプラント手術では歯ぐきを切開してインプラント体を顎骨に埋め込みます。その後歯茎をきれいに縫い合わせると一時オペが終了します。
歯茎を縫った部分の違和感にも個人差が大きく、違和感を感じる方と全く感じない方がおられます。違和感を感じる方の中には、違和感を痛みとして感じる方もおられますが、手術後7日程度で抜糸を行うことで症状は改善します。
手術後は傷口が気になると思いますが、指や歯ブラシで触らないようにしましょう。
まとめ
痛みと腫れは一時的。正しいケアで早く回復できる
インプラント手術中の痛みはほぼなく、術後の痛みや腫れも一時的です。冷却・安静・服薬を守れば数日で落ち着き、感染を防ぐことができます。
- 手術中は麻酔で痛みを感じない
- 腫れは自然な炎症反応で1週間以内におさまる
- 長引く場合は感染のサイン
- 清潔・禁煙・休養で回復が早まる
「痛い・腫れる」と聞くと不安になりますが、現代のインプラント手術は非常に安全で、体への負担も軽くなっています。手術後は医師の指示を守り、焦らず落ち着いて回復を待ちましょう。安心して噛める日常は、ほんの少しのケアの積み重ねから始まります。
医療法人真摯会