
インプラントは失った歯の機能を回復させるために顎骨に人工歯根を埋め、その上に上部構造を取り付ける治療です。インプラントの見た目はどうなのかご説明します。
目次
インプラントの構造は?

インプラントは3層の構造で出来ています。
歯槽骨に埋めて土台とするインプラント体(人工歯根)、歯肉の上に出し、インプラント体を上部構造とつなげるためのアバットメント、そしてその上に取り付ける上部構造(被せ物)です。人工歯根の部分をインプラントと呼ぶこともあります。
インプラント体は直接顎の骨に埋め込まれる部分で、材質はチタンで出来ています。チタンには骨と強く結合するオッセオインテグレーションという性質があり、生体に対して相性が良く(親和性が高い)、骨に埋め込んでも拒否反応が起こりにくく、骨と結合して外れなくなるため、インプラント体として広く使われています。
インプラント体の上に取り付ける上部構造(被せ物)も色や大きさなどの自由度が高く、審美性の高い前歯が作れます。
インプラントの見た目について
インプラントを構成しているインプラント体(人工歯根)とアバットメントは、歯茎の下に埋まる為、お口を開けたときに見えるのは上部構造のみです。見え方としては差し歯のような感じになります。
セラミックの表面は色合いや光沢、透明感などの質感が幅広く揃っていますので、上部構造は周囲の天然歯とよく馴染むものが作れます。
前歯のインプラントの見た目のポイント
前歯のインプラントは見た目、つまり審美性が大切です。
増骨の必要の有無
前歯のインプラントの際に、骨の高さや幅が足りなくて増骨が必要なケースがあります。増骨を行わずに骨が足りないままインプラントを入れると、歯茎からインプラント体が見えてしまったり、歯茎の一部が陥没したように見えたりします。
上部構造の色や形
上部構造(被せ物)の色を選ぶ際に、白すぎる色を選んでしまった場合に、インプラントの歯が周囲の歯よりも白く浮いて見えることがあります。
上部構造の素材色合い、光沢、透明感に質感などは幅広く揃っていますので、周囲の天然歯に馴染んで、一見して義歯だとわからないものを選ぶことが大切です。
入れ歯の見た目について
保険診療で作れる部分入れ歯はバネを隣の歯にひっかけて安定させます。バネは保険診療では金属で出来ている為、目立って嫌だといわれる方が殆どです。
また、入れ歯は年数が経つと歯槽骨が痩せるため、ゆるみが出て歯茎にピッタリと合わなくなってきます
保険診療の入れ歯は、歯の部分や歯茎を覆う部分がプラスチックになりますので、色数が少なく、自然に見えるものが作れません。いかにも入れ歯という見た目になってしまいますので、人前で歯を見せて笑うことを躊躇される方もおられ、審美的にはかなり問題があります。
自由診療の入れ歯であれば、バネを金属でなく歯茎の色に近い樹脂で作ることで見た目はかなり改善されます。
ブリッジの見た目について
ブリッジは、失った歯の両隣の歯を削って土台とし、橋渡しするように連結した義歯を取り付ける治療です。保険診療で受けられますが、金属でブリッジを作ると目立つため見た目が気になるという問題が起こります。
見た目以外にもダミーの歯と歯茎の間に食べ物がはさまりやすくなったり発音がしにくくなるケースもあります。入れ歯程ではないにしても、ブリッジも人前で歯を見せて笑うことを躊躇する可能性があります。
インプラントは見た目が不自然にならないかに関するQ&A
インプラントの見た目は上部構造のみが見えます。インプラント体とアバットメントは歯茎の下に埋まっているため、口を開けたときには上部構造が見えるだけです。上部構造はセラミックで作られ、周囲の天然歯とよく馴染む色合いや形状が選ばれます。
前歯のインプラントでは、審美性が非常に重要です。上部構造の色や形状は自然な見た目を実現するために注意が払われます。
保険診療の入れ歯は金属のバネを使用しており、これが目立つことがあります。また、入れ歯は時間が経つとゆるんでしまい、歯茎にピッタリと合わなくなることもあります。また、保険診療の入れ歯はプラスチックで作られているため、自然な見た目を実現するのが難しいです。一方、自由診療の入れ歯ではバネを歯茎の色に近い樹脂で作ることができ、見た目の改善が可能です。
まとめ
インプラントのメリットとして、見た目が殆ど天然の歯と変わらないというものがあります。しっかりと安定した土台の上に上部構造をつけることで、何でも噛めて見た目もきれいな人工歯が作れます。