
オールオン4とオールオン6は、歯をすべて失った方やほとんどの歯を失った方に対するインプラント治療で、少ない本数のインプラントで全体の歯を支えることを目的としています。しかし、インプラントの本数や適応条件などに違いがあります。オールオン4とオールオン6の違いについてご説明します。
オールオン4とオールオン6の基本的な違い
オールオン4とオールオン6の最も大きな違いは、埋め込むインプラントの本数です。
- オールオン4・・片顎に4本のインプラントを埋め込み、その上に12本分の歯を作る上部構造を装着します。
- オールオン6・・片顎に6本のインプラントを埋め込み、同様に12本分の歯を作る上部構造を装着します。
この違いにより、治療の適応条件や安定性、費用などに差が生じます。
それぞれの特徴と適応条件
オールオン4の特徴

適応条件
顎の骨がしっかりしている方に適しています。骨の量や質が十分でない場合、追加の骨造成手術が必要になることがあります。
メリット
- インプラントの本数が少ないため、手術の負担が軽減されます。
- 治療費用を抑えることができます。
デメリット
- インプラントの本数が少ないため、長期的な安定性に不安が残る場合があります。
オールオン6の特徴

適応条件
顎の骨の量が少ない方でも適応可能です。骨のある部分を選んでインプラントを埋め込むため、骨造成手術が不要な場合もあります。
メリット
- インプラントの本数が多いため、噛む力の分散が効果的に行われ、安定性が高まります。
- 長期的な耐久性が期待できます。
デメリット
- オールオン4に比べて手術時間がやや長く、費用も高くなります。
手術時間と身体への負担
インプラントの本数が増えると、手術時間や身体への負担も増加します。
- オールオン4・・手術時間は約1.5時間から3時間程度とされています。
- オールオン6・・手術時間は約2時間から3時間程度で、オールオン4よりもやや長くなります。
どちらも入院は不要で、手術後は仮歯を装着して帰宅することが出来ます。
どちらを選択するかのポイント
オールオン4とオールオン6のどちらを選ぶかは、以下のポイントを考慮すると良いでしょう。
- 顎の骨の状態・・骨の量や質が十分でない場合は、オールオン6が適していることがあります。
- 費用・・予算に応じて選択することも重要です。デンタルローンでの支払いも出来ます。
- 長期的な安定性・・より高い安定性を求める場合は、オールオン6が適している可能性があります。
最終的な判断は、担当の歯科医師と相談して決定することをおすすめします。
オールオン4・オールオン6の共通するメリット・デメリット
共通するメリット
- 固定式のため、会話や食事への影響がほとんどない・・入れ歯のように外れる心配がなく、自然な感覚で会話や食事が楽しめます。
- 入れ歯特有の痛みや違和感がない
インプラントでしっかり固定されているため、入れ歯による痛みや違和感が軽減されます。
天然歯に近い自然な見た目になる
審美性が高く、自然な笑顔を取り戻すことができます。
顎骨が痩せにくくなる
インプラントが骨に刺激を与えるため、顎骨の吸収を防ぐ効果があります。これにより、顔の輪郭が維持され、若々しい印象を保つことが期待できます。
共通するデメリット
外科手術が必要
オールオン4・オールオン6はどちらもインプラントを埋め込む外科手術を伴います。そのため、手術に対する不安やリスクを抱える患者さんも少なくありません。
費用が高額
どちらの治療法も保険適用外であることが多く、費用が高額になる点は共通しています。
メンテナンスが必要
治療後も、インプラント周囲の歯垢や歯石を除去するために定期的な健診やクリーニングが必要です。怠ると、インプラント周囲炎などのリスクが高まります。
まとめ
オールオン4とオールオン6は、歯をすべて失った患者さんにとって、歯の機能と見た目を回復するための効果的な方法です。それぞれの治療法には、インプラントの本数、適応条件、費用、安定性などの点に違いがあります。オールオン4は費用を抑えながら手術負担を軽減したい方に適しており、オールオン6はより高い安定性と耐久性を求める方に向いています。
治療法を選択する際には、以下の点を考慮することが重要です:
- 顎の骨の状態
- 費用
- 長期的な安定性
- ライフスタイルや審美的なニーズ
最終的な決定は、担当の歯科医師と十分に相談し、ご自身に合った治療法を選ぶことが大切です。適切なメンテナンスを行うことで、オールオン4やオールオン6によるインプラント治療が長期的に良好な結果をもたらすことが期待できます。