インプラント治療前・治療後の疑問

インプラント治療後の飲酒はいつから?

インプラント治療後お酒はいつから飲めますか?

大阪インプラント総合クリニック 歯科医師 松本 正洋

インプラント手術後の飲酒はいつから、どの程度OKなのでしょうか。お酒を飲むのがインプラントに悪い影響を与えないかどうかについてご説明します。

インプラント治療直後の注意点

インプラント治療直後は、手術した部位の安定化と回復が最優先です。治療直後の数日間は、出血や腫れを抑えるためにアルコールの摂取は避けるべきです。アルコールは血液を薄め、出血を増加させる可能性があるため、治癒過程に悪影響を与えることがあります。また、アルコールは炎症を引き起こし、痛みや腫れを悪化させることがあります。

飲酒出来るようになるタイミング

一般的には、インプラント治療後約1週間を経過し、傷口がある程度回復してから飲酒が許容されることが多いです。しかし、これはあくまで目安であり、具体的な時期は個々の治療の進行具合や患者の体調によって異なります。治療を行った歯科医師に相談し、許可を得てから飲酒を再開することが重要です。

インプラント手術当日から一週間程度の飲酒について

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アルコールやお酒は手術日を含めて1週間ほどの間は控えた方が傷の治りが良くなります。毎日晩酌を楽しんでおられる患者さんには物足りない毎日になるかもしれませんが、飲酒によって血行が良くなり、インプラント手術後の傷口に悪影響を与えるのを避けることが禁酒の理由です。

血行が良くなることで傷口が腫れやすくなったり、出血しやすくなる状況を作ってしまい、結果的に傷の治りが遅くなります。傷の治りが遅くなると、インプラントと骨の結合が遅れてインプラントがぐらつきを起こす原因になりますので、要注意です。

また、手術後は痛み止めや抗生物質などを服用して頂きますので、アルコールの摂取は好ましくありません。特に抗生物質とお酒は相性が悪いといわれており、抗生物質とお酒が同時に体内に入ると、お互いの代謝を妨げ合い、抗生物質が十分にきかなくなる恐れがあります。

インプラント手術後数日の間は、歯科医院からの注意事項をしっかり守って、術後の傷口の回復が順調に進むようにつとめましょう。

飲酒が治癒に与える影響

インプラント治療後の回復期間中に頻繁に飲酒を行うと、免疫力が低下し、感染症のリスクが高まる可能性があります。また、アルコールは血管を拡張し、血流を増加させるため、手術部位の炎症を長引かせることがあります。そのため、治癒が完全に進むまでは飲酒を控えることが推奨されます。

インプラント手術前の飲酒について

インプラント前の飲酒は、適量を飲む分には全く問題はありません。しかしお酒は飲み過ぎてしまうと身体に色々な影響があり、アルコールの過剰摂取は免疫機能を低下させる原因になりますので、注意しましょう。

インプラント手術当日から数日の間はアルコールを飲まないようにしていただくため、事前に少しずつお酒の量を減らして身体を慣らしていくのも一つの方法です。

お酒を飲むことの一般的な傷への影響について

お酒を飲むことは一般的に傷の治癒に好ましくない影響があります。それは主に以下の3点です。

  1. アルコールは傷の炎症を悪化させる
  2. アルコールによって骨や筋肉の修復が遅れる
  3. アルコールの分解に傷の回復のためのエネルギーが使われてしまう

1.アルコールは傷の炎症を悪化させる

傷が出来ると患部は内出血して腫れます。アルコールには血流を良くする作用があるため、アルコールを飲んで血流が良くなると内出血がひどくなり、腫れや痛みを悪化させます。

2.アルコールによって骨や筋肉の修復が遅くなる

お酒を飲むと身体に脱水症状が起こります。ギックリ腰や肉離れなどの原因の多くは筋肉の脱水症状であると考えられており、お酒を飲むと更に脱水症状が進行して痛みなどの症状がひどくなることがあります。

また、アルコールはカルシウムの吸収を妨げて、排泄をすすめてしまいます。カルシウムは骨や筋肉などの組織を作っている重要なミネラルであり、飲酒することで骨や筋肉の修復が遅くなります。

3.アルコールの分解に傷の回復のためのエネルギーが使われてしまう

怪我の回復のために使われるべき酵素などのエネルギーが、アルコール分解のために使われてしまい、エネルギーが足りなくなって怪我が治りにくくなります。

インプラント手術とは

インプラントと天然歯の違い

インプラントは、虫歯や歯周病で歯がなくなった場合の治療方法の一つです。その他の治療法としてはブリッジと入れ歯がありますが、ここではインプラントについてご説明します。

抜歯によって歯の組織がすっかり失われてしまいますが、インプラントはチタン製の人工歯根を顎の骨に埋め込んで歯根の代わりとし、その上に人工の歯を取り付けて人工の歯をつくる治療です。

インプラントを顎骨に埋入するには外科手術が必要で、保険が適用にならない自由診療のため治療費が高額になりますが、周囲の歯を削ったり傷めたりすることなく、噛む機能や見た目を回復させられるため、ブリッジや入れ歯に替わる治療として人気があります。

インプラント治療後の飲酒に関するQ&A

インプラント手術後にお酒を飲んでも大丈夫ですか?

インプラント手術後は、一週間ほどの間は飲酒を控えるべきです。アルコールは血行を良くするため、傷口の腫れや出血を引き起こす可能性があります。また、手術後には痛み止めや抗生物質を使用することがあり、これらの薬とアルコールは相性が悪いため、注意が必要です。

一般的に飲酒は傷の治癒にどのような影響がありますか?

飲酒は傷の治癒に好ましくない影響を与えることがあります。アルコールは傷の炎症を悪化させ、骨や筋肉の修復を遅くする可能性があります。また、アルコールの分解によって傷の回復に必要なエネルギーが使われるため、治癒が遅くなる場合があります。

インプラント手術後の飲酒に制限はありますか?

インプラント手術後は、一週間ほどの間は飲酒を控えるべきです。アルコールによって血行が良くなり、傷口の治癒を遅らせる可能性があるためです。また、手術後には痛み止めや抗生物質を使用することがあり、これらの薬とアルコールの同時摂取は避けるべきです。

まとめ

インプラント手術の後は手術による傷の回復につとめ、悪化を防がなければなりません。インプラント体をしっかり骨と結合させるためにも、飲酒はインプラント手術の当日から一週間程度は避けていただき、身体のエネルギーが手術の傷の回復に使えるようにしましょう。

この記事の監修者

医療法人真摯会
理事長 歯科医師 総院長
松本正洋
クローバー歯科、まつもと歯科 総院長。国立長崎大学歯学部卒業。1989年歯科医師免許取得。1998年医療法人真摯会設立。インプラントの認定多数。IDIA(International Dental Implant Association国際インプラント歯科学会)認定医。I.A.A国際審美学会理事。日本抗加齢医学会認定専門医(日本アンチエイジング学会)。

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