インプラント

インプラントはどの部位がやりやすい?

インプラントはどの部位がやりやすい?

インプラント治療を検討している患者さんの中には、「どの部位がインプラントを入れやすいのか?」と疑問に思う方も多いのではないでしょうか?

そもそも部位によって成功率が変わるのか?

インプラントをするのが難しい場所とやりやすい場所があるのか?

どの部位なら長持ちしやすいのか?

こうした疑問を解決するために、インプラントのやりやすい部位についてご説明します。

すぐに理解できる!インプラントがやりやすい部位

インプラントがやりやすい部位は、ズバリこの3つ!

  1. 下顎の前歯~犬歯あたり → 骨がしっかりしていて安定しやすい
  2. 上顎の前歯(中切歯・側切歯) → 神経や血管のリスクが低い
  3. 骨が十分にある部位 → インプラントがしっかり固定できる

これらの部位では、手術のリスクが低く、治療期間も短くなりやすいんです!

一方、難しい部位は…?

上顎の奥歯(特に上顎洞に近い部分) → 骨が薄い、上顎洞が近い

下顎の奥歯(下歯槽神経が近い部分) → 神経に当たると麻痺のリスクあり

歯周病が進行して骨が少なくなった部位 → 骨造成(骨を増やす手術)が必要になることも

難しい部位では、追加の処置が必要になったり、治療期間が長くなることがあるので要チェック!

インプラントのやりやすい部位と難しい部位の特徴とは?

インプラント治療はどの部位にも可能ですが、部位によって治療の難易度が異なります。では、歯科医師にとって「やりやすい部位」と「難しい部位」にはどのような違いがあるのでしょうか? それぞれの特徴を解説していきます。

インプラントがやりやすい部位の特徴

1. インプラントがやりやすい部位の特徴

骨の厚みと高さが十分にある

インプラントを埋め込むには、十分な骨の量が必要です。骨がしっかりしていると、インプラントが安定しやすく、手術の成功率も高まります。

神経や血管のリスクが少ない

インプラントを埋め込む際、近くに神経や血管があると手術のリスクが上がります。リスクが少ない部位では、治療がスムーズに進みます。

噛み合わせの負担が適切

噛む力が適切に分散される部位では、インプラントにかかる負担が少なく、長期的に安定しやすくなります。

隣接する歯とのスペースが確保されている

インプラントを埋めるためには、隣の歯との間に適切なスペースが必要です。スペースが十分にあると、手術がしやすくなります。

やりやすい部位

下顎の前歯~犬歯あたり

上顎の前歯(中切歯・側切歯)

骨がしっかりしている部位

これらの部位では、インプラントを埋め込む際に大きな障害が少なく、スムーズに治療が進みやすいです。

2. インプラントが難しい部位の特徴

一方で、インプラントが難しい部位には、次のような課題があります。

骨の厚みや高さが不足している

上顎の奥歯などは、骨の量が少ないことが多く、インプラントを埋めるための「骨造成(こつぞうせい)」が必要になることがあります。

神経や血管が近い

下顎の奥歯には「下歯槽神経(かしそうしんけい)」があり、これに触れないよう慎重に手術をする必要があります。神経に触れると麻痺などのリスクが出るため、難易度が上がります。

上顎洞(じょうがくどう)が近い

上顎の奥歯の上には「上顎洞(じょうがくどう)」という空洞があり、インプラントを埋めるスペースが少ないことがあります。上顎洞に影響を与えないようにするためには、「サイナスリフト」や「ソケットリフト」といった特殊な処置が必要になることもあります。

噛み合わせの負担が大きい

奥歯は噛む力が強くかかるため、インプラントにかかる負担も大きくなります。そのため、骨の量が十分でないとインプラントが安定しにくいことがあります。

難しい部位

上顎の奥歯(特に上顎洞に近い部分)

下顎の奥歯(下歯槽神経が近い部分)

歯周病が進行して骨が減った部位

これらの部位では、追加の治療が必要になったり、手術のリスクが高まることがあります。

このように、インプラントのやりやすさは部位ごとに大きく異なります。

インプラントを考えている患者さんは、ご自身の状態をしっかり確認し、歯科医師と相談することが大切です。適切な部位で治療を受けることで、よりスムーズで成功率の高いインプラント治療が可能になります。

「自分のケースではどうなのか?」と気になる方は、ぜひ歯科医院で相談してみてくださいね!

では、実際に歯科医師が「やりやすい」と感じる部位はどこなのでしょうか?

