インプラント

高齢者のインプラント治療は危険?それともメリットがある?

高齢者のインプラント治療は危険?

大阪インプラント総合クリニック 歯科医師 松本 正洋

インプラントによる自然な咬合力の回復は、咀嚼の効率化や消化吸収の向上に繋がります。高齢者の方がインプラント治療を受ける場合には、全身の健康状態についても考えなければなりませんし、治療後のメンテナンスをどのようにして続けていくかも大きなポイントになります。高齢者の方へのインプラント治療についてご説明します。

高齢者のインプラント治療のメリットとデメリット

高齢者のインプラント治療のメリットとデメリット

高齢者の方のインプラント治療は、メリットとデメリットを考慮する必要があります。

メリット

  1. 噛む力を取り戻すことで身体機能の維持に繋がる
  2. 認知症のリスクを軽減することができる
  3.  会話を楽しむことができる
  4. 審美性に優れ外見的な若々しさを保てる

デメリット

  1. インプラントと顎の骨が結合しづらい
  2. 若い人よりも細菌感染のリスクが高い
  3. 持病などで治療が受けられない場合がある
  4. セルフと歯科医院の両面でのメンテナンスが必要

高齢者へのインプラント治療に考慮すべきリスクと注意点

高齢者へのインプラント治療にはいくつかのデメリットや注意点も存在します。年齢とともに全身の代謝機能が低下するため、顎の骨と人工歯根の結合がしにくくなる場合があります。

また、高齢の方は手術時や手術後に細菌感染のリスクが高いため、感染予防のための充分な衛生管理が必要です。さらに、持病があって健康状態が悪い場合や患者さんの体力が低下している場合には、治療が受けられない場合もあります。

また、インプラント治療後は、インプラント周囲炎を起こさないように、毎日の歯磨きなどのセルフケアを徹底して行うことと、定期的に歯科医院に通ってメインテナンスを受けて頂くことも必要になります。

これらのデメリットや注意点を考慮しながら、老後のインプラント治療を検討することが重要です。

インプラント治療に伴うリスクには、以下のようなものがあります。

  • 感染症
  • 骨折
  • ドライソケット
  • 神経損傷
  • アレルギー
  • 費用

高齢者は、これらのリスクを理解した上で、インプラント治療を受けるかどうかを判断する必要があります。

高齢者へのインプラント治療の重要性

健康な歯を保つことはしっかり噛んで食事をすることに直結するため、高齢者の方にとっても重要な問題です。しっかりと噛むことは栄養の摂取に影響するため、お口の中の健康は全身の健康と密接に関連しています。

そこで、高齢者向けのインプラント治療が注目されています。インプラントは人工歯根を顎の骨に埋め込むことで、噛む力を取り戻すことができます。老後のインプラント治療は、食生活が充実することで免疫機能の維持につながり、結果として全身の健康を維持していくための重要な手段となります。

高齢者のインプラントのための事前準備

 

高齢者のインプラント治療前には、適切な事前準備が必要です。下記のようなことに気をつけて生活しましょう。

  1. お口の中を清潔に→歯磨きをしっかり、デンタルフロスも使う
  2. 栄養をしっかり摂る→健康状態を良くする
  3. 骨密度をあげる→カルシウム、ビタミンDが重要
  4. 持病の管理→医師の指示に従う

入れ歯と比較して高齢者にとってインプラントはどうなの?

高齢者

高齢者への歯の治療方法として、インプラント治療と入れ歯があります。入れ歯は保険適用で作れるため比較的手軽に入手できる反面、噛む力や安定性に問題が起こることがあり、お口の中での違和感に慣れない方もおられます。

一方、インプラントは自然な咬合力と感覚を取り戻せますが、手術やメンテナンスの必要性があり、保険がきかないため治療費が高額になります。インプラント治療は費用やリスクが伴いますが、健康寿命を伸ばせることや快適な日常生活の維持に貢献する可能性があります。老後においては、それらも考慮して適切な選択をすることが重要です。

高齢者の方のお口のケアの重要性と効果的な方法

インプラント治療後はメンテナンスが必要になります。適切なメンテナンスを行うことで、インプラントを長く機能させることが出来、周囲の歯や歯周組織の健康を維持することができます。メンテナンスには定期的な歯科医院への通院や毎日の丁寧な歯磨きが必要になります。インプラント周囲炎や歯周病の早期発見と治療も重要です。

高齢になると、ご自身での丁寧な歯磨きが難しくなる場合もありますが、歯科医院の訪問診療や介護士や看護師によるお口のケアのサポートを受けることも選択肢となります。老後の健康維持のためには、インプラント治療後のメンテナンスを適切に行い、口腔の健康を維持していくことが重要です。

高齢者のインプラント治療の心理的な面での影響

高齢者の方へのインプラント治療は、自信と幸福感の向上などの心理的な面に影響を与えます。歯を失うことは自信や幸福感の喪失に繋がることがありますが、インプラント治療によって見た目や口腔機能が改善されると、自信を取り戻すことができます。

自然な噛み心地や会話の快適さによって人との交流が楽しくなりますので、人間関係も良くなることが期待出来ます。老後をより充実したものにするためには、インプラント治療がもたらしてくれる心理的な効果も考慮することが重要です。

まとめ

高齢者の方へのインプラント治療は様々なメリットをもたらします。まず、インプラントによって咬む力が回復し、しっかりと噛んでで食べることで栄養の摂取や消化吸収が改善されます。しっかり噛むと脳への刺激も増え、認知症のリスクを軽減するといわれています。

さらに、インプラントは自然な感覚でお口の中での違和感がありませんので、会話を楽しんだり、外見的な若々しさを維持出来ます。老後の快適な生活をサポートするためにの一つの要因として、インプラント治療は価値があります。

この記事の監修者

医療法人真摯会
理事長 歯科医師 総院長
松本正洋
クローバー歯科、まつもと歯科 総院長。国立長崎大学歯学部卒業。1989年歯科医師免許取得。1998年医療法人真摯会設立。インプラントの認定多数。IDIA(International Dental Implant Association国際インプラント歯科学会)認定医。I.A.A国際審美学会理事。日本抗加齢医学会認定専門医(日本アンチエイジング学会)。

▶プロフィールを見る