インプラント

奥歯の治療にインプラントがおすすめな理由は?

奥歯の治療にインプラントがおすすめな理由は?

奥歯を失った場合には咀嚼に問題が起こりますので、早めの治療が必要です。治療法にはブリッジや入れ歯、インプラントがあり、近年ではインプラントが注目されています。なぜインプラントがおすすめなのか、他の治療法との違いを比較しながら、その理由やメリットについてご説明します。

奥歯の役割と重要性について



奥歯の役割

奥歯は、私たちが食べ物をしっかり噛んで飲み込むために欠かせない役割を持っています。具体的には以下のような働きがあります。

食物を噛み砕く

食べ物を細かくしてから飲み込むことで胃や腸への負担を軽減し、消化吸収を助けます。奥歯がしっかり機能していないと、消化不良や栄養不足につながることもあります。

噛む力の分散

奥歯は噛む力を分散させ、顎関節や他の歯への負担を軽減します。奥歯を失うと、物を噛んだときに前歯に過度な負担がかかり、歯のすり減りや不正咬合の原因にもなります。

顔のバランス維持

奥歯があることで顔全体の骨格が支えられ、顔のバランスが保たれます。奥歯が失われると、頬がこけてしまうなど、見た目にも影響が出ることがあります。

奥歯は、日常生活において見えにくい部位ですが、その重要性は前歯以上に高いといえます。

奥歯を失う原因とその影響

奥歯が失われる主な原因には、次のようなものがあります。

虫歯の進行

虫歯が進行すると、神経まで侵されて歯を抜かざるを得ない状況になります。特に奥歯は磨き残しが多く、虫歯が発生しやすい場所です。

歯周病

歯周病は歯茎や顎の骨を溶かし、最終的には歯が抜け落ちる病気です。初期段階では自覚症状が少ないため、気付いた時には進行していることも少なくありません。

外傷

事故やスポーツ中のケガで歯が折れたり、抜けたりすることがあります。奥歯は力がかかる部分なので、外傷によるダメージが大きい場合は抜歯が必要になることもあります。

奥歯を失うと、以下のような影響が出ます。

噛む力が弱くなる

奥歯は噛む力の要ですが、これがなくなると食事の際に食べ物を十分に噛むことが難しくなります。消化器官への負担が増え、胃腸に不調が起こることもあります。

他の歯への負担が増える

奥歯がないと前歯や隣接する歯がその役割を補うため、過度な力がかかり、歯がすり減ったり動いたりするリスクが高まります。

顔のバランスが崩れ、老けて見える

奥歯を失うと、顎の骨が痩せてしまい、頬がこけるなどして老けた印象になることがあります。

そのため、奥歯を失った際には早急な治療が必要です。

奥歯のインプラントが特に重要な理由

重要な理由

1. 奥歯は“咀嚼”のエースポジション

食事のときに一番パワフルに働いているのが、実は奥歯です。

噛む力の70〜80%は奥歯にかかっていて、ハード系パンやお肉、ナッツみたいな固いものをしっかり噛み砕けるのも、全部奥歯のおかげ。

奥歯がないと、そもそもちゃんと食べられない!

そのため、人生の満足度が大きく下がってしまいます。

2. 前歯だけでは補えない役割がある

たまに「前歯で噛めばいいでしょ」って思っちゃう人もいるけど、前歯は食べ物をちぎるためのものであって、噛み砕く設計にはなっていません。

無理に前歯で噛み続けると…

前歯がすり減る

顎関節がずれる

顎関節症を発症

つまり、「奥歯がない=噛み合わせ全体が狂ってしまう」

3. 顎関節と全身バランスにもガチで影響する

奥歯って、ただ食べるだけじゃなく、顔の骨格バランスを支える土台でもあるんだよね。

奥歯を失うとどうなるかというと…

噛み合わせがズレる

顎に変な力がかかる

顎関節症(あごのカクカク・痛み)になる

そこから首・肩・腰にまで不調が波及する

っていう、まさかの全身トラブルコースが待ってます。

奥歯1本が消えるだけで、こんなに影響するってエグくない?

4. 骨の痩せ=顔の老化スピード加速

さらに…

奥歯を失うと、その部分の顎の骨がどんどん痩せていきます。

骨が減ると、

頬がこける

口元がしぼむ

ほうれい線が深くなる

っていう、見た目の老化が加速します。

つまり、奥歯がないと… 影響するところ

しっかり噛めない 食事の楽しみ、消化機能

前歯に負担集中 歯並び崩壊、見た目悪化

顎関節トラブル 顔・全身のバランス崩れ

骨の吸収 顔の老化、見た目の変化

だから

「奥歯のインプラント」は単なる選択肢じゃなく、”未来への自己投資”なんだよね。

奥歯のインプラントが向いている人・向いていない人とは?