歯科医師が「やりやすい」と感じるインプラント部位

インプラントがやりやすい部位

歯科医師がインプラントをしやすいと感じるのは、主に以下の部位です。

1. 下顎の奥歯(第一・第二大臼歯)

骨の厚みがあり、密度も高いため、インプラントの固定がしやすい

上顎のように副鼻腔(上顎洞)の問題がないため、手術の難易度が低い

噛む力が強くかかる部位のため、インプラントのメリットが大きい

2. 下顎の前歯(犬歯・側切歯)

神経や血管の影響が少ないため、比較的安全に手術ができる

骨の量が安定していることが多い

3. 上顎の前歯(中切歯・側切歯)

骨の密度はやや低いが、審美性の観点からもインプラントに適している

前歯部は噛む力の負担が少ないため、インプラントが長持ちしやすい

これらの部位は、骨の状態が良好であればスムーズにインプラント治療が進めやすい場所です。

やりやすい部位と難しい部位の治療法の違い

項目 やりやすい部位 難しい部位
骨の量 厚み・高さが十分 少なく、骨造成が必要になることがある
神経や血管の影響 影響が少なく安全 神経・血管が近く、慎重な手術が必要
治療の難易度 比較的簡単 高度な技術や追加処置が必要
治療期間 短め 長くなる可能性あり

やりやすい部位では、スムーズに手術ができ、治療期間も短めです。一方、難しい部位では、追加の処置が必要になり、治療期間が長くなることもあります。

成功しやすい部位でのインプラントのメリット

やりやすい部位でインプラントをすると、以下のようなメリットがあります。

手術の成功率が高い → 骨の厚みや密度が安定しているため

インプラントの寿命が長くなる → しっかりと固定され、長持ちしやすい

術後のトラブルが少ない → 神経や血管のリスクが低いため

特に下顎の奥歯は、噛む力を支える重要な部分なので、インプラントの恩恵を大きく受けられる部位と言えます。

インプラント治療を成功させるためのポイント

インプラント治療を検討する際には、以下の点を確認すると安心です。

CT撮影で骨の状態を確認する

CT撮影を行うことで、骨の厚みや神経の位置を正確に把握できます。

骨が少ない場合は骨造成を検討する

骨の厚みが足りない場合は、「骨造成」という方法で骨を増やすことが可能です。

信頼できる歯科医師に相談する

経験豊富な歯科医師に相談することで、自分に最適な治療計画を立てることができます。

治療後のメンテナンスをしっかり行う

インプラントは天然歯と同じように、日々の歯磨きや定期的な健診が重要です。正しいケアを続けることで、長期間快適に使い続けることができます。

患者さんが知っておくべき注意点

注意点

インプラントは「やりやすい部位」がある一方で、難しい部位にも対応する方法があります。

骨の厚みが足りない場合は骨移植が可能

副鼻腔が近い場合はサイナスリフト(骨を増やす処置)ができる

神経のリスクがある場合は短いインプラントを使用することも

歯科医師とよく相談し、適切な治療計画を立てることが大切です。

インプラントの前に今すぐ出来ること

今すぐ出来ること

「自分の歯の状態、気になってきた…!」

そんなあなたは、まず歯科医院でCT撮影をして、骨の状態をチェック!

今すぐできること

歯科医院で「インプラントがやりやすい部位か診てもらえますか?」と相談

奥歯のインプラントを考えている人は「骨が足りるか」チェックしてもらう

治療期間やリスクを事前に確認しておく

知らずに大変な治療になる前に、まずは歯科医に相談してみましょう!

あなたのインプラントが、スムーズに進みますように

まとめ

インプラント治療は、どの部位でも可能ですが、部位によって難易度が異なります。

やりやすい部位の特徴

骨が十分にある

神経や血管のリスクが少ない

噛み合わせの負担が適切

難しい部位の特徴

骨が少なく、追加治療が必要なことがある

神経や上顎洞が近く、慎重な手術が必要

噛む力が強く、インプラントに負担がかかる

インプラントを成功させるためには、事前にしっかり検査を受け、適切な治療計画を立てることが大切です。ご自身のケースが「やりやすい部位」かどうか気になる方は、ぜひ歯科医師に相談してみてください!

どの部位でも安心してインプラント治療を受けるために

インプラントのやりやすい部位を理解することで、治療への不安が少しでも軽減できるかもしれませんね。

下顎の奥歯と前歯はインプラントがしやすい部位

骨の量と密度がしっかりしている部位ほど手術がスムーズ

難しい部位でも追加の処置でインプラントが可能なこともある

まずは歯科医師と相談し、ご自身に最適な治療計画を立てましょう。インプラント治療は適切な部位を選ぶことで、より安心して長く使えるものになります。

ご不安な点があれば、ぜひ歯科医院でご相談くださいね!

この記事の監修者

医療法人真摯会
理事長 歯科医師 総院長
松本正洋
クローバー歯科、まつもと歯科 総院長。国立長崎大学歯学部卒業。1989年歯科医師免許取得。1998年医療法人真摯会設立。インプラントの認定多数。IDIA(International Dental Implant Association国際インプラント歯科学会)認定医。I.A.A国際審美学会理事。日本抗加齢医学会認定専門医(日本アンチエイジング学会)。

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