インプラントの基礎知識

歯が1本もない場合は歯の本数分のインプラントを入れなくてはいけない?

歯が1本もありません。歯の本数分のインプラントを入れなくてはいけないのですか?

総入れ歯をお使いの方がインプラント治療をされる場合は、歯と同数のインプラントを埋め込まなくても良い方法がありますので、ご説明します。

総入れ歯の患者さん向けのインプラント治療法があります

総入れ歯からインプラントへ

全ての歯を失って歯が1本も残っていない状態を無歯顎といいます。無歯顎の患者さんは普段は総入れ歯をお使いのことと思いますが、総入れ歯でうまく噛めなかったり、毎日取り外してきれいに洗う手間が大変だったり、様々な理由でインプラント治療を希望される患者さんがおられます。

無歯顎の患者さんに対して、失った全ての歯の本数と同じ数のインプラントを埋め込むとしたら、身体的にも経済的にもかなりの負担となります。そのような患者さんの為に、従来よりはるかに軽度な負担でインプラント治療が出来る方法「オールオンフォー(All-on-4)」「インプラント・オーバーデンチャー」をご紹介します。

まずCT検査などで現在の状態を知る

歯科用CT

インプラント治療において重要なのは、もちろん骨の状態や骨量ということもあるのですが、歯を失ってしまった原因にも着目します。虫歯が進行したのか、歯の根が割れたのか、歯周病によるものなのかをまず確認します。

日本人の成人の8割は歯周病にかかっているといわれます。そしてインプラントが数年でだめになるケースの大半はインプラント周囲炎と呼ばれる、インプラント周囲の歯肉が歯周病のような症状になる病気です。

そのため、まず歯のクリーニングなどの歯周病治療を受けていただき、歯肉の状態を良くします。

同時に、CT検査によって骨の高さや幅を把握すると、現在の骨の状態でインプラント埋入が可能かどうか、それとも増骨の処置が必要かがわかります。長年に渡って総入れ歯を使用されている場合は、骨が吸収されてかなり減っている可能性がありますので、骨の状態を見ながら、オールオンフォーや入れ歯を固定するタイプのオーバーデンチャーという治療が適しているか判断します。

オールオンフォー(All-on-4)

オールオンフォーは4~6本のインプラントで支える

オールオンフォーは、インプラントを4本(前歯に2本と奥歯に傾斜をつけて2本)~6本埋入し、連結した固定式の人工歯を支える方法です。

固定式ですので総入れ歯が合っていない場合の歯茎の痛みや外れやすいなどの心配もなく、しっかりと噛むことが出来るようになります。患者さんの骨の状態によってインプラントの埋入数は片顎で4本~6本となります。

通常のインプラントの場合、顎の骨が薄い場合は骨造成術が必要でしたが、オールオンフォーでは骨の薄い部分を避けて長いインプラントを斜めに埋め込むことが出来るので、手術したその日のうちに仮歯を装着して食事をすることも可能です。

オールオンフォーについての詳しい説明は下記のページをご覧下さい。

インプラント・オーバーデンチャー


ロケーター義歯

インプラントオーバーデンチャーは総入れ歯を2本のインプラントで支えます。インプラントにはロケーターという器具を取り付け、入れ歯にはロケーターにくっつく留め具を取り付けます。ロケーターと留め具がくっつくことで、入れ歯が安定します。

オールオンフォーと違い、取り外し式の入れ歯をロケーターで安定させますので、入れ歯自体のお手入れは今まで通り発生します。

ロケーターと留め具の代わりに小型磁石を使う磁石アタッチメントデンチャー(マグネット式インプラント)という方法もあります。

インプラントオーバーデンチャーについての詳しい説明は下記のページをご覧下さい。

このほかにも、無歯顎の方の為に最小限の本数のインプラントで上部構造をブリッジにするインプラントブリッジやボーンアンカードブリッジなどの選択肢があります。

まとめ

このように、歯が1本もない無歯顎の方は、歯の数だけのインプラントを埋入する必要はなく、4~6本程度のインプラントで上部構造や入れ歯を安定させる方法があります。どの方法が適しているかは、カウンセリングで担当医がお話ししますので、じっくり話し合ってお決め下さい。