「奥歯がなくなってしまったけど、私にもインプラントってできるのかな…?」

そんな不安、けっこう多くの患者さんが感じてます。でも大丈夫。

ここではインプラント治療が「向いている人」と「慎重に検討すべき人」の特徴をわかりやすくお伝えしますね。

奥歯のインプラントが向いている人の特徴

顎の骨がしっかりしている人

 → インプラントは骨に固定する治療なので、骨の量と密度が重要になります。

糖尿病や心疾患などの持病がなく、全身の健康状態が安定している人

 → 手術を伴うため、持病のコントロールがされていることが前提です。

喫煙習慣がない、または禁煙できる人

 → 喫煙はインプラントの失敗リスクを高める要因です。

しっかり歯磨きや健診ができる人

 → インプラントは治療後のケアが超重要!お口の清潔が長持ちのカギです。

ブリッジや入れ歯が合わなかった人

 → 違和感や噛みにくさでお困りの方は、インプラントで劇的に改善することも◎。

奥歯のインプラントが“慎重に検討すべき”人の特徴

顎の骨が極端に少ない人

 → 骨が痩せているとインプラントを支えられないため、「骨造成」などの追加処置が必要になることもあります。

糖尿病や心臓病などの持病があり、コントロールが不十分な人

 → 感染リスクや手術の安全性の観点から、まずは医科と連携して全身管理が優先です。

喫煙を続けている人

 → 骨とインプラントがうまく結合しにくくなり、治療成功率が下がってしまいます。

口腔ケアが苦手な人

 → 歯磨きが雑だったり、健診に通えない人は「インプラント周囲炎」を起こすリスクが高くなります。

でも「向いていない=絶対ムリ」ではない!

ここで大事なのは、「向いていない」状態でも、改善の道があるということ。

例えば…

  • 骨が少ない → 骨を増やす「骨造成」で対応できる場合も
  • 糖尿病がある → 内科でコントロールすればOKなケースも
  • 歯磨きに不安 → 歯科衛生士によるブラッシング指導でサポート可能!

つまり、「今の状態をしっかり確認して、できることを一緒に考えていく」のが一番の近道なんです。

奥歯のインプラント治療は、条件を満たせばとても効果的な選択肢です。でも、誰にでもOKなわけではないからこそ、まずはお口と体の状態をしっかりチェックしてもらうことが大切。

インプラントとは?基本的な仕組みと特徴

前歯のインプラントと奥歯のインプラント

インプラントは、歯を失った部分に人工歯根を埋め込み、その上に被せ物を装着する治療法です。主な特徴は次のとおりです。

自然な噛み心地

インプラントは顎の骨と結合してしっかりと固定されるため、自然な歯と同じようにしっかり噛むことができます。硬い食べ物も安心して噛めるため、食事の楽しみが戻ります。しかし、硬すぎる食べ物は噛まない方がインプラントを傷めることがありません。

見た目が自然

人工の歯といっても、見た目は本物の歯とほとんど変わりません。周囲の歯とも調和し、笑顔に自信が持てるようになります。

長持ちする

インプラントは耐久性が高く、適切なケアを行えば10年以上、場合によっては一生使い続けることも可能です。

インプラントは、他の治療法に比べて優れた機能性と審美性を持ち、奥歯の治療に最適です。

ブリッジや入れ歯との比較

歯を失った場合の治療法には、インプラント以外にもブリッジや入れ歯があります。それぞれの特徴を比較します。

ブリッジ

ブリッジ

メリット

ブリッジは治療期間が比較的短く、手軽に欠損部分を補うことができます。費用もインプラントに比べて抑えられることが多いです。

デメリット

隣接する健康な歯を削る必要があるため、周囲の歯に負担がかかります。さらに、支えの歯が虫歯や歯周病になりやすくなります。

入れ歯

入れ歯

メリット

入れ歯は費用が比較的安価であり、短期間で治療が完了するため、高齢の方にも選ばれることが多いです。

デメリット

入れ歯は噛む力が弱く、硬い食べ物を噛むことが難しい場合があります。また、装着時に違和感があることもあります。

インプラント

前歯のインプラントと奥歯のインプラント

メリット

インプラントは顎の骨に固定されるため、自然な噛み心地と安定感を得られます。他の歯に影響を与えず、長期的に使える点も大きな魅力です。

デメリット

費用が比較的高く、治療期間が数ヶ月かかります。しかし、その分長期的な満足度が高い治療法です。糖尿病や心臓疾患などの持病がある方は行うことが出来ません。

奥歯は力がかかる部位のため、インプラントが最も適した治療法といえます。しかしインプラントはどなたにでも行える治療ではなく、持病のある方は手術を受けられなかったり、数値のコントロールが必要な場合もあります。

インプラント治療後に気をつけるポイント

治療後に気をつけるポイント

インプラント治療後は、次のポイントに気をつけましょう。

毎日の歯磨きや歯垢のケアを徹底する

インプラントは虫歯にはなりませんが、歯周病にはなる可能性があります。毎日の丁寧な歯磨きや歯垢の除去が大切です。

定期的な健診を受ける

インプラントがしっかり機能し続けるためには、定期的な健診が欠かせません。歯科医師に状態を確認してもらい、必要に応じてメンテナンスを受けましょう。

硬すぎる食べ物を避ける

インプラントは天然歯に近い強度を持ちますが、過度な力がかかるとトラブルの原因になります。硬いものを無理に噛まないよう注意が必要です。

上記のような適切なケアを行うことで、インプラントを長持ちさせることができます。

まとめ

奥歯は食事や日常生活の質を支える大切な歯です。そしてインプラントは自然な噛み心地と見た目を取り戻し、健康な口腔環境を維持するために最適な治療法です。

歯を失った場合の治療方法はブリッジ、入れ歯、インプラントの3種類となります。治療で悩んでいる方は、ぜひ早めに歯科医院で相談し、ご自身に合った治療法を選びましょう。

この記事の監修者

医療法人真摯会
理事長 歯科医師 総院長
松本正洋
クローバー歯科、まつもと歯科 総院長。国立長崎大学歯学部卒業。1989年歯科医師免許取得。1998年医療法人真摯会設立。インプラントの認定多数。IDIA(International Dental Implant Association国際インプラント歯科学会)認定医。I.A.A国際審美学会理事。日本抗加齢医学会認定専門医(日本アンチエイジング学会)。

